ネビュラ賞長篇部門受賞作リスト

1965

フランク・ハーバート『デューン 砂の惑星』

デューン砂の惑星 (1) (ハヤカワ文庫 SF (76))

Dune, 1965
矢野徹訳 ハヤカワ文庫SF 1972-73
アラキス……砂丘……砂漠の惑星。ポウルの夢に一面乾ききった死の世界が広がる。そこが、彼がこれからの一生を過す所なのだ――アラキスは苛酷な星ではあったが同時に唯一の老人病特効薬メランジの宝庫でもあり、皇帝の直命を受けたアトレイデ公爵にとって、そこを仇敵ハルコンネン家にかわって支配することはこの上ない名誉と富を意味した。一人息子ポウルに、より豊かな未来を継がせるのだ。ハルコンネンの復讐の罠を、皇帝の恐るべき奸計を、充分承知しながら公爵はあえて砂の惑星に乗り込んでいく……!SF界最高の栄誉ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞に輝く大傑作巨篇、ここに堂々の開幕!
フランク・ハーバート著作リスト

1966

サミュエル・R・ディレイニー『バベル-17』

バベル17 (ハヤカワ文庫 SF 248)

Babel-17, 1966
岡部宏之訳 ハヤカワ文庫SF 1977
戦いのさなか、同盟軍の支配圏内でインベーダーの大規模な破壊活動が行なわれるとき、きまって発信源不明の謎の通信、バベル-17が傍受された。その解読にあたるのは全銀河にあまねく知られる美貌の詩人リドラ・ウォン。天才的な言語感覚でバベル-17が単なる暗号ではなく、ひとつの宇宙言語であることをつきとめたリドラは宇宙船ランボー号で次の敵の攻撃目標へと向かうが……ネビュラ賞受賞のニュー・スペース・オペラ
サミュエル・R・ディレイニー著作リスト

ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』

アルジャーノンに花束を

Flowers for Algernon, 1966
小尾芙佐訳 ダニエル・キイス文庫 1999
32歳になっても、幼児の知能しかないチャーリイ・ゴードンの人生は、罵詈雑言と嘲笑に満ちていた。昼間はパン屋でこき使われ、夜は精薄者センターで頭の痛くなる勉強の毎日。そんなある日、彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の偉い先生が、頭をよくしてくれるというのだ。願ってもないこの申し出に飛びついたチャーリイを待っていた連日の苛酷な検査。検査の競争相手は、アルジャーノンと呼ばれる白ネズミだ。脳外科手術で超知能をもつようになったアルジャーノンに、チャーリイは奇妙な親近感を抱きはじめる。やがて、脳外科手術を受けたチャーリイに新しい世界が開かれた。だが、その世界は、何も知らなかった以前の状態より決してすばらしいとは言えなかった。今や超知能をもつ天才に変貌したチャーリイにも解決しがたいさまざまな問題が待ちうけていたのだ。友情と愛情、悲しみと憎しみ、性、科学とヒューマニズム、人生の哀歓を、繊細な感性で描きだす感動の1966年度ネビュラ賞長篇部門受賞作。
ダニエル・キイス著作リスト

1967

サミュエル・R・ディレイニー『アインシュタイン交点』

アインシュタイン交点 (ハヤカワ文庫SF)

The Einstein Intersection, 1967
伊藤典夫訳 ハヤカワ文庫SF 1996
遠未来の地球。人類はいずこへか消え失せ、代わりに住みついた異星生物が懸命に文明を再建しようとしていた。ロービーは人の心を音楽で奏でることができる不思議な青年。恋人の死を契機に旅に出た彼は古代のコンピュータ、ドラゴン使い、海から来た暗殺者など様々な存在との出会いを経て、世界の大いなる謎を解き明かしてゆく…幾層ものメタファーやシンボルを重ねて華麗な神話宇宙を構築し、ネビュラ賞に輝く幻の名作。
サミュエル・R・ディレイニー著作リスト

1968

アレクセイ・パンシン『成長の儀式』

成長の儀式 (ハヤカワ文庫 SF 297)

Rite of Passage, 1968
深町眞理子訳 ハヤカワ文庫 1978
人口爆発による大戦争で地球は滅び、人類はかろうじて、百余の植民惑星と八隻の巨大な〈船〉とに散って生きのびていた。その〈船〉のひとつで生まれた多感な少女マイア――だが、14歳を迎える彼女には厳しい試練が待ち構えていた。〈船〉の規律により14歳になると、30日間を敵意に満ちた植民惑星で生活し、そこで生きぬいた者のみが、一人前の成員としてみとめられるのだ。この〈成長の儀式〉を間近にひかえ、マイアもまた苛酷な世界で生きぬく勇気と知識を学びとらねばならなかった! 一人の少女の成長過程を、情感豊かにみずみずしく描きあげた1968年度ネビュラ賞受賞作。
アレクセイ・パンシン著作リスト

1969

アーシュラ・K・ル=グウィン『闇の左手』

闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))

The Left Hand of Darkness, 1969
小尾芙佐訳 ハヤカワ文庫SF 1977
両性具有人の惑星、雪と氷に閉ざされたゲセンとの外交関係を結ぶべく派遣されたゲンリー・アイは、理解を絶する住民の心理、風俗、習慣等様々な困難にぶつかる。やがて彼は奇怪な陰謀の渦中へと……エキゾチックで豊かなイメージを秀抜なストーリイテリングで展開する傑作長篇
アーシュラ・K・ル=グウィン著作リスト

1970

ラリー・ニーヴン『リングワールド』

リングワールド (ハヤカワ文庫 SF (616))

Ringworld, 1970
小隅黎訳 ハヤカワ文庫SF 1985
200歳の探検家ルイス・ウーは、ノウンスペースのありとあらゆる驚異を見つくしてしまっていた。だがその彼も、パペッティア人のネサスから見せられた一枚のホロには目をむいた。G2型恒星のまわりを、薄いリボン状の構築物がぐるりととりまいているのだ。誰が、何のために作ったのか?このリングワールドの謎を探るべく、ルイスは凶暴なクジン人の戦士、地球人の若い女性ティーラ・ブラウン、そしてネサスとともに、最新型の宇宙船に乗りこみ、壮大な冒険に飛び立ったが……?! 〈ノウンスペース〉シリーズのクライマックスを華麗に飾るヒューゴー、ネビュラ両賞受賞作品!
ラリー・ニーヴン著作リスト

1971

ロバート・シルヴァーバーグ『禁じられた惑星』

禁じられた惑星 (創元SF文庫)

A Time of Changes, 1971
中村保男訳 創元推理文庫 1975
この惑星では、「わたし」という言葉が禁じられている。自己を主張するのは猥褻で卑しむべきことなのだ。サラ州の第二王子として生まれたキノールは、主権者だった父が逝去したのち、後を継いだ兄の粛清を逃れて国を出た。結ばれぬ絆姉妹への想いを胸に世界を遍歴するうち、彼は一人の地球人と巡りあう。やがて彼が迎えた“変化の時”とは。ネビュラ賞受賞の栄に輝く鬼才の野心作。
ロバート・シルヴァーバーグ著作リスト

1972

アイザック・アシモフ『神々自身』

神々自身 (ハヤカワ文庫SF)

The Gods Themselves, 1972
小尾芙佐訳 ハヤカワ文庫SF 1986
西暦2070年、〈平行宇宙〉から、タングステンとの交換にもたらされるプルトニウム186は、無公害で低コスト、しかも無限のエネルギー源として歓迎された。だが、この魅力的な取引きには恐るべき陥穽が隠されていたのだ……米SF界の巨匠が、満を持して放った傑作SF巨篇。《ハヤカワ文庫》
アイザック・アシモフ著作リスト

1973

アーサー・C・クラーク『宇宙のランデヴー』

cover

Rendezvous with Rama, 1973
南山宏訳 ハヤカワ文庫SF 1985
西暦2130年、<スペースガード>のレーダー網に謎の物体が探知された。やがて、宇宙探測機が送ってきた映像によって、太陽系に突如現れたこの物体は自然のものではなく、直径40キロ、自転周期4分という巨大な円等型の金属物体であることが判明した。この事実は、全人類を騒然とさせた――長い間期待され恐れられてきた、宇宙からの最初の訪問者をついに迎えることになったからだ!“ラーマ”と命名されたこの人工惑星にエンデヴァー号が調査のために接近、苦心のすえランデヴーに成功し、ラーマ内部に侵入するが……ヒューゴー/ネビュラ両賞受賞に輝く巨匠の傑作SF!
アーサー・C・クラーク著作リスト

1974

アーシュラ・K・ル=グウィン『所有せざる人々』

所有せざる人々 (ハヤカワ文庫SF)

