ドロシイ・L・セイヤーズ著作リスト

Biography

Dorothy L. Sayers (UK)
1893年オクスフォード生まれ。 1923年に『誰の死体?』で作家デビュー。 以後,ピーター・ウィムジイ卿を主人公としたシリーズは代表作『ナイン・テイラーズ』(1934)をはじめ,現代でも人気が衰えない。 オクスフォード大で女性として初めて学位を得た才女でもあり,ダンテの『神曲』の英訳など小説以外の分野でも活躍した。


Bibliography

Whose Body?, 1923

誰の死体? (創元推理文庫)

「死体を探せ」宇野利泰訳 現代文芸社(モダン・ミステリー) 1957
「誰の死体?」浅羽莢子訳 創元推理文庫 1993
実直な建築家が住むフラットの浴室に、ある朝見知らぬ男の死体が出現した。場所柄男は素っ裸で、身につけているものといえば、金縁の鼻眼鏡と金鎖のみ。いったいこれは誰の死体なのか? 卓抜した謎の魅力とウイットに富む会話、そして、この一作が初登場となる貴族探偵ピーター・ウィムジイ卿。クリスティと並ぶミステリの女王がモダンなセンスを駆使して贈る会心の長編第1作。

Clouds of Witness, 1926

雲なす証言 (創元推理文庫)

「雲なす証言」浅羽莢子訳 創元推理文庫 1994
ピーター・ウィムジイ卿の兄ジェラルドが殺人容疑で逮捕された。しかも、被害者は妹メアリの婚約者だという。お家の大事にピーター卿は悲劇の舞台へと駆けつけたが、待っていたのは、家族の証言すら信じることができない雲を掴むような事件の状況だった。兄の無実を証明すべく東奔西走するピーター卿の名推理と、思いがけない冒険の数々。活気に満ちた物語が展開する第2長編。

Unnatural Death, 1927

不自然な死 (創元推理文庫)

「不自然な死」浅羽莢子訳 創元推理文庫 1994
殺人の疑いのある死に際した場合、検視審問を要求するべきか否か。とある料理屋でピーター卿とパーカー警部が話し合っていると、突然医者だという男が口をはさんできた。彼は以前、診ていた癌患者が思わぬ早さで死亡したおり検視解剖を要求したが、徹底的に分析にもかかわらず殺人の痕跡はついに発見されなかったのだという。奸智に長けた殺人者を貴族探偵が追つめる第3長編。

The Unpleasantness At the Bellona Club, 1928

ベローナ・クラブの不愉快な事件 (創元推理文庫)

「ベローナ・クラブの不愉快な事件」浅羽莢子訳 創元推理文庫 1995
騒々しかった休戦記念日の晩、ピーター卿はベローナ・クラブを訪れた。戦死した友人を悼む晩餐会に出席するためだったが、なんとクラブの古参会員、フェンティマン将軍が、椅子に坐ったまま死んでいる場に出くわしてしまう。しかもことは、由々しき問題に発展した。故人には縁の切れた妹がいた。資産家となった彼女は、兄が自分より長生きしたならば遺産の大部分を兄に遺し、逆の場合には被後見人の娘に大半を渡すという主旨の遺言を作っていたのだが、その彼女が、偶然同じ朝に亡くなっていたのである……。謎が転調に転調を繰り返す長編第4弾。

Lord Peter Views the Body, 1928
The Documents In the Case, 1930

箱の中の書類 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

「箱の中の書類」
松下祥子訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 2002
そもそもの始まりは、電気技師ハリソンが妻と住む家に二人の若い下宿人がやってきたことだった。穿鑿好きな中年の家政婦をまじえ、一見穏やかな共同生活が始まるが、人間関係は徐々に緊張を高めていく。そんなある夜、家政婦が下宿人の一人に襲われたと訴えた。そして事態は破局へと向かい、ハリソンの奇妙な事故死でその幕は閉じたかに見えた。だが、父の事故死を信じることのできない息子は当事者たちの手紙を集め、ひとつの箱に収めていた…全篇を書簡のみで構成し、なお鮮やかに人間関係を描き出す、驚異的な技巧に満ちた傑作サスペンス。

Strong Poison, 1930

毒を食らわば (創元推理文庫)

「毒」井上一夫訳 早川書房(世界探偵小説全集) 1955
「毒を食らわば」浅羽莢子訳 創元推理文庫 1995
裁判官による説示。被告人ハリエット・ヴェインは恋人の態度に激昂、袂を分かった。最後の会見も不調に終わったが、直後、恋人が激しい嘔吐に見舞われ、帰らぬ人となる。医師の見立ては急性胃炎。だが解剖の結果、遺体からは砒素が検出された。被告人は偽名で砒素を購入しており、動機と機会の両面から起訴されるに至る……。ピーター卿が圧倒的な不利を覆さんと立ち上がる第5弾。

Five Red Herrings, 1931

五匹の赤い鰊 (創元推理文庫)

「五匹の赤い鰊」浅羽莢子訳 創元推理文庫 1996

Have His Carcase, 1932

死体をどうぞ (創元推理文庫)

「死体をどうぞ」浅羽莢子訳 創元推理文庫 1997

Hangman's Holiday, 1933
Murder Must Advertise, 1933

殺人は広告する (創元推理文庫)

「殺人は広告する」浅羽莢子訳 創元推理文庫 1997
広告主が訪れる火曜日のピム広報社は賑わしい。特に厄介なのが金曜掲載の定期広告。こればかりは猛者揃いの文案部も鼻面を引き回される。変わり者の新人が入社してきたのは、その火曜日のことだった。前任者の不審死について穿鑿を始めた彼は社内を混乱の巷に導くが……。広告代理店の内実を闊達に描く本書は、真相に至るや見事な探偵小説へと変貌する。

The Nine Tailors, 1934

ナイン・テイラーズ (創元推理文庫)

「ナイン・テイラーズ」
平井呈一訳 東京創元社(世界推理小説全集) 1958
浅羽莢子訳 東京創元社 1998
門野集訳 集英社文庫 1999
年の瀬、ピーター卿は沼沢地方の雪深い小村に迷い込んだ。蔓延する流感に転座鳴鐘の人員を欠いた村の急場を救うため、久々に鐘綱を握った一夜。豊かな時間を胸に出立する折には、再訪することなど考えてもいなかった。だが春がめぐる頃、教区教会の墓地に見知らぬ死骸が埋葬されていたことを告げる便りが舞い込む。……堅牢無比な物語に探偵小説の醍醐味が横溢する、不朽の名編。

Gaudy Night, 1936

学寮祭の夜 (創元推理文庫)

「学寮祭の夜」浅羽莢子訳 創元推理文庫 2001
探偵作家ハリエットは醜聞の年月を経て、母校オクスフォードの学寮祭に出席した。するとその夜、けがらわしい落書きを中庭で拾い、翌日には嫌がらせの紙片を学衣の袖に見つける。幻滅の一幕。だが数ヶ月後恩師から、匿名の手紙と悪戯が学内に横行していると訴える便りが…。学問の街を騒がせる悪意の主は誰か。ピーター卿の推理は?英国黄金時代有数の大長編。

Busman's Honey Moon, 1937

忙しい蜜月旅行 (ハヤカワ文庫 HM (305-1))

「忙しい蜜月旅行」
深井淳訳 早川書房 1958/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1984
松下祥子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2005
劇的な出会いを果たしたハリエットとピーター卿はようやく結婚にこぎつけた。記者やうるさい親族を遠ざけて、新婦の故郷近くへハネムーンにでかけたものの、滞在先の屋敷には鍵が掛かり、出迎えるはずの屋敷の主人の姿は見あたらない。やがて、主人が死体で見つかると、甘く楽しいはずの蜜月の旅は一転、犯人捜しの様相を呈し…本格ミステリ黄金時代を築き、後世の探偵小説に絶大なる影響を与えた著者の代表作。

In the Teeth of Evidence, 1939

オリジナル短編集

The Case Book of Lord Peter

ピーター卿の事件溥―シャーロック・ホームズのライヴァルたち (創元推理文庫)

「ピーター卿の事件簿 -シャーロック・ホームズのライヴァルたち」宇野利泰訳 創元推理文庫 1979

More Tales of Lord Peter

顔のない男―ピーター卿の事件簿〈2〉 (創元推理文庫)

「顔のない男 -ピーター卿の事件簿2」宮脇孝雄訳 創元推理文庫 2001
英国黄金時代を担ったミステリの女王セイヤーズ。本書は、特異な動機の究明が深い余韻を残す表題作、不思議な遺言の謎を解くウイット満点の「因業じじいの遺言」、幻想味豊かな「歩く塔」等、貴族探偵ピーター卿の魅力溢れる七編に、セイヤーズが実在の犯罪事件を推理する「ジュリア・ウォレス殺し」と必読の歴史的名評論「探偵小説論」を併載した、待望のオリジナル短編集第二弾。