宮部みゆき『蒲生邸事件』

My favorite 99 books

蒲生邸事件 (文春文庫)

『蒲生邸事件』
毎日新聞社 1996/光文社(カッパノベルズ) 1999/文春文庫 2000
予備校受験のために上京した受験生・孝史は、二月二十六日未明、ホテル火災に見舞われた。間一髪で、時間旅行の能力を持つ男に救助されたが、そこはなんと昭和十一年。雪降りしきる帝都・東京では、いままさに二・二六事件が起きようとしていた―。大胆な着想で挑んだ著者会心の日本SF大賞受賞長篇。
ミステリーとして“極上”かどうかはおいといて、タイムトラベルものとして読むのが正しいだろう。 二・二六事件の只中という緊迫した時勢とはいえ、垣間見える昭和初期の風情は読んでて心地よい。
 僕はタイムトラベルを扱った小説は好きなほうである。 ただ、今流行りの架空戦記ものをみたいに、歴史上の知識や最新テクノロジーを武器にそりゃもう大暴れ、なんてやつは好きじゃない。 アフリカや新大陸で行われた蛮行を見ているような気になるのは、設定からして全然フェアじゃないからだし、その結果はただの弱いものいじめだからだ。 書く方も読む方もかなり鬱屈しているに違いない。 (半村良の『戦国自衛隊』みたいに真にSF的・実験的な仕掛けが施されていれば別だけど……映画はひどかったが)
 架空戦記ものの何が間違っているかって、それは歴史を大々的に徹底的に変えているから(変えようとしているから)。 ルールのないゲームはつまらない、これは間違いない。 何でもアリの設定からは“センス・オブ・ワンダー”は生まれない。 そこで結論。歴史は変わらない(『戦国自衛隊』も“歴史は変わらない”という部分がSF的なミソだった)。 “歴史を変える”という設定をSFに持ち込む方法としてパラレル・ワールドがあるけど、これは二つの異なる世界の接点を描くところがミソであって、単に“異なる歴史を持つ世界へ殴りこみ”では意味がない。
 話がどんどん横道に外れていきますな。 タイムトラベルを扱う作品で僕が面白いと思うのは、主人公が行った先々で風俗の違いに“個人的に”戸惑う場面だったり、行った先々の人々が100円ライターとかに“ちょっとだけ”驚く場面だったりするのだ。 最初、主人公たちは自分の知識をもとに、歴史を(良い方に)大きく変えようと思う。 これは当然だと思う。 でも、次第に自分ができることや自分がやっていいことを理解し、わきまえていくことになる。 それは、ほんの一握りの人間の命を救うことだったり、好きな人にもう一度会うことだったり、歴史を変えるなんてお題目からすれば、ささやかな望みである。 でも、そこがいい。その過程こそが、主人公の成長過程なのだから。 そういった意味で、この『蒲生邸事件』も楽しく読めた一冊であった。


Bibliography

1989

パーフェクト・ブルー

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東京創元社/創元推理文庫 1992
高校野球界のスーパースターが全身にガソリンをかけられ、焼き殺されるというショキングな事件が起こった。俺、元警察犬のマサは、現在の飼い主、蓮見探偵事務所の調査員、加代子と共に落ちこぼれの少年、諸岡進也を探し当て、自宅に連れ帰る途中、その現場に遭遇する。犬の一人称という斬新なスタイルで、社会的なテーマを描く、爽快な読後感の長編デビュー作、待望の文庫化。

魔術はささやく

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新潮社/新潮文庫 1993
それぞれは社会面のありふれた記事だった。一人めはマンションの屋上から飛び降りた。二人めは地下鉄に飛び込んだ。そして三人めはタクシーの前に。何人たりとも相互の関連など想像し得べくもなく仕組まれた三つの死。さらに魔の手は四人めに伸びていた……。だが、逮捕されたタクシー運転手の甥、守は知らず知らず事件の真相に迫っていたのだった。日本推理サスペンス大賞受賞作。

1990

我らが隣人の犯罪

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文藝春秋/文春文庫 1993
僕は三田村誠。中学1年。父と母そして妹の智子の4人家族だ。僕たちは念願のタウンハウスに引越したのだが、隣家の女性が室内で飼っているスピッツ・ミリーの鳴き声に終日悩まされることになった。僕と智子は、家によく遊びに来る毅彦おじさんと組み、ミリーを“誘拐”したのだが……。表題作以下5篇収録。

東京下町殺人暮色

東京下町殺人暮色 (光文社文庫)

カッパノベルズ/光文社文庫 1994
13歳の八木沢順が、刑事である父の道雄と生活を始めたのは、ウォーターフロントとして注目を集めている、隅田川と荒川にはさまれた東京の下町だった。そのころ町内では、“ある家で人殺しがあった”という噂で持ち切りだった。はたして荒川でバラバラ死体の一部が発見されて……。現代社会の奇怪な深淵をさわやかな筆致で抉る、宮部作品の傑作、ついに文庫化。

刑事の子 (BOOK WITH YOU)

(改題)「刑事の子」光文社
中学一年生の八木沢順は、刑事である父・道雄が離婚したため東京の下町に引っ越すことに。開発が進むその町で、優しい家政婦のハナとの三人の生活に慣れたころ、奇妙な噂が流れ込む。近くの家で人殺しがあった、と…。そんな噂とともに、バラバラ殺人事件が実際におきてしまう。町が騒然とする中、順のもとに事件の真犯人を知らせる手紙が届く。刑事の子・順は、友人の慎吾とともに捜査に乗り出す。

レベル7

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新潮社/新潮文庫 1994 ISBN:4-10-136912-7 [Amazon]
レベル7まで行ったら戻れない――。謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。ツイストに次ぐツイスト、緊迫の四日間。気鋭のミステリー作家が放つ力作長編。

1991

龍は眠る

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出版芸術社/新潮文庫 1995
嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。何となく不思議なところがあるその少年、稲村慎司は言った。「僕は超常能力者なんだ」。その言葉を証明するかのように、二人が走行中に遭遇した死亡事故の真相を語り始めた。それが全ての始まりだったのだ……宮部みゆきのブロックバスター待望の文庫化。
日本推理作家協会賞(1992年)受賞

本所深川ふしぎ草紙

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新人物往来社/新潮文庫 1995
近江屋藤兵衛が殺された。下手人は藤兵衛と折り合いの悪かった娘のお美津だという噂が流れたが……。幼い頃お美津に受けた恩義を忘れず、ほのかな思いを抱き続けた職人がことの真相を探る「片葉の芦」。お嬢さんの恋愛成就の願掛けに丑三つ参りを命ぜられた奉公人の娘おりんの出会った怪異の顛末「送り提灯」など深川七不思議を題材に下町人情の世界を描く7編。宮部ワールド時代小説篇。

返事はいらない

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実業之日本社/新潮文庫 1994
失恋からコンピュータ犯罪の片棒を担ぐにいたる微妙な女性心理の動きを描く表題作。『火車』の原型ともいえる「裏切らないで」。切なくあたたかい「ドルシネアにようこそ」など6編を収録。日々の生活と幻想が交錯する東京。街と人の姿を鮮やかに描き、爽やかでハートウォーミングな読後感を残す。宮部みゆきワールドを確立し、その魅力の全てが凝縮された山本賞受賞前夜の作品集。

1992

かまいたち

cover

新人物往来社/新潮文庫 1996/講談社青い鳥文庫 2007

今夜は眠れない

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中央公論社/中公ノベルズ 1997/中公文庫 1998/C・novels 1999/角川文庫 2002
母さんと父さんは今年で結婚十五年目、僕は中学一年生でサッカー部員。そんなごく普通の平和な我が家に、ある日突然、暗雲がたちこめた。“放浪の相場師”とよばれた人物が母さんに五億円もの財産を遺贈したのだ。お隣さんや同級生は態度がかわり、見ず知らずのおかしな人たちからは脅迫電話があり、おまけに母さんの過去を疑う父さんは家出をし……。相場師はなぜ母さんに大金を遺したのか?こわれかけた家族の絆を取り戻すため、僕は親友で将棋部のエースの島崎と真相究明の調査にのりだした。

スナーク狩り

スナーク狩り (光文社文庫プレミアム)

カッパノベルズ/光文社文庫 1997/光文社文庫プレミアム 2011
その夜―。関沼慶子は散弾銃を抱え、かつて恋人だった男の披露宴会場に向かっていた。すべてを終わらせるために。一方、釣具店勤務の織口邦男は、客の慶子が銃を持っていることを知り、ある計画を思いついていた。今晩じゅうに銃を奪い、「人に言えぬ目的」を果たすために。いくつもの運命が一夜の高速道路を疾走する。人間の本性を抉るノンストップ・サスペンス。
Comic オオイシヒロト/作画 BUNCH COMICS
スナーク狩り 1 (BUNCH COMICS) スナーク狩り 2 (BUNCH COMICS) スナーク狩り 3 (BUNCH COMICS)

火車

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双葉社/新潮文庫 1998
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して――なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?いったい彼女は何者なのか?謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。

長い長い殺人

長い長い殺人 (光文社文庫プレミアム)

光文社/カッパノベルズ 1997/光文社文庫 1999/光文社文庫プレミアム 2011
轢き逃げは、じつは惨殺事件だった。被害者は森元隆一。事情聴取を始めた刑事は、森元の妻・法子に不審を持つ。夫を轢いた人物はどうなったのか、一度もきこうとしないのだ。隆一には八千万円の生命保険がかけられていた。しかし、受取人の法子には完璧なアリバイが…。刑事の財布、探偵の財布、死者の財布―。“十の財布”が語る事件の裏に、やがて底知れぬ悪意の影が。

とり残されて

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文藝春秋/文春文庫 1995
勤め先の小学校で、ヒロインは「あそぼ」とささやく子供の幻に出会う。そんな折、校内プールに女性の死体が……。その謎にせまる表題作ほか、夢の「場所」捜しから始まる内面の旅を描いて名作の聞こえ高い「たった一人」など六篇を収録。巧みな伏線、鮮やかな舞台設定。清新にして熟達の筆致をおたのしみください。

1993

ステップファザー・ステップ

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講談社/講談社文庫 1996
巨額の遺産を相続した若い独身女性の家に侵入してみると、なぜかどの部屋のなかも鏡だらけ。意外な結末が待ち受ける「ステップファザー・ステップ」など、すばらしい着想と軽妙なユーモアに彩られた傑作7編。

震える岩 -霊験お初捕物控-

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新人物往来社/講談社文庫 1997
ふつうの人間にはない不思議な力を持つ「姉妹屋」お初。南町奉行の根岸肥前守に命じられた優男の古沢右京之介と、深川で騒ぎとなった「死人憑き」を調べ始める。謎を追うお初たちの前に百年前に起きた赤穂浪士討ち入りが……。「捕物帳」にニュー・ヒロイン誕生!人気作家が贈る時代ミステリーの傑作長編。
Comic 坂口よしを/作画 プリンセスコミックスデラックス
霊験お初捕物控 1 (プリンセスコミックスデラックス) 霊験お初捕物控 2 (プリンセスコミックスデラックス) 霊験お初捕物控 3 (プリンセスコミックスデラックス) 霊験お初捕物控 4 (プリンセスコミックスデラックス)

淋しい狩人

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新潮社/新潮文庫 1996
東京下町、荒川土手下にある小さな共同ビルの一階に店を構える田辺書店。店主のイワさんと孫の稔で切り盛りするごくありふれた古書店だ。しかし、この本屋を舞台に様々な事件が繰り広げられる。平凡なOLが電車の網棚から手にした本に挾まれていた名刺。父親の遺品の中から出てきた数百冊の同じ本。本をきっかけに起こる謎をイワさんと稔が解いていく。ブッキッシュな連作短編集。

1994

地下街の雨

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集英社/集英社文庫 1998
麻子は同じ職場で働いていた男と婚約をした。しかし挙式二週間前に突如破談になった。麻子は会社を辞め、ウエイトレスとして再び勤めはじめた。その店に「あの女」がやって来た……。この表題作「地下街の雨」はじめ「決して見えない」「ムクロバラ」「さよなら、キリハラさん」など七つの短篇。どの作品も都会の片隅で夢を信じて生きる人たちを描く、愛と幻想のストーリー。

幻色江戸ごよみ

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新人物往来社/新潮文庫 1998
盆市で大工が拾った迷子の男の子。迷子札を頼りに家を訪ねると、父親は火事ですでに亡く、そこにいた子は母と共に行方知れずだが、迷子の子とは違うという……(「まひごのしるべ」)。不器量で大女のお信が、評判の美男子に見そめられた。その理由とは、あら恐ろしや……(「器量のぞみ」)。下町の人情と怪異を四季折々にたどる12編。切なく、心暖まる、ミヤベ・ワールドの新境地。

1995

夢にも思わない

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中央公論社/中公ノベルズ 1997/C・novels 1999/中公文庫 1999/角川文庫 2002
毎年、九月末になると「白河庭園」で行われる、虫聞きの会。もう二十年近くも続いているという、そんな風流な催しに、僕が行く気になったのは、一にも二にもクドウさんのためだった。毎年家族で訪れているというクドウさんと偶然を装って会うはずだった。それなのに……。――殺されたのはクドウさんの従姉だった。事件は思いがけない方向に進んでいき無責任な噂があとを絶たない。僕は親友の島崎と真相究明にのりだした。大好きな彼女は僕が守る。

初ものがたり

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PHP研究所/PHP文庫 1996/新潮文庫 1999/PHP研究所 2001
本所深川をあずかる回向院の旦那こと、岡っ引きの茂七が、下っ引きの糸吉、権三とともに摩訶不思議な事件の数々に立ち向かう。歓び、哀しみ、苦悩、そして恋…。江戸下町に生きる人々が織りなす人間模様を描く連作時代小説。

鳩笛草

鳩笛草―燔祭/朽ちてゆくまで (光文社文庫プレミアム)

カッパノベルズ/光文社文庫 2000/光文社文庫プレミアム 2011
亡き両親が残したビデオを見た智子は、かつて自分に特殊な力があったことを知る(「朽ちてゆくまで」)。わたしは凶器になれる―。念じただけで人や物を発火させる能力を持つ淳子は、妹を惨殺された過去を持つ男に、報復の協力を申し出る(「燔祭」)。他人の心が読める刑事・貴子は、試練に直面し、刑事としての自分の資質を疑ってゆく(「鳩笛草」)。超能力を持つ三人の女性をめぐる三つの物語。

1996

人質カノン

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文藝春秋/文春文庫 2001
「動くな」。終電帰りに寄ったコンビニで遭遇したピストル強盗は、尻ポケットから赤ちゃんの玩具、ガラガラを落として去った。事件の背後に都会人の孤独な人間模様を浮かび上がらせた表題作、タクシーの女性ドライバーが遠大な殺人計画を語る「十年計画」など、街の片隅、日常に潜むよりすぐりのミステリー七篇を収録。

蒲生邸事件

毎日新聞社/カッパノベルズ 1999/文春文庫 2000
⇒“My favorite 99 books”

堪忍箱

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新人物往来社/新潮文庫 2001
蓋を開けたら最後、この近江屋に災いが降りかかる……。決して中を見てはいけないというその黒い文箱には、喪の花・木蓮の細工が施してあった――。物言わぬ箱が、しだいに人々の心をざわめかせ、呑み込んでいく表題作。なさぬ仲の親と子が互いに秘密を抱えながらも、寄り添い、いたわり合う「お墓の下まで」。名もなき人たちの日常にひそむ一瞬の闇。人生の苦さが沁みる時代小説八篇。

1997

天狗風 -霊験お初捕物控2-

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新人物往来社/講談社文庫 2001
一陣の風が吹いたとき、嫁入り前の娘が次々と神隠しに――。不思議な力をもつお初は、算学の道場に通う右京之介とともに、忽然と姿を消した娘たちの行方を追うことになった。ところが闇に響く謎の声や観音様の姿を借りたもののけに翻弄され、調べは難航する。『震える岩』につづく“霊験お初捕物控”第二弾。
Comic 坂口よしを/作画 プリンセスコミックスデラックス
天狗風~霊験お初捕物控 1 (プリンセスコミックスデラックス) 天狗風~霊験お初捕物控 2 (プリンセスコミックスデラックス)

心とろかすような -マサの事件簿-

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東京創元社/創元推理文庫 2001
あの諸岡進也が、こともあろうに俺の糸ちゃんと朝帰りをやらかしたのだ!いつまでたっても帰らない二人が、あろうことかげっそりした表情で、怪しげなホテルから出てきたのである!!―お馴染み用心犬マサの目を通して描く五つの事件。さりげなくも心温まるやりとりの中に人生のほろ苦さを滲ませ、読む者をたちどころに宮部ワールドへと誘っていく名人芸を、とくとご堪能あれ。

1998

理由

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朝日新聞社/朝日文庫 2002/新潮文庫 2004
事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか――。東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い男。ところが、四人の死者は、そこに住んでいるはずの家族ではなかった……。ドキュメンタリー的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作。

平成お徒歩日記

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新潮社/新潮文庫 2001
あるときは赤穂浪士のたどった道、またあるときは箱根越え、お伊勢参りに罪人引廻し、島流しルートも。暑さにも寒さにも原稿締切にも病にも負けず、ミヤベミユキはひたすら歩く歩く――。怪しき道づれたちと繰り広げる珍道中記を読むと、あ〜ら不思議、あなたも江戸時代へタイムスリップ。さあ、この本をポケットに、お江戸の旅へと出発しよう!楽しくてためになるおトクな一冊。

クロスファイア

クロスファイア〈上〉 (光文社文庫プレミアム)

カッパノベルズ/光文社文庫/光文社文庫プレミアム 2011
青木淳子は常人にはない力を持って生まれた。念じるだけですべてを燃やす念力放火能力―。ある夜、瀕死の男性を“始末”しようとしている若者四人を目撃した淳子は、瞬時に三人を焼殺する。しかし一人は逃走。淳子は息絶えた男性に誓う。「必ず、仇はとってあげるからね」正義とは何か!?裁きとは何か!?哀しき「スーパーヒロイン」の死闘を圧倒的筆致で描く。
Movie 「クロスファイア」東宝, 2000
クロスファイア [DVD] 監督:金子修介、脚本:山田耕大ほか、撮影:高間賢治
出演:矢田亜希子、伊藤英明、原田龍二、長澤まさみ
Comic 藤森ゆゆ缶/作画 MFコミックス フラッパーシリーズ
クロスファイア 1 (MFコミックス) クロスファイア 2 (MFコミックス) クロスファイアアナザーストーリー (MFコミックス フラッパーシリーズ)

2000

ぼんくら

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講談社/講談社文庫 2004
「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」―江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。いったい、この長屋には何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が動き始めた。著者渾身の長編時代ミステリー。
Comic 菊地昭夫/作画 PHPコミックス
ぼんくら 1 (PHPコミックス)

あやし〜怪〜

あやし (新人物ノベルス)

角川書店/角川文庫 2003/新人物ノベルス 2012
十四歳の銀次が奉公にあがった木綿問屋「大黒屋」で、若旦那の藤一郎に縁談が起こった。話は順調にまとまって、あとは祝言の段取りを決めるばかりというころになって、藤一郎に女がいたことが露見した。女は「大黒屋」の女中・おはる。しかもおはるは藤一郎の子を身篭もっていたのだ。おはるは、藤一郎に二度と近づかないと約束させられ、店を追い出される。おはるが出ていって、しばらくして銀次は藤一郎からおはるへの届け物を頼まれる。尋ね当てたおはるの家で銀次が見たものは…。「居眠り心中」をはじめ、人間の業の深さを描いた「影牢」など9篇を収録。
Comic 「お江戸ふしぎ噺 あやし」皇なつき/作画 怪COMIC
お江戸ふしぎ噺  あやし (怪COMIC)

2001

模倣犯

模倣犯1 (新潮文庫)

小学館/新潮文庫 2005
公園のゴミ箱から発見された女性の右腕、それは史上最悪の犯罪者によって仕組まれた連続女性殺人事件のプロローグだった。 比類なき知能犯に挑む、第一発見者の少年と、孫娘を殺された老人。 そして被害者宅やテレビの生放送に向け、不適な挑発を続ける犯人――。 が、やがて事態は急転直下、交通事故死した男の自宅から、「殺人の記録」が発見される。 事件は解決するかに見えたが、そこに、一連の凶行の真相を大胆に予想する人物が現れる。 死んだ男の正体は? 少年と老人が辿り着いた意外な結末とは? 宮部みゆきが“犯罪の世紀”に放つ、渾身の最長編現代ミステリ。
Movie 「模倣犯」東宝, 2002
模倣犯 [DVD] 監督・脚本:森田芳光、撮影:北信康
出演:中居正広、藤井隆、津田寛治、木村佳乃、山崎努

R.P.G.

cover

集英社文庫
ネット上の疑似家族の「お父さん」が刺殺された。 その3日前に絞殺された女性と遺留品が共通している。 合同捜査の過程で、「模倣犯」の武上刑事と「クロスファイア」の石津刑事が再会し、2つの事件の謎に迫る。 家族の絆とは、癒しなのか? 呪縛なのか? 舞台劇のように、時間と空間を限定した長編現代ミステリー。 宮部みゆきが初めて挑んだ文庫書き下ろし。

ドリーム・バスター

徳間書店/トクマ・ノベルズEdge 2009-
燃え上がる火。焼け落ちそうな家。その中で、へんてこなダンスを踊る黒い人影…。悪夢に悩まされる道子とその幼い娘・真由は、夢の中で、奇妙な少年に助けられる。西部劇のガンマンに似た格好、背中に青竜刀を背負い、額には真っ赤なハチマキ。彼の名は、シェン。人の夢の中に逃げ込んだ凶悪犯の意識を退治する賞金稼ぎ、“ドリームバスター”であった…。壮大な物語のプロローグ「ジャック・イン」とシェンたちの住む惑星“テーラ”の姿が明らかになるエピソード「ファースト・コンタクト」を収録。大人気アクション・ファンタジー巨篇。
ドリームバスター〈1〉 (TOKUMA NOVELS Edge) ドリームバスター2 (トクマ・ノベルズEdge) ドリームバスター 3 (トクマ・ノベルズEdge) ドリームバスター 4  時間鉱山 前篇 (トクマ・ノベルズEdge) ドリームバスター 5 時間鉱山 後篇 (トクマ・ノベルズEdge)
Comic 中平正彦/作画 リュウコミックス
ドリームバスター (1) (リュウコミックス) ドリームバスター (2) (リュウコミックス) ドリームバスター (3) (リュウコミックス) ドリームバスター(4) (リュウコミックス) ドリームバスター 5 (リュウコミックス) ドリームバスター 6 (リュウコミックス) ドリームバスター 7 (リュウコミックス)

2002

あかんべえ

あかんべえ〈上〉 (新潮文庫)

PHP研究所/新潮文庫 2006
江戸・深川の料理屋「ふね屋」では、店の船出を飾る宴も終ろうとしていた。主人の太一郎が胸を撫で下ろした矢先、突然、抜き身の刀が暴れ出し、座敷を滅茶苦茶にしてしまう。亡者の姿は誰にも見えなかった。しかし、ふね屋の十二歳の娘おりんにとっては、高熱を発して彼岸に渡りかけて以来、亡者は身近な存在だった―。この屋敷には一体、どんな悪しき因縁がからみついているのだろうか。

チチンプイプイ

チチンプイプイ (文春文庫)

(共著)文春文庫
異色な超売れっ子同士の顔合わせが実現!始めはどこかぎこちない2人だったが、回を重ねるごとにすっかり意気投合。ムロイのミステリー初挑戦ではミヤベが指導、演歌歌手赤城麗子(ムロイ)のディナーショーにミヤベが感動、はたまた故郷自慢では現地に乗り込みお国料理で対決。その他内容盛り沢山ウラ話満載の大爆笑対談集。

2003

ブレイブ・ストーリー

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

角川書店/角川文庫 2006
小学五年生の亘は、成績はそこそこで、テレビゲームが好きな男の子。大きな団地に住み、ともに新設校に通う親友のカッちゃんがいる。街では、建設途中のビルに幽霊が出るという噂が広がっていた。そんなある日、帰宅した亘に、父は「この家を出てゆく」という意外な言葉をぶつける。不意に持ち上がった両親の離婚話。これまでの平穏な毎日を取り戻すべく、亘はビルの扉から、広大な異世界―幻界へと旅立った!
角川スニーカー文庫 2006/角川つばさ文庫 2009
ブレイブ・ストーリー  (1)幽霊ビル (角川つばさ文庫 B み 1-1) ブレイブ・ストーリー  (2)幻界 (角川つばさ文庫) ブレイブ・ストーリー  (3)再会 (角川つばさ文庫) ブレイブ・ストーリー  (4)運命の塔 (角川つばさ文庫)
Movie 「ブレイブ ストーリー」2006
ブレイブ ストーリー [Blu-ray] 監督:千明孝一、脚本:大河内一楼
出演(声):松たか子、大泉洋、常盤貴子、ウエンツ瑛士、今井美樹
Game
ブレイブストーリー ~ボクのキオクとネガイ~ ブレイブ ストーリー  ワタルの冒険 ブレイブ ストーリー  新たなる旅人

誰か...Somebody

誰か―Somebody (文春文庫)

実業之日本社/文春文庫 2007
今多コンツェルン広報室の杉村三郎は、事故死した同社の運転手・梶田信夫の娘たちの相談を受ける。亡き父について本を書きたいという彼女らの思いにほだされ、一見普通な梶田の人生をたどり始めた三郎の前に、意外な情景が広がり始める―。稀代のストーリーテラーが丁寧に紡ぎだした、心揺るがすミステリー。

2004

ICO -霧の城-

ICO−霧の城−(上) (講談社文庫)

講談社/講談社ノベルス 2008/講談社文庫 2010/(新装版)講談社文庫 2011
霧の城が呼んでいる、時が来た、生贅を捧げよ、と。イコはトクサ村に何十年かに一人生まれる角の生えたニエの子。その角を持つ者は「生贅の刻」が来たら、霧の城へ行き、城の一部となり永遠の命を与えられるという。親友トトによって特別な御印を得たイコは「必ず戻ってくる」と誓い、村を出立するが―。

日暮らし

新装版 日暮らし(上) (講談社文庫)

講談社/講談社文庫 2008
佐吉が人を殺めた疑いで捕らえられた。しかも殺した相手は実の母、葵だという。生き別れた親子に何があったのか。「この世のことを一人で全部背負い込むわけにはいかないんだよ」。辛くても悲しくても決して消えてなくならない遺恨と嘘。本所深川の同心、平四郎と超美形の甥っ子、弓之助は真実を探り始める。

ぱんぷくりん

ぱんぷくりん (PHP文芸文庫)

黒鉄ヒロシとの共著
PHP研究所/PHP文芸文庫 2010
宝船のテンプク、招き猫の肩こり、鳥居の引越し、ふるさとに帰った竜、怒りんぼうのだるま、金平糖と流れ星―縁起物を使ったかわいい六つのお話しが収まったこの絵本は、ベストセラー作家・宮部みゆきさんのものがたりと、人気漫画家・黒鉄ヒロシさんの絵による夢のコラボ。ちょっぴり疲れた心に、じんわり幸せ気分が広がります。『ぱんぷくりん 鶴之巻』『ぱんぷくりん 亀之巻』を合本。

2005

孤宿の人

孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)

新人物往来社/新人物ノベルス 2008/新潮文庫 2009
讃岐国、丸海藩――。この地に幕府の罪人・加賀殿が流されてきた。以来、加賀殿の所業をなぞるかのように毒死や怪異が頻発。そして、加賀殿幽閉屋敷に下女として住み込むことになった少女ほう。無垢な少女と、悪霊と恐れられた男の魂の触れ合いを描く渾身の長編大作。

2006

名もなき毒

名もなき毒 (文春文庫)

幻冬舎/カッパ・ノベルス 2009/文春文庫 2011
今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。解雇された彼女の連絡窓口となった杉村三郎は、経歴詐称とクレーマーぶりに振り回される。折しも街では無差別と思しき連続毒殺事件が注目を集めていた。人の心の陥穽を圧倒的な筆致で描く吉川英治文学賞受賞作。

2007

楽園

楽園 上 (文春文庫)

文藝春秋/文春文庫 2010
未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。12歳で亡くした息子、等が“超能力”を有していたのか、真実を知りたい、というのだ。かくして滋子の眼前に、16年前の少女殺人事件の光景が立ち現れた。

2008

おそろし

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)

角川書店/新人物ノベルス 2010/角川文庫 2012
17歳のおちかは、ある事件を境に、ぴたりと他人に心を閉ざした。ふさぎ込む日々を、叔父夫婦が江戸で営む袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働くことでやり過ごしている。ある日、叔父の伊兵衛はおちかに、これから訪ねてくるという客の応対を任せると告げ、出かけてしまう。客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていき、いつしか次々に訪れる客のふしぎ話は、おちかの心を溶かし始める。三島屋百物語、ここに開幕。

2009

英雄の書

英雄の書(上) (新潮文庫)

毎日新聞社/カッパ・ノベルス 2011/新潮文庫 2012
森崎友理子は小学五年生。ある日、中学生の兄・大樹が同級生を殺傷し、失踪するという事件が起きた。兄の身を心配する妹は、彼の部屋で不思議な声を聞く。「ヒロキは『エルムの書』に触れたため、“英雄”に憑かれてしまった」。大叔父の別荘から彼が持ち出した赤い本がそう囁いていた。友理子は兄を救い出すべくたった一人で、英雄が封印されていた“無名の地”へと果敢に旅立った。

2010

小暮写真館

小暮写眞館 (100周年書き下ろし)

講談社

あんじゅう―三島屋変調百物語事続

あんじゅう (新人物ノベルス)

中央公論新社/新人物ノベルス 2012
一度にひとりずつ、一話語りの百物語の聞き集めを始めた三島屋伊兵衛の姪・おちか。彼女のもとに不思議話を携えて様々な人がやってくる。ある日、おちかは本所亀沢町の手習所“深考塾”の若先生・青野利一郎から「紫陽花屋敷」と呼ばれる空き屋敷にまつわる不思議な話を聞く。それは、“深考塾”の大先生である加登新左衛門・初音夫婦と、草鞋に似た真っ黒な固まりである暗獣“くろすけ”との交わりであった。人を恋いながら、人のそばでは生きられない“くろすけ”とは…。表題作をはじめ4話収録。

2011

ばんば憑き

ばんば憑き (新人物ノベルス)

角川書店/新人物ノベルス 2012
江戸で小間物商を営む佐一郎・お志津の若夫婦は、箱根湯治の帰途、雨のために戸塚宿で足止めになった。そして、やはり足止めの老女との相部屋を引き受ける。不機嫌なお志津をよそに、老女の世話を焼く佐一郎。その夜、風の音に混じって老女のすすり泣きで目を覚ました佐一郎に、老女が語り出したのは、五十年前の奇怪な出来事だった…。表題作はじめ6篇を収録。収録の「お文の影」では、『日暮らし』の岡っ引き・政五郎とおでこの三太郎が謎を解き明かす。また「討債鬼」では、『あんじゅう』の青野利一郎と悪童たちが奮闘するなど、他のシリーズの登場人物たちが縦横に活躍する傑作集。

チヨ子

チヨ子 (光文社文庫)

光文社文庫
五年前に使われたきりであちこち古びてしまったピンクのウサギの着ぐるみ。大学生の「わたし」がアルバイトでそれをかぶって中から外を覗くと、周囲の人はぬいぐるみやロボットに変わり―(「チヨ子」)。表題作を含め、超常現象を題材にした珠玉のホラー&ファンタジー五編を収録。個人短編集に未収録の傑作ばかりを選りすぐり、いきなり文庫化した贅沢な一冊。

おまえさん

おまえさん(上) (講談社文庫)

講談社/講談社文庫 2011
痒み止めの新薬「王疹膏」を売り出していた瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。本所深川の同心・平四郎は、将来を嘱望される同心の信之輔と調べに乗り出す。検分にやってきた八丁堀の変わり者“ご隠居”源右衛門はその斬り口が少し前に見つかった身元不明の亡骸と同じだと断言する。両者に通じる因縁とは。『ぼんくら』『日暮らし』に続くシリーズ第3作。

2012

ここはボツコニアン

ここはボツコニアン

集英社
“ボツネタ”が集まってできた、できそこないの世界“ボツコニアン”。そこをより良い世界に創り変えるため、「長靴の戦士」として選ばれた少年ピノと少女ピピ。植木鉢の花の姿をした「世界のトリセツ」と共に二人は、前代未聞・驚天動地・抱腹絶倒の冒険の旅に出る!宮部みゆきの新境地、RPGファンタジー。