The Dispossessed, 1974
佐藤高子訳 ハヤカワ文庫SF 1986
恒星タウ・セティをめぐる二重惑星アナレスとウラス―だが、この姉妹星には共通点はほとんどない。ウラスが長い歴史を誇り生命にあふれた豊かな世界なら、アナレスは2世紀たらず前に植民されたばかりの荒涼とした惑星であった。オドー主義者と称する政治亡命者たちがウラスを離れ、アナレスを切り開いたのだ。そしていま、一人の男がアナレスを離れウラスへと旅立とうとしていた。やがて全宇宙をつなぐ架け橋となる一般時間理論を完成するために、そして、ウラスとアナレスの間に存在する壁をうちこわすために…。ヒューゴー賞ネビュラ賞両賞受賞の栄誉に輝く傑作巨篇。
アーシュラ・K・ル=グウィン著作リスト

1975

ジョー・ホールドマン『終りなき戦い』

終りなき戦い (ハヤカワ文庫 SF (634))

The Forever War, 1975
風見潤訳 ハヤカワ文庫 1985
人類は画期的な新航法コラプサー・ジャンプを発見、その結果多数の移民船や探検船が果てしない宇宙へ送り出された。だがそうした船の一隻が正体不明の異星人に突如攻撃されるという事件が発生し、これを契機に人類はトーランと呼ばれるこの異星人との全面戦争に突入した! 苛酷な訓練を受け、殺人機械と化した兵士たちが特殊スーツに身を固めて戦地に赴いたものの、戦況は次第に救いなき泥沼化の様相を呈していった…… 期待の俊英が壮絶なる星間戦争を迫真の筆致で描き『宇宙の戦士』にまさるとも劣らないと絶賛された、ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞の傑作戦争SF
ジョー・ホールドマン著作リスト

1976

フレデリック・ポール『マン・プラス』

マン・プラス (ハヤカワ文庫SF)

Man Plus, 1976
矢野徹訳 ハヤカワ文庫 1989
西暦2024年。世界人口は80億を越え、全世界は食糧不足と国際緊張にあえいでいた。コンピューターによれば人類滅亡の可能性は90パーセント以上。この危機を乗り越えるには、火星に植民するしかない。そこでアメリカは総力をあげて《マン・プラス》計画に挑んだ。苛酷な火星環境に適応させるため、人間をサイボーグ化しようというのだ。サイボーグ第1号は実験中に死亡し、すべては第2号であるロジャー・トラウェイの双肩にかかっていた。だがそのロジャーにも危険信号が…。ポールがサイボーグをテーマに人間と機械の新たな関係を描く力作SF。ネビュラ賞受賞作。
フレデリック・ポール著作リスト

1977

フレデリック・ポール『ゲイトウエイ』

ゲイトウエイ (ハヤカワ文庫SF)

Gateway, 1977
矢野徹訳 ハヤカワ文庫 1988
金星付近の小惑星で発見された千隻あまりの宇宙船―それは、謎のヒーチー人が残した超光速船だった。この船を使えば、人類の念願の恒星への飛行が可能となる。だが、操縦方法は皆目わからなかった。目的地も、要する時間も、エネルギーの残存量もわからぬ状態で飛び立つしかない。行手に待つものは死か、それとも、富を約束する未知の惑星か…。かくて、一攫千金を夢見る冒険家たちによって、スター・ラッシュが始まった!SF界の重鎮が、斬新な手法と躍動感あふれるストーリイ展開とで描き、全米の読者から熱狂的にむかえられた、ヒューゴー賞、ネビュラ賞受賞作。
フレデリック・ポール著作リスト

1978

ヴォンダ・マッキンタイア『夢の蛇』

夢の蛇 (ハヤカワ文庫SF)

Dreamsnake, 1978
友枝康子訳 ハヤカワ文庫 1988
烈風が吹きすさぶ荒れ果てた砂漠を、スネークはさまよっていた。彼女の職業は〈治療師〉。蛇の毒素から抗体をつくって、病人を癒す者。だが今のスネークには、その資格はなかった。治療のために必要な三匹の蛇のうち、スネーク自身がつくりあげた“夢の蛇”が殺されてしまったのだ。かくしてスネークは、新たなる夢の蛇を手に入れるべく、核戦争の爪跡も消えやらぬ荒野に旅立つが、その行手には何者かの邪悪な影がちらつき、旅を妨害するのだった!ル・グィン、ティプトリーと並び称される閨秀作家が流麗なタッチで描き、ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞に輝いた傑作SF。
ヴォンダ・マッキンタイア著作リスト

1979

アーサー・C・クラーク『楽園の泉』

楽園の泉 (ハヤカワ文庫SF)

