パット・マガー『四人の女』

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四人の女 (創元推理文庫 (164‐3))

『四人の女』
吉野美恵子訳 創元推理文庫 1985
前妻、現夫人、フィアンセ、それに愛人――人気絶頂のコラムニストを取り巻く四人の女性。彼はひそかに自宅のバルコニーの手摺に細工をした上で、四人をそろって招待し、ある晩、ディナー・パーティーを開いた。彼には、その中の一人を殺さねばならない動機があったのだ……!その夜、ニューヨークはイースト・リヴァー近くの路上に落下したのは誰か?
 マガーには一風変わったシチュエーションの作品が多い。 殺人犯が4人の客の中から被害者が生前に手配していた探偵を探す『探偵を捜せ』、 新聞記事に知人が殺人で逮捕されたとあるが肝心の被害者の名前がちぎれていてわからない『被害者を捜せ』、 状況的に目撃者がいるはずなのに何故か誰も名乗り出ない『目撃者を捜せ』といった具合である。
 この作品も前夫の殺人計画を知った元妻が、夫が誰を殺そうとしているのか推理するという設定である。 前夫に気取られないように振舞いながら犯行が行われる前に対処しなければならない“現在”と、 前夫のターゲットを絞り込むべくその人生を詳細に振り返る“回想”がフラッシュバックする展開がスリリング。
 女性作家であるためか、登場人物それぞれの個性が十分に書き込まれていて、事件なんか起こらなくても十分に読ませる。 クリスティ・ファンには必ずオススメする作家のひとり。



Biography

Bibliography

1946

Pick Your Victim

cover

「被害者を探せ」衣更着信訳 早川書房(世界探偵小説全集) 1955
「被害者を捜せ!」中野圭二訳 創元推理文庫 1984
第二次大戦下,異境の地に駐屯していたぼくたち海兵隊員は活字に飢えていた。ある日,隊員の一人が故郷からの小包を受け取り,詰め物に使われた新聞紙をみんなで回し読みしてると,何と僕が四年間勤めていた<家事改善協会>内での殺人事件の記事にぶつかったではないか。ところが,新聞紙が途中でちぎれているため,犯人はわかっても被害者が皆目わからない。そこでぼくが協会にいた頃の話をして,その後みんなで被害者当ての賭を使用ということになった。いったい誰が殺されたのだろうか…。


1947

The Seven Deadly Sisters

七人のおば (創元推理文庫)

「怖るべき娘達」延原謙訳 新潮社(ぶらっく選書) 1949
「七人のおば」大村美根子訳 創元推理文庫 1986
被害者捜し、探偵捜し、と一作ごとに新機軸を出して読者を魅了した才媛パット・マガーの長編代表作。戦後「怖るべき娘達」のタイトルで紹介され、女史の名を一躍高めた記念すべき作品。友人からの手紙で故郷のおばが殺されたことを知った主人公が夫の協力を得て、過去の思い出の中から犯人と被害者を捜そうとする。安楽椅子探偵ものの傑作である。


Catch Me If You Can

cover

「探偵を捜せ!」井上一夫訳 創元推理文庫 1961
「のろわれた山荘」福島正実訳 国土社(少年SFミステリー文庫) 1983/国土社(海外SFミステリー傑作選 14) 1995
病弱な夫を殺して,金と自由を手に入れようとした美貌の若妻。夫を殺した夜,その山荘を訪れた四人の客のなかには,夫が死ぬ前に呼んだ探偵がいる。妻は自分の罪をかくし,探偵を捜しだそうと必死の推理とすぐれた演技の芝居をしてみせるのだが,誰もが探偵であるようにも見え,誰もがそうでないようにも見える――この男だと,ひとりの男を殺してみるが,探偵はまだいなくならない。さらにつぎの人物を――


1949

Save the Witness

目撃者を捜せ! (創元推理文庫)

「目撃者を捜せ!」延原泰子訳 創元推理文庫 1988
新聞記者のアンディは,社命でリオへ赴く途上にあった。貨物船による長旅,戯曲でも書いて過ごすつもりだったが,乗り合わせた人々はみなそれぞれ秘密を抱いているらしく,交わす言葉にも奇妙な緊張感が漲っている。やがて不安は現実のものとなった。乗客の一人が,殺害後,海へ突き落とされるという事件が突発したのだ。動機の点で犯人の正体は明瞭だった。が,状況からして存在するはずの目撃者が一向に名乗りをあげない。新たな殺人の発生を恐れたアンディは,閉ざされた船上,密かに目撃者捜しを開始するが…。


1950

…Follow, As the Night…

四人の女 (創元推理文庫 (164‐3))

「四人の女」吉野美恵子訳 創元推理文庫 1985
前妻、現夫人、フィアンセ、それに愛人――人気絶頂のコラムニストを取り巻く四人の女性。彼はひそかに自宅のバルコニーの手摺に細工をした上で、四人をそろって招待し、ある晩、ディナー・パーティーを開いた。彼には、その中の一人を殺さねばならない動機があったのだ……!その夜、ニューヨークはイースト・リヴァー近くの路上に落下したのは誰か?


1951

Death in a Million Living Rooms

1953

The Missing Years

1954

Fatal in My Fashion

1960

Martha, Martha

1964

Is There a Traitor in the House?
My Brothers, Remember Monica

1967

Murder Is Absurd

1968

Stranger with My Face

1969

For Richer, For Poorer, Till Death

1970

Legacy of Danger

1974

Daughter of Darkness

1975

Dangerous Landing

アンソロジー収録

「恐怖の連鎖」細金裕二郎訳
『ウーマン・オブ・ミステリー』シンシア・マンソン編 扶桑社ミステリー 1992
「ベルリンでセレナは―」須藤万穂訳
『ウーマン・オブ・ミステリー 2』シンシア・マンソン編 扶桑社ミステリー 1995
「ロシア式隠れ鬼」吉野美恵子訳
『クイーンズ・コレクション 1』エラリイ・クイーン編 ハヤカワ・ミステリ文庫 1983
「壁に書かれた数字」小沢瑞穂訳
『クイーンズ・コレクション 2』エラリイ・クイーン編 ハヤカワ・ミステリ文庫 1984
「完璧なアリバイ」宮脇孝雄訳
『新世界傑作推理12選』エラリー・クイーン編 カッパ・ノベルス 1982/光文社文庫 1986
「シリーナ、ホワイト・ハウスで窃盗」間山靖子訳
『眠れぬ夜の愉しみ』ハロルド・Q.マスア編 ハヤカワ・ミステリ文庫 1982
「疑い晴れて」佐藤裕子訳
『スカーレット・レター』エリナー・サリヴァン編 扶桑社ミステリー 1993

雑誌「ハヤカワミステリ」掲載

「死のツイスト」Murder to the Twist
山本雄訳 1963年2月号
「高い買物」Justice Has a High Price
鳴海四郎訳 1962年6月号
「旅の終り」Match Point in Berlin
山本俊子訳 1968年9月号
「最後の小切手」The Last Check
風見潤訳 1972年6月号
「ふるいつきたい殺人事件」This One's a Beauty
小尾芙佐訳 1972年2月号
「殺人の選択」A Choice of Murders
小泉喜美子訳 1974年4月号
「すっきりした犯罪」This One's a Beauty
岡田奈保子訳 1974年11月号
「キャンペーン熱」Campaign Fever
小泉喜美子訳 1975年6月号
「ロシア式隠れ鬼」Hide-and-Seek-Russian Style
吉野美恵子訳 1976年7月号
「ワシントンD.C.殺人事件」The Washington D.C. Murder
山本俊子訳 1977年8月号
「シリーナ,ホワイトハウスを盗む」Selena Robs the White House
間山靖子訳 1980年1月号
「勝者がすべてを得る」Winner Takes All
小沢みづほ訳 1989年8月号