神林長平著作リスト

Bibliography

1981

狐と踊れ*

狐と踊れ (ハヤカワ文庫JA)

ハヤカワ文庫/ハヤカワ文庫(新版) 2010
5Uという薬を服用し続けなければ、体内から“胃”が逃げ出してしまうという未来社会。5Uの配給によって厳しく管理される日常に倦んだ男は、人間と胃が共生するというユートピアの存在を知る…ハヤカワ・SFコンテスト佳作入選の表題作、エントロピー理論を援用した異色の時間SF「忙殺」ほか5篇に加え、単行本未収録の「落砂」「蔦紅葉」「縛霊」「奇生」の連作4篇を増補した、記念すべきデビュー作品集の再編集版。

1983

あなたの魂に安らぎあれ

あなたの魂に安らぎあれ (ハヤカワ文庫JA)

*火星3部作
早川書房/ハヤカワ文庫 1986
核戦争後の放射能汚染は、火星の人間たちを地下の空洞都市へ閉じ込め、アンドロイドに地上で自由を謳歌する権利を与えた。有機アンドロイド―人間に奉仕するために創られたそれは、人間のテクノロジーをひきつぎ、いまや遥かにすぐれた機能をもつ都市を創りあげていた。だが、繁栄の影では、ひとつの神話がアンドロイドの間でひそやかに伝えられている。「神エンズビルが天から下り、すべてを破壊し、すべてが生まれる…」果して破壊神エンズビルは本当にあらわれるのだろうか?―人間対アンドロイドの抗争を緻密なプロットで描く傑作!

敵は海賊・海賊版

敵は海賊・海賊版―DEHUMANIZE (ハヤカワ文庫JA)

*「敵は海賊」シリーズ
ハヤカワ文庫
ロングピース社が開発した著述支援用人工知能CAWシステムが出力する、悪名高き宇宙海賊・とう冥の物語―火星の赤い砂漠の町サベイジのバー“軍神”で、とう冥はフィラール星の女官長シャルファフィンと名乗る女の訪問を受け、火星で行方不明になったという王女の捜索を依頼されるが…王女捜索に乗り出すとう冥、それを追う宇宙海賊課のお荷物刑事ラテルとアプロがくりひろげる、記念すべきシリーズ第1長篇の新装版登場。
星雲賞日本長編部門(1984)受賞

七胴落とし

七胴落とし (ハヤカワ文庫 JA 167)

ハヤカワ文庫
なんの理由もなく少女がいきなりナイフで自分の手首を切りつけ、自殺する――これは、テレパシーによって自殺を無理強いしあうという、子供たちのゲーム。だが、このテレパシー能力も大人になると、消えてしまう。異様な閉塞状況の中で、大人になる直前の子供たちの焦燥と不安をみごとにSF小説とした長篇。

言葉使い師*

言葉使い師 (ハヤカワ文庫 JA 173)

ハヤカワ文庫
秩序を乱し、破壊するものとしてすべての言語活動が禁止されている無言世界を舞台に、言葉を生き物として操る言葉使い師によって、いやおうなく反社会行為者となった男の行手には……言葉に対するSF的アプローチを意欲的に試み、星雲賞を受賞した「言葉使い師」をはじめ、神林長平の才気を伝える六篇を収録。

1984

戦闘妖精・雪風

戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)

*戦闘妖精・雪風シリーズ
ハヤカワ文庫/『戦闘妖精・雪風(改)』ハヤカワ文庫 2002
南極大陸に突如出現した超空間通路によって、地球への侵攻を開始した未知の異星体「ジャム」。反撃を開始した人類は、「通路」の彼方に存在する惑星フェアリイに実戦組織FAFを派遣した。戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに、孤独な戦いを続ける特殊戦の深井零。その任務は、味方を犠牲にしてでも敵の情報を持ち帰るという非情かつ冷徹なものだった―。発表から20年、緻密な加筆訂正と新解説・新装幀でおくる改訂新版。
星雲賞日本長編部門(1985)受賞