The Fountains of Paradise, 1979
山高昭訳 ハヤカワ文庫SF 1987/2006
赤道上の同期衛星から超繊維でできたケーブルを地上におろし、地球と宇宙空間を結ぶエレベーターを建造できないだろうか?全長四万キロの“宇宙エレベーター”建設を実現しようと、地球建設公社の技術部長モーガンは、赤道上の美しい島国タプロバニーへやってきた。だが、建設予定地の霊山スリカンダの山頂には三千年もの歴史をもつ寺院が建っていたのだ…みずからの夢の実現をめざす科学者の奮闘を描く巨匠の代表作。
アーサー・C・クラーク著作リスト

1980

グレゴリー・ベンフォード『タイムスケープ』

タイムスケープ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

Timescape, 1980
山高昭訳 ハヤカワ文庫SF 1988
1998年、世界は破滅に向かって突き進んでいた。慢性的な異常気象、食糧難、エネルギー危機…。北アフリカでは旱魃で住民がつぎつぎに餓死していく。そして南アメリカ沖で発生した赤潮は、地球的規模での大災厄の前ぶれだった。だが、すべては1960年代以降に使われはじめた農薬などの化学物質による環境汚染が原因なのだ。過去を変えぬかぎり、世界は救われない。―そこでケンブリッジの物理学者ジョン・レンフリューは、光よりも速い粒子タキオンを使って過去へ通信を送ろうと考えたが!タイム・パラドックスに挑む科学者を鮮やかに描く、ネビュラ賞受賞の傑作ハードSF。
グレゴリー・ベンフォード著作リスト

1981

ジーン・ウルフ『調停者の鉤爪』

調停者の鉤爪(新装版 新しい太陽の書2) (ハヤカワ文庫SF)

The Claw of the Conciliator, 1981
岡部宏之訳 ハヤカワ文庫 2008
「拷問者組合」の掟に背いて城塞を追われたセヴェリアンは、新たな任地へ向かう途上、拉致され、深い森の奥へと連れていかれる。そこに設えられた玉座で待っていたのは、反逆者ヴォダルスだった!謎の宮殿「絶対の家」で果たすべき密命を受けて、セヴェリアンは斜陽の惑星を旅しつづける。人知を超えた魔石「調停者の鉤爪」を携えて…。若き拷問者の魂の遍歴を綴るSF/ファンタジイ史上最高のシリーズ、第二弾。
ジーン・ウルフ著作リスト

1982

マイクル・ビショップ “No Enemy But Time, 1982

1983

デイヴィッド・ブリン『スタータイド・ライジング』

スタータイド・ライジング (上) (ハヤカワ文庫 SF (636))

Startide Rising, 1983
酒井昭伸訳 ハヤカワ文庫SF 1985
人間=イルカ混成チームの乗り組む探険船〈ストリーカー〉は、ある辺境宙域で、銀河史上最大の発見をした。ひとつひとつが地球の月ほどもある五万隻の大宇宙船団。調査の結果、既知の知的種族のものではないばかりか、想像を絶するほどの太古から漂流していたことが明らかになった。しかもそのテクノロジーは、銀河系の科学水準をはるかに凌駕している。〈ストリーカー〉はこの発見を母星に報告するが、人類に敵対する銀河種族すべてが、その送信を傍受していたのだ!米SF界期待の新星が壮大な未来史を背景に描き、ヒューゴー、ネビュラ両賞に輝いた傑作SF巨篇
デイヴィッド・ブリン著作リスト

1984

ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

Neuromancer, 1984
黒丸尚訳 ハヤカワ文庫SF 1986
ケイスは、コンピュータ・カウボーイ能力を奪われた飢えた狼。だが、その能力を再生させる代償に、ヤバイ仕事をやらないかという話が舞いこんできた。きな臭さをかぎとりながらも、仕事を引き受けたケイスは、テクノロジーとバイオレンスの支配する世界へと否応なく引きずりこまれてゆく。話題のサイバーパンクSF登場!
ウィリアム・ギブスン著作リスト

1985

オースン・スコット・カード『エンダーのゲーム』

エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746))

Ender's Game, 1985
野口幸夫訳 ハヤカワ文庫SF 1987
地球は、恐るべきバガーの二度にわたる侵攻をかろうじて撃退した。捕えた人間を情容赦なく殺戮し、地球人の呼びかけにまるで答えようとしない昆虫型異星人バガー。彼らとの講和は決してありえないのだ!バガーの第三次攻撃にそなえ、優秀な司令官を育成すべくバトル・スクールが設立された。そこに入校したエンダーは、コンピユータのシミュレーション・ゲームから、無重カ戦闘室での模擬戦闘まで、あらゆる訓練で最優秀の成績をおさめるが……!?天才少年エンダーの苦難にみちた成長を、スリルと興奮にみちた筆致で描き、ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞に輝く傑作長篇
オースン・スコット・カード著作リスト

1986

オースン・スコット・カード『死者の代弁者』

死者の代弁者〈上〉

Speaker For the Dead, 1986
塚本淳二訳 ハヤカワ文庫SF 1990
宇宙に進出しはじめた人類が初めて遭遇した地球人以外の知的生命体、それが昆虫型異星人のバガーだった。だがコミュニケーション不足のため戦争となり、最終的には双方の種族に不幸な事態を招いてしまった。その事件から3千年、銀河各地に植民して領土を広げていった人類はついに第二の知的生命体に遭遇した。あらたに発見した惑星ルジタニアに入植しようとしたところ、森に住んでいる動物ピギーが高度の知性と能力を持っているとわかったのだ。今度こそバガーのときのような過ちは繰り返すまい…。人類はピギーと慎重に交渉しはじめたが。ヒューゴー賞、ネビュラ賞受賞。
オースン・スコット・カード著作リスト

1987

パット・マーフィー『落ちゆく女』

落ちゆく女 (ハヤカワ文庫SF)

The Falling Woman, 1986
友枝康子訳 ハヤカワ文庫 1990
考古学者エリザベスは、マヤのジビルチャルトゥン遺跡を発掘調査中、奇怪な現象を体験した―古代マヤ語を話す女の“幻”と遭遇したのだ。この女こそ、マヤに実在した女神官スーイー・カーク。壮大な使命を秘めて永劫の時を超え、マヤ暦の大いなる時の円環が一巡する現代にやってきたのだ。同じころ、長いあいだ音信不通だったエリザベスの娘ダイアンもマヤに姿を現わす。時を超えて3人の女が一堂に会したとき、古代マヤの恐るべき予言が着実に実現しようとしていた…。期待の新鋭マーフィーが華麗なる神話的小宇宙を紡いだネビュラ賞受賞作。
パット・マーフィー著作リスト

1988

L・M・ビジョルド『自由軌道』

自由軌道 (創元SF文庫)

Falling Free, 1988
小木曽絢子訳 創元推理文庫 1991
人類のバイオテクノロジーの発達は新たな人間を創造するに至った。辺境の惑星に浮ぶ巨大企業の研究衛星では、無重力環境下の労働に適した子供たちが生み出されていた。だがある日、この計画に即時停止命令が下される。子供たちを破棄せよというのだ。この無慈悲な企業決定に教育担当官は敢然と反旗を翻した! ネビュラ賞に輝く宇宙SF。
L・M・ビジョルド著作リスト

1989

エリザベス・アン・スカボロー『治療者の戦争』

治療者の戦争 (ハヤカワ文庫SF)

The Healer's War, 1988
友枝康子訳 ハヤカワ文庫 1991
闇夜を切り裂く銃火、大地を揺るがす迫撃砲の轟音、そして傷病兵の悲鳴…。従軍看護婦キティが見たベトナム戦争は、まさにこの世の地獄だった。だが、高齢のベトナム人患者からふしぎな護符を譲られたことで、彼女の運命は一変した。その護符の力で、キティは名実ともに“癒す者”となったのである。気鋭の女流作家が、みずからの体験をもとに魔術的な筆致でベトナム戦争を描き、全米に衝撃を与えたネビュラ賞受賞作。

1990

アーシュラ・K・ル=グウィン『帰還 −ゲド戦記 最後の書』

帰還―ゲド戦記〈4〉 (岩波少年文庫)

Tehanu: The Last Book of Earthsea, 1990
清水真砂子訳 岩波書店 2006
ゴント島で一人暮らすテナーは、魔法の力を使い果たしたゲドと再会する。大やけどを負った少女も加わった共同生活がはじまり、それぞれの過去がこだましあう。やがて三人は、領主の館をめぐる陰謀に巻き込まれるが…。
アーシュラ・K・ル=グウィン著作リスト

1991

マイクル・スワンウィック『大潮の道』

大潮の道 (ハヤカワ文庫SF)

Stations of the Tide, 1991
小川隆訳 ハヤカワ文庫 1993
植民惑星ミランダは変化の時を迎えていた。極地の氷が解け、陸の大半が水没する時季が近づいていたのだ。この星に星間政府の役人が派遣されてきた。グレゴリアンという男が禁制テクノロジーを使用し、水中生活の可能な改造人種を作りだしているとの報があったのだ。グレゴリアンの足跡を追ううち、役人は美しくも怪異なこの星の罠にからめとられていく…。科学と魔術を華麗に融合させ絶賛を浴びた珠玉のネビュラ賞受賞作。

1992

コニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック』

ドゥームズデイ・ブック〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

Doomsday Book, 1992
大森望訳 ハヤカワ文庫 2003
歴史研究者の長年の夢がついに実現した。過去への時間旅行が可能となり、研究者は専門とする時代を直接観察することができるようになったのだ。オックスフォード大学史学部の女子学生キヴリンは、実習の一環として前人未踏の14世紀に送られた。だが、彼女は中世に到着すると同時に病に倒れてしまった…はたして彼女は未来に無事に帰還できるのか?ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を受賞した、タイムトラベルSF。
コニー・ウィリス著作リスト

1993

キム・スタンリー・ロビンソン『レッド・マーズ』

レッド・マーズ〈上〉 (創元SF文庫)

Red Mars, 1992
大島豊訳 創元SF文庫 1998
人類は火星への初の有人飛行を成功させ、その後、無人輸送船で夥しい機材を送り出した。そしてついに2026年、厳選された百人の科学者を乗せ、最初の火星植民船が船出する。果てしなく広がる赤い大地に、彼らは人の住む街を創りあげるのだ。そして大気と水を。惑星開発に向けて前人未到の闘いが始まる。NASAの最新情報に基づく最高にリアルな火星SF。A・C・クラークが激賞!ネビュラ賞/英国SF協会賞受賞。
キム・スタンリー・ロビンスン著作リスト

1994

グレッグ・ベア『火星転移』

cover

Moving Mars, 1993
小野田和子訳 ハヤカワ文庫SF 1997
人類が火星移民を始めて100年を経た22世紀後半。火星市民はナノテクを初めとする先端技術を適度にとりいれた共同体生活を謳歌していた。だが、火星が独立憲法の制定と政治的統一をめざしていたそのとき、母なる地球は密かな陰謀をめぐらしていた。テクノロジーの袋小路につきあたった地球の目的はただひとつ―独立にはやる火星を従属化、搾取すること!未曾有の動乱の嵐は、いままさに赤い惑星をまきこもうとしていた。ネビュラ賞受賞。
グレッグ・ベア著作リスト

1995

ロバート・J・ソウヤー『ターミナル・エクスペリメント』

ターミナル・エクスペリメント (ハヤカワSF)

The Terminal Experiment, 1995
内田昌之訳 ハヤカワ文庫SF 1997
医学博士のホブスンは、死にかけた老女の脳波の測定中に、人間の「魂」とおぼしき小さな電気フィールドが脳から抜け出てゆくのを発見した。魂の正体を探りたいホブスンは自分の脳をスキャンし、自らの精神の複製を3通り、コンピュータの中に作りだした。ところが現実に、この3つの複製のうちどれかの仕業としか思えない殺人が次々に……果たして犯人はどの「ホブスン」なのか?1995年度ネビュラ賞に輝く衝撃の話題作。
ロバート・J・ソウヤー著作リスト

1996

ニコラ・グリフィス『スロー・リバー』

スロー・リバー (ハヤカワ文庫SF)

Slow River, 1995
幹遙子訳 ハヤカワ文庫 1998
近未来のイギリス。怪我をした裸のローアは、激しい雨のなかで道端に倒れていた。微生物による汚水処理技術で富を築いた大富豪一家の末娘として生まれた彼女は、誘拐犯を殺して逃げてきたのだ。だが、身代金を払わなかった家族のもとにも、警察にも行けない。ローアは女性ハッカーのスパナーに助けられ、新たな生活をはじめるが…ローアの波瀾に満ちた人生を描いて、SFに新たな息吹きをもたらしたネビュラ賞受賞作。

1997

ヴォンダ・マッキンタイア『太陽の王と月の妖獣』

太陽の王と月の妖獣〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

The Moon and the Sun, 1997
幹遙子訳 ハヤカワ文庫 2000
1693年、栄耀栄華をきわめる太陽王ルイ14世の住むヴェルサイユ宮殿に、伝説の怪物である海の妖獣が運びこまれた。捕まえたのは、イエズス会士で自然哲学者のイヴ・ドラクロワ。国王の命をうけ、遠洋へ探検の旅に出て、雌の海の妖獣を生け捕りにしてきたのだ。妖獣は宮殿の庭にあるアポロンの泉水の檻に入れられ、その世話を宮殿で侍女をつとめるイヴの妹、マリー=ジョゼフがすることになったのだが…ネビュラ賞受賞作。
ヴォンダ・マッキンタイア著作リスト

1998

ジョー・ホールドマン『終わりなき平和』

終わりなき平和 (創元SF文庫)

Forever Peace, 1997
中原尚哉訳 創元SF文庫 1999
神経接続による遠隔歩兵戦闘体での戦いが日常化した近未来。連合国は中米の紛争に対し、十人の精神が繁がりあって操作するソルジャーボーイ小隊を投入し、絶大な戦果をあげていた。一方このとき人類は、木星の軌道上に想像を絶する規模の粒子加速機を建造、宇宙の始まりを再現する実験に乗り出していた…。名作『終わりなき戦い』から20年余年、巨匠が新たな角度から挑んだ傑作!ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ジョン・W・キャンベル記念賞受賞。
ジョー・ホールドマン著作リスト

1999

オクティヴィア・バトラー “Parable of the Talents, 1999

2000

グレッグ・ベア『ダーウィンの使者』

cover

Darwin's Radio, 1999
大森望訳 ヴィレッジブックス 2002
世界各地に蔓延する謎の奇病……“ヘロデ流感”。ヒト内在性レトロウイルスを起因とし、性交渉によって感染するそれは、妊婦のみを襲い流産を引き起こすという、人類の存続をも脅かすものであった。太古の時代と現代をむすぶ、ヒト遺伝子にかくされた驚愕すべき真実とは?はたして人類になにが起ころうとしているのか!? クライトンのサスペンス、クラークの科学的思弁が融合したグレッグ・ベアが描く遺伝子サスペンスの最高傑作。
グレッグ・ベア著作リスト

2001

キャサリン・アサロ “The Quantum Rose, 2000

2002

ニール・ゲイマン『アメリカン・ゴッズ』

アメリカン・ゴッズ 上

American Gods, 2001
金原瑞人/野沢佳織訳 角川文庫 2009
出所まであと五日。三年の服役を終え、残りの日数を数えるシャドウ。あと、四日。あと、三日。そして…。その日まで四十八時間と迫ったとき、看守に呼び出されたシャドウはこう告げられた。今朝、愛する妻が自分の親友と浮気の末、自動車事故で亡くなったと―。呆然と立ちすくむシャドウの前に、奇妙な男が現れる。彼の持ちかけた仕事を引き受けた瞬間から、シャドウの数奇な運命の歯車が回り始めた。
ニール・ゲイマン著作リスト

2003

エリザベス・ムーン『くらやみの速さはどれくらい』

くらやみの速さはどれくらい (ハヤカワ文庫 SF ム 3-4)

The Speed of Dark, 2002
小尾芙佐訳 ハヤカワ文庫 2008
自閉症が治療可能になった近未来。自閉症者最後の世代であるルウは、製薬会社の仕事とフェンシングの趣味をもち、困難はありつつも自分なりに充実した日々を送っていた…ある日上司から、新しい治療法の実験台になることを迫られるまでは。“光の前にはいつも闇がある。だから暗闇のほうが光よりも速く進むはず”そう問いかける自閉症者ルウのこまやかな感性で語られる、感動の“21世紀版『アルジャーノンに花束を』”。ネビュラ賞受賞作。
エリザベス・ムーン著作リスト

2004

L・M・ビジョルド『影の棲む城』

影の棲む城〈上〉 (創元推理文庫)

Paladin of Souls, 2003
鍛冶靖子訳 創元推理文庫 2008
チャリオン国太后イスタは鬱々としていた。元国主の夫はとうに亡く、娘はチャリオンの国主となっている。では、自分は?このまま故郷の城で、とらわれ人のように一生を過ごすのか…。耐えられなくなったイスタは、わずかな供だけを連れ、巡礼の旅に出た。『チャリオンの影』に続く“五神教シリーズ”。ヒューゴー、ネビュラ、ローカスの三賞受賞。異世界ファンタジーの金字塔。
L・M・ビジョルド著作リスト

2005

ジョー・ホールドマン『擬態』

擬態―カムフラージュ (海外SFノヴェルズ)

Camouflage, 2004
金子司訳 早川書房(海外SFノヴェルズ) 2007
2019年、海洋工学の専門家ラッセルは、海軍提督ハリバートンから奇妙な仕事を依頼された。太平洋の深海で発見された謎の人工物を、軍や政府と関わることなく密かに調査したいというのだ。ラッセルは百万年以上も海底にあったと推測される卵形の物体を、サモア島に引き上げることに成功する。だがそれは、これまでに発見されたどんな物質よりも重い謎の金属でできており、いかなるドリルやレーザーを使っても、構造を調べるどころか、傷ひとつつけることができなかった…。やがて、謎の人工物発見のニュースは、ある人物をサモア島へと引き寄せることになった―どんなものにも自在にその姿を変えることができる異星人「変わり子」を。百万年前、ただひとりM22星団から地球へとやってきた「変わり子」は、これまでさまざまな海洋生物に変身して過ごしてきたが、1931年、はじめて陸にあがり、人間として生活を始めていたのだ。この物体が、曖昧になっている記憶を呼び覚まし、自らの出自を知る手がかりになると直感した「変わり子」は、若い女性に変身し、ラッセルの調査チームに入りこむ。だが地球にはもう一体、異星生命体―「カメレオン」が存在した。「彼」もまた、この人工物を自らのものにすべく…。2006年ネビュラ賞、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞に輝く、ノンストップSFアドヴェンチャー。
ジョー・ホールドマン著作リスト

2006

ジャック・マクデヴィット『探索者』

探索者 (海外SFノヴェルズ)

Seeker, 2005
金子浩訳 早川書房(海外SFノヴェルズ) 2008
すべては、若き古美術商アレックス・ベネディクトと、その相棒の美人宇宙船パイロット、チェイス・コルパスのところに持ちこまれた、ひとつのカップから始まった。一見したところありふれたカップだったが、コンピュータの解析によれば、およそ9000年前に造られたものと判明したのだ。しかもそこに描かれている古代文字から、抑圧的だった当時の地球を脱出してユートピアを築くべく出発したものの、その後消息を絶ち、いまでは伝説と化している宇宙船“探索者”の備品であることが確定したのである!もし、いまも銀河のどこかを漂っているこの宇宙船を発見できれば、巨万の富は約束されたようなものだ。しかも“探索者”が見つかれば、彼らが移住したといわれる植民星マーゴリアも発見できる可能性はきわめて高い。そうなれば、史上空前の大発見だ!かくて調査を開始したアレックスは、かすかな手掛かりから次々に新事実を手繰りだしてゆく。そしてアレックスの指示のもと、チェイスは愛機“ベルマリー”を駆ってリムウェイを飛び出し、テレパシー能力を持つアシユール人の惑星や、人類の故郷である地球にまで赴いて調査を続けるが…!?2007年ネビュラ賞最優秀長篇部門受賞作。

2007

マイケル・シェイボン『ユダヤ警官同盟』

ユダヤ警官同盟〈上〉 (新潮文庫)

The Yiddish Policemen's Union, 2007
黒原敏行訳 新潮文庫 2009
安ホテルでヤク中が殺された。傍らにチェス盤。後頭部に一発。プロか。時は2007年、アラスカ・シトカ特別区。流浪のユダヤ人が築いたその地は2ヶ月後に米国への返還を控え、警察もやる気がない。だが、酒浸りの日々を送る殺人課刑事ランツマンはチェス盤の謎に興味を引かれ、捜査を開始する―。ピューリッツァー賞受賞作家による刑事たちのハードボイルド・ワンダーランド、開幕。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞三冠制覇。
マイケル・シェイボン著作リスト

2008

アーシュラ・K・ル=グウィン『パワー』

パワー (西のはての年代記 3)

Powers, 2007
谷垣暁美訳 河出書房新社 2008
“西のはて”の都市国家エトラは、周囲の諸都市と戦を繰り返していた。幼い頃に姉と共に生まれた土地からさらわれ、エトラの館で奴隷として育った少年ガヴィアには、たぐいまれな記憶力と、不思議な幻を見る力が備わっていた。主人の息子たちと共に教育を受けながら、一家に忠誠心を抱いて成長したガヴィアであったが、ある日を境に、すべてが変わっていく―。“西のはて”の壮大な物語、ついに完結。
アーシュラ・K・ル=グウィン著作リスト

2009

パオロ・バチガルピ『ねじまき少女』

ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)

The Windup Girl, 2009
田中一江・金子浩訳 ハヤカワ文庫SF 2011
石油が枯渇し、エネルギー構造が激変した近未来のバンコク。遺伝子組替動物を使役させエネルギーを取り出す工場を経営するアンダースン・レイクは、ある日、市場で奇妙な外見と芳醇な味を持つ果物ンガウを手にする。ンガウの調査を始めたアンダースンは、ある夜、クラブで踊る少女型アンドロイドのエミコに出会う。彼とねじまき少女エミコとの出会いは、世界の運命を大きく変えていった。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞など主要SF賞を総なめにした鮮烈作。

2010

コニー・ウィリス “Blackout/All Clear, 2010

2011

ジョー・ウォルトン “Among Others, 2011