P.D.ジェイムズ著作リスト

1962

Cover Her Face

女の顔を覆え (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 129-6))

「女の顔を覆え」山室まりや訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1977/ハヤカワ・ミステリ文庫 1993
村の旧家マクシー家で、メイドが絞殺死体となって発見された。彼女はマクシー家の跡取り息子との婚約を突然発表し、多くの者の反感をかっていた。はたしてそれが殺人の引き金となったのか?捜査を始めたダルグリッシュ警部は、事件の裏に潜む醜悪な人間関係に突き当たる。ミステリ界の頂点に立つ著者の処女作

1963

A Mind to Murder

ある殺意 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

「ある殺意」山室まりや訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1977
「ある殺意」青木久恵訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1998
ある秋の晩、ロンドンのスティーン診療所の地下室で、事務長のボーラムの死体が発見された。彼女は心臓をノミで一突きされ、木彫りの人形を胸に乗せて横たわっていた。ダルグリッシュ警視が調べると、死亡推定時に、建物に出入りした者はなく、容疑者は内部の者に限定された。尋問の結果、ダルグリッシュはある人物の犯行と確信するが、事件は意外な展開を……現代ミステリ界の頂点に立つ著者の初期の意欲作。

1967

Unnatural Causes

不自然な死体 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

「不自然な死体」青木久恵訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1983/ハヤカワ・ミステリ文庫 1989
ダルグリッシュ警視が休暇でサフォークの叔母を訪ねた日、両手首を切断された男の死体が、小さなボートに乗って近くの海岸に流れついた。付近の村に多く住む物書きの一人、推理作家のモーリス・シートンだった。さっそく郡警察が捜査を開始したが、解剖の結果、意外な事実が判明した。死因は心臓麻痺。自然死だったのだ。だが、はたして純粋な自然死なのか。手首切断の背景には何があるのか?ダルグリッシュは否応なく事件に巻き込まれていった…。人間と背景の緻密な書きこみと謎解きの妙が見事に融合した、ミステリの新女王の初期の秀作。

1971

Shroud for a Nightingale

ナイチンゲールの屍衣 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

「ナイチンゲールの屍衣」隅田たけ子訳 早川書房 1975/ハヤカワ・ミステリ文庫 1991
看護婦養成所ナイチンゲール・ハウスで、胃に栄養剤を送りこむ実習訓練中、患者役の看護学生が突然苦しみだし、息絶えた。数日後今度は別の学生が毒入りウイスキーを飲んで変死を遂げた。捜査を開始したダルグリッシュ警視は、所内の複雑な人間関係の襞に分けいっていく…。白衣の天使の殿堂に渦巻く醜悪な愛憎関係を重厚な筆致で描き出し、英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞を受賞したミステリの新女王の代表傑作。

1972

An Unsuitable Job for a Woman

女には向かない職業 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

「女には向かない職業」小泉喜美子訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1975/ハヤカワ・ミステリ文庫 1987
探偵稼業は女には向かない。ましてや、22歳の世間知らずの娘には―誰もが言ったけれど、コーデリアの決意はかたかった。自殺した共同経営者の不幸だった魂のために、一人で探偵事務所を続けるのだ。最初の依頼は、突然大学を中退しみずから命を断った青年の自殺の理由を調べてほしいというものだった。コーデリアはさっそく調査にかかったが、やがて自殺の状況に不審な事実が浮かび上がってきた……可憐な女探偵コーデリア・グレイ登場。イギリス女流本格派の第一人者が、ケンブリッジ郊外の田舎町を舞台に新米探偵のひたむきな活躍を描く。

1975

The Black Tower

黒い塔 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

「黒い塔」小泉喜美子訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1976/ハヤカワ・ミステリ文庫 1994
ドーセットにある障害者用の療養所で教師をしていたバドリイ神父が急死した。長年の知人であるダルグリッシュ警視が、折り入って相談があるという手紙を受け取った直後のことだった。はたして神父の相談ごととは何だったのか。休暇を利用して調べをはじめたダルグリッシュは、療養所内で患者の事故死や自殺が相次いでいることを知るが……現代ミステリ界の頂点に立つ著者の英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞受賞作。

1977

Death of An Expert Witness

わが職業は死 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

「わが職業は死」青木久恵訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1981/ハヤカワ・ミステリ文庫 2002
犯罪の科学捜査を行なうホガッツ研究所で深夜、所長代理のロリマーが殺された。現場は厳重に戸締まりされており、外部から侵入した形跡は見当たらない。冷徹で高慢な被害者は所内の嫌われ者で、誰からも反感を買っていた。多すぎる動機、密室の謎…ダルグリッシュ警視長は周到な尋問と鋭い推理で、犯罪捜査のエキスパートたちの間に生じた殺人事件の複雑な糸を解きほぐしていく。現代ミステリ界の女王が放つ本格傑作。

1980

Innocent Blood

罪なき血 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

「罪なき血」青木久恵訳 ハヤカワ・ノヴェルズ 1982/ハヤカワ・ミステリ文庫 1988
18歳の誕生日を迎えて、フィリッパは実の両親を捜しはじめた。だが彼女が探りあてたのは、父は少女暴行罪で服役中に獄死、母はその少女を殺害した罪で今も服役中という恐ろしい事実だった。母メアリの出所が間近であることを知ったフィリッパは、養父母の反対を振り切って、出所後の母と一緒に暮らすことにした。だがフィリッパだけがメアリの出所を待っていたのではなかった。娘を殺された父親も、復讐のために、殺人者の出所を待ちかまえていたのだった…。人の犯した罪とは何か、親子の絆とは何かを問う、ミステリの新女王の戦慄の問題作。

1982

The Skull Beneath the Skin

皮膚の下の頭蓋骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 129‐2))

「皮膚の下の頭蓋骨」小泉喜美子訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1983/ハヤカワ・ミステリ文庫 1987
女探偵コーデリアは、脅迫に怯える主演女優の身辺警護のため、伝説の孤島の壮麗な舞台で上演される古典劇に招かれた。島にはほかに、それぞれ思惑を胸に秘めた七人の男女が集まっていたが、やがて、開演を目前に、主演女優の惨殺体が発見された!ミステリの新女王が現代ミステリに新たな地平を拓いた大作。

1986

A Taste for Death

死の味〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

「死の味」青木久恵訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1987/ハヤカワ・ミステリ文庫 1996
教会の聖具室で血溜まりの中に横たわる二つの死体は、喉を切り裂かれた浮浪者ハリーと元国務大臣のポール・ベロウン卿だった。二人の取り合わせも奇妙だが、死の直前の卿の行動も不可解だった。突然の辞表提出、教会に宿を求めたこと……卿は一体何を考えていたのか?彼の生前の行動を探るため、ダルグリッシュ警視長は名門ベロウン家に足を踏み入れる。重厚な筆致で人間心理を巧みに描く、英国推理作家協会賞受賞作。

1989

Devices And Desires

策謀と欲望〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

「策謀と欲望」青木久恵訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1990/ハヤカワ・ミステリ文庫 1999
ダルグリッシュ警視長は、原子力発電所の聳える海沿いの村を休暇で訪れた。その村では最近、女性ばかりを狙う連続絞殺魔が暗い影を落としていた。ダルグリッシュが発電所所長宅の夕食会に招かれた夜、発電所の職員が帰宅途中に絞殺されるという事件が起きた。住民の恐怖が高まるなか、ダルグリッシュは海岸で女性幹部ヒラリーの他殺体を発見する。手口から新たな犠牲者と思われたが、事件の前に絞殺魔は自殺していた…。

1993

The Children of Men

トゥモロー・ワールド (ハヤカワ・ミステリ文庫)

「人類の子供たち」青木久恵訳 ハヤカワ・ノヴェルズ 1993/ハヤカワ・ミステリ文庫 1999/《改題》「トゥモロー・ワールド」ハヤカワ・ミステリ文庫 2006
近未来、世界中で子供が生まれなくなり時だけが過ぎていく。この悪夢は人々から希望を奪い、絶望を蔓延させた。イギリスでは国守ザンが絶対権力を握っていた。そのいとこである大学教授セオはやがて反体制組織のメンバーからザンの執政の恐ろしい裏側を知らされる。メンバーの女性と恋に落ちたセオは、国家を敵に回し、終わりのない逃亡生活の渦中へ…壮大なスケールでおくるサスペンス。
トゥモロー・ワールド プレミアム・エディション [DVD] Movie「トゥモロー・ワールド」CHILDREN OF MEN, 2006(米=英)
監督・脚本:アルフォンソ・キュアロン、脚本:ティモシー・J・セクストン、 出演:クライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア、マイケル・ケイン

1994

Original Sin

原罪〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

「原罪」青木久恵訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1995/ハヤカワ・ミステリ文庫 2000
伝統を誇る名門出版社「ペヴァレル出版」の社長ジェラードの死体が資料室で発見された。彼は何者かに閉じこめられ、ストーヴの不完全燃焼により一酸化炭素中毒を起こしたのだ。しかも、死体の首には蛇のぬいぐるみが巻きつけられ、口には蛇の頭が押しこまれていた。こんな異常な殺人を仕組んだ者は?駆けつけたダルグリッシュ警視長たちは、ジェラードが社長に就任してから社内で不祥事が相次いでいることを知るが。

1997

A Certain Justice

正義〈上〉 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

「正義」青木久恵訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1998
現代ミステリ界の女王、20世紀最後の力業。ミドル・テンプル法曹学院に所属する弁護士ヴェニーシャ・オールドリッジは、伯母殺しで起訴された青年アッシュの弁護に立ち、見事無罪を勝ち取った。だが、勝利の美酒に酔う間もなく、彼女は学院の自室で無惨な刺殺体となって発見される。しかも遺体には奇妙な細工が施されていた。頭に法廷用の鬘が被せられ、その上から同僚の弁護士が手術用に保管してあった血液が注がれていたのだ。事件の謎を追って、ダルグリッシュ警視長は法曹界の中枢に踏み込む。

2001

Death in Holy Orders

神学校の死 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

「神学校の死」青木久恵訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 2002
サフォーク州の人里離れた海岸に位置する聖アンセルムズ神学校の学生が、近くの砂浜で砂の下に埋もれた変死体となって発見された。公式見解は事故死とされたが、納得しない学生の義父が、ロンドン警視庁に再捜査の圧力をかけてきた。少年時代に同校で夏季休暇を過ごした経験をもつダルグリッシュ警視長に白羽の矢が立ち、彼は校内に滞在して調査にあたることになる。時を同じくして、同校の閉校を推進する教会幹部も到着するが、ダルグリッシュはそこに不穏な空気を感じた。はたせるかな、嵐が荒れ狂う夜、彼の目と鼻の先で残忍な殺人事件が。

2003

The Murder Room

殺人展示室 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

「殺人展示室」青木久恵訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 2005
殺人は、それが起きた時代を象徴する―風光明媚なハムステッド・ヒースに建つ私設のデュペイン博物館は、有名な殺人事件の数々をあつかうユニークな展示で知られていた。その博物館で、実際に事件が起きた。運営理事で創立者の息子であるネヴィルが車ごと焼き殺されたのだ。その状況は1930年に起きた自動車炎上殺人事件に奇妙なくらい酷似していた。おりしも、博物館は創立者の遺言条項により、存続の危機を迎えている。有名事件の模倣犯罪か、それとも館の相続にかかわる事件なのか?ダルグリッシュが捜査を進めるさなか、第二の殺人が。

2005

The Lighthouse

灯台 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

「灯台」青木久恵訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 2007
コーンウォール沖に浮かぶカム島。かつてある一族が私有していたそこは、現在は高級保養所としてVIPの滞在客のみを迎えていた。その島で変死事件が発生する。滞在中だった世界的作家が、無残な首吊り死体で発見されたのだ。島には、被害者の娘も含めた少数の滞在客と従業員しかいない。事件の社会的影響に配慮して遠くロンドンからダルグリッシュのチームが島へ派遣されてきた。容疑者は限定されていたが、捜査は難航の兆しを見せる。事件の背後に、過去の忌まわしい歴史が潜んでいるのか…さらには、ダルグリッシュの身に思わぬ変事が。

2008

The Private Patient

秘密〔ハヤカワ・ミステリ1833〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

「秘密」青木久恵訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 2010
ジャーナリストのローダが長年放置してきた顔の傷痕を消す決意をしたのは、母親の再婚がきっかけだったのかもしれない。高名な形成外科医を訪ねた彼女は、医師の所有する荘園に滞在して手術を受けることになる。庭には古代のストーンサークルがあり、そこでかつて魔女が処刑されたという伝説が残っていた。手術の夜、そのストーンサークルに不審な光が…そして翌朝、ローダはベッドで扼殺死体となっていた。ダルグリッシュ率いる特捜チームが現場に急行するが、事件の影にはさまざまな秘密が!シリーズが、ついに重要な節目を迎える話題作。