1985

太陽の汗

太陽の汗 (ハヤカワ文庫JA)

光文社文庫/ハヤカワ文庫 1990
世界通信社の情報収集機械ウィンカーの一台が何者かに破壊され、原因究明のために現地ペルーへジャーナリストとカメラマンが派遣された。だが、現場近くへ行きながらも、ペルー陸軍の将校に足どめをくらわされる。陸軍少将サイン入りの取材許可証も役に立たない。インカ帝国最後の都、失われた聖都ビルカバンバ近くのジャングルでふたりは別行動をとることになった。ワードレコーダーを介してかわされるふたりの情報はやがて、異なる世界へと遊離していく…。熱帯の密林のなかで、現実と非現実のはざまに落ちこんでいく男のさまを描く力作長篇。

1986

宇宙探査機 迷惑一番

宇宙探査機 迷惑一番 (ハヤカワ文庫JA)

光文社文庫/ハヤカワ文庫 2002
地球連邦軍の月面基地に所属する“雷獣”迎撃小隊、通称「脳天気小隊」が遭遇したのは、「?」や「!」や「恥ずかしいもの」に見える不審な物体だった。調査の結果それは、敵対する水星軍の平行宇宙移動探索機マーキュリーと、その意識を言語化する思考装置・迷惑一番であることが判明。だがそのあまりにも御都合主義的なプロジェクトにより、脳天気小隊の5名は平行宇宙へと飛ばされてしまう…。初期傑作、待望の復刊。

プリズム

プリズム (ハヤカワ文庫JA)

ハヤカワ文庫
地上3万メートルの都市上空に浮かぶ直径137メートルのソロバン玉の形をしたスーパーコンピュータ―浮遊都市制御体。自動販売機からソフトクリームを買うのも、病院で診察を受けるのも、すべてこの都市制御体によって管理・運営されている。だが、神のごとき完璧とも思える都市制御体とコミュニケートできない人々がいた。人間たちには見えるが、都市制御体には見えない彼らは「幽霊」と呼ばれ、警察機構から追われる。都市制御体が支配する世界では、存在することが許されない「幽霊」なのだ―俊英が奔放な想像力で描き出す傑作SF!
星雲賞日本長編部門(1987)受賞

1987

蒼いくちづけ

蒼いくちづけ (ハヤカワ文庫JA)

光文社文庫/ハヤカワ文庫 2002
精神感応者と普通人が共存する月開発記念市。テレパスの少女ルシアは信じていた恋人に裏切られ、命を落とそうとしていた。男は、他者の脳内感応細胞を奪いながら逃亡を続ける犯罪者だった。やがて彼女は脳死を迎えるが、体内に残存した憎悪の念は、周囲に災厄をもたらしはじめる。いっぽう遙か地球では、その強烈な念により危地を救われた男がいた―無限心理警察刑事OZは月へ向かう、ルシアの魂を救済するために…。

機械たちの時間

機械たちの時間 (ハヤカワ文庫 JA (532))

トクマノベルス/ハヤカワ文庫 1995


今宵、銀河を杯にして*

今宵、銀河を杯にして  ハヤカワ文庫JA

徳間書店/ハヤカワ文庫 1995
惑星ドーピアにあるあまたの戦闘車輌の中でもっとも長いパーソナルネームを持つ戦車、マヘル‐シャラル‐ハシ‐ハズ。その名づけ親である操縦士アムジ・アイラ一等兵と僚友クアッシュ・ミンゴ二等兵は、非地球生命体バシアンに対し自らの新戦術論を立証すべく意気込んで地球からやってきたカレブ・シャーマン少尉を新しい車長に迎えたが…不条理な闘いの中、不死身の宇宙戦車との奇妙な友情と連帯を描く戦争SFの傑作。

時間蝕*

時間蝕 (ハヤカワ文庫JA)

ハヤカワ文庫
冷凍睡眠を使い、光速と比べられる宇宙船の速度を利用し、時間という盾に隠れて逃げつづけてきた永久逃亡犯。そして彼を捕え、火星の永久警察へ連行しようとする永久刑事。二人の乗りこんだ民間宇宙船が救難信号を受信したことから、敵味方であるふたりは難破船の捜索に赴いたのだが…「渇眠」、酸性雨が降りつづく都市で起きた連続殺人事件の謎を追う「酸性雨」、ひとりひとりのパーソナル・コンピュータが人格の一部になっている未来世界を描く「兎の夢」など、星雲賞受賞作家・神林長平の才気をあますところなくつたえる中篇4篇を収録する。

1988

敵は海賊・猫たちの饗宴

敵は海賊・猫たちの饗宴 (ハヤカワ文庫JA)

*「敵は海賊」シリーズ
ハヤカワ文庫
「くび!」ラテルは自分の耳が信じられなかった。くそいまいましい黒猫型宇宙人アプロだけでなく、自分も広域宇宙警察をくびになるとは。だが無情にも、対海賊課チーフ・バスターは、二人がいるきかぎり対海賊課の評判は落ちる一方、損害賠償は増える一方、といいはなった。仕方なく、チーフ・バスターからもらった再就職の推薦状の宛先へ出向いた一匹と一人だったが…待ちうけるのは稀代の宇宙海賊・〓冥、そして恐るべき武器は人間もコンピュータも“猫”にしてしまうCATシステムだった!てんやわんやのアプロとラテルの活躍、第2弾!

ルナティカン

ルナティカン (ハヤカワ文庫JA)

光文社文庫/ハヤカワ文庫 2003
月面都市の大企業LAP社は、自社製アンドロイドの両親に人間の少年を養育させる実験を行なっていた。地球のノンフィクション作家リビーは、このポール少年に対する非人道的行為を告発するため月面を訪れた。とある事情からポールの成長を見守る自由探偵のリックと出会った彼女は、少年の哀しい出自を知る。それは、入植初期の地下都市跡で生活し、地上の人間からは蔑視される一族“ルナティカン”の物語でもあった…。

1990

帝王の殻

帝王の殻 (ハヤカワ文庫JA)

*火星3部作
中央公論社/ハヤカワ文庫 1995
火星ではひとりが一個、銀色のボール状のパーソナル人工脳PABを持っている。PABは、子供が誕生したその日から経験データを蓄積し、巨大企業・秋沙能研所有の都市部を覆うアイサネットを通じて制御され、人工副脳となるのだ。そして、事実上火星を支配する秋沙能研の当主である秋沙享臣は「帝王」と呼ばれていた…。人間を凌駕する機械知性の存在を問う『あなたの魂に安らぎあれ』にはじまる火星三部作の第二作。

親切がいっぱい

親切がいっぱい (ハヤカワ文庫JA)

光文社文庫/ハヤカワ文庫 2003
泥棒やヤクザにも免許が必要な、すべての職業が国の許可制になっているもうひとつの世界。頼りない所長にかわって、ボランティア斡旋所兼便利屋を切り盛りする良子に困った問題がもちあがった。地元のヤクザが、彼女の住む日の丸ハイツからの立ち退きを要求してきたのだ。住民会議に参加した良子だったが、そこに奇妙な生き物“マロくん”が迷いこんできて…。“非日常”にも揺るがない“日常”の強靱さを描いた異色作。

完璧な涙*

完璧な涙 (ハヤカワ文庫JA)

ハヤカワ文庫
生まれてから一度も、怒ったり喜んだり悲しんだりしたことのない少年、本海宥現。家族との感情の絆を持たない宥現は発砲事件にをきっかけとして、砂漠の旅に出た。砂漠には、街に住むことを拒絶する人々、旅賊がいる。夜の砂漠で、火を囲み、ギターをかき鳴らし、踊る旅賊の中に、運命の女・魔姫がいた。だが、突如、砂の中から現われた、戦車のような巨大なマシーンが、宥現と魔姫の間を非情にも切り裂く。それは、すべてのものを破壊しつくす過去からの殺戮者だった…。未来と過去の争闘に巻き込まれていった少年・宥現を描く本格SF。

我語りて世界あり*

我語りて世界あり (ハヤカワ文庫JA)

徳間書店/ハヤカワ文庫 1996
発掘された武器塚のなかで、2人の少年と1人の少女は、本物の戦闘を記録・学習した戦闘知性体にアクセスした―月面上空で敵と闘うパイロット、市街地で強襲を受ける陸軍歩兵などが、時空を超えて甦る。少年たちは過去の人間に情報的に擬態して、禁じられた遊びに没頭する。そして、軍情報規格の特殊プログラムMISPANが語りはじめた時、世界ははじまった―SFのイマジネーションを最大限に活かした連作短篇集。

1991

敵は海賊・海賊たちの憂鬱

敵は海賊・海賊たちの憂鬱 (ハヤカワ文庫JA)

*「敵は海賊」シリーズ
ハヤカワ文庫
悪の源・宇宙海賊を一掃しようという太陽圏連合の次期首長候補アーマデュークが、火星の無法都市サベイジを訪れた。海賊王・〓@5FE5冥と対決しようというのだ。その護衛と案内をおおせつかったのが宇宙海賊課刑事のアプロとラテル。だが、護るべきアーマデュークは偽者だった。本物はいったいどこに?はたしてこれは海賊のしわざなのか?―黒ネコ型宇宙人アプロと、相棒のラテルが騒やかに繰りひろげるシリーズ第3弾。

1992

死して咲く花、実のある夢

死して咲く花、実のある夢 (ハヤカワ文庫JA)

徳間書店/ハヤカワ文庫 1996
降旗少尉以下、3名の首都圏情報防衛軍団兵士が遂行する作戦名は“マタタビ”作戦。首相の行方不明になった愛猫を捜し出せ、というものだ。ただしその猫は、脳にひじょうに貴重な情報が入力された、人類の存亡を決する猫なのだ。3名はなんとか目標の猫を発見したものの、コンタクトしようとして、失敗。しかも、本部との通信は不能となってしまった。現在地不明のここは、すでに死後の世界なのか?俊英が描くSF長篇。

猶予(いざよい)の月

猶予(いざよい)の月〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

早川書房/ハヤカワ文庫 1996
第三眼を額に持つカミス人。かれらは人工衛星カミスに住み、事象制御装置により、惑星リンボス上で社会を営むリンボス生物を制御している。カミス中央機構の理論士イシスは、詩人である弟のアシリスに恋していた。けれども、カミスでは姉弟の恋は禁じられている。イシスは事象制御装置を使って、自分たちの恋を正当化できる世界のシミュレーションを開始したが…日本SFの先端を疾駆しつづける神林長平の意欲的大作。

1993

敵は海賊・不敵な休暇

敵は海賊・不敵な休暇 (ハヤカワ文庫JA)

*「敵は海賊」シリーズ
ハヤカワ文庫
アプロとラテルにあとを任せ、長期休暇をとった海賊課チーフのバスター。休暇をとった目的は、自伝を書くため。超高級リゾート惑星でチーフ・バスターは執筆にいそしむ。いっぽう、チーフ代理として留守を任されたアプロとラテルは、いまさらながらチーフ・バスターの有能さに感心することになった。そして、宇宙海賊王とその片腕であるジュビリーは、火星のバーで対海賊課戦の策を練るのだが…。人気シリーズ第4弾。

天国にそっくりな星

天国にそっくりな星 (ハヤカワ文庫 JA)

光文社文庫/ハヤカワ文庫 2004
おれは坂北天界、私立探偵だ。太陽光が原因の奇病・日陰症のせいで、愛する玲美とともに、ここヴァルボスへと移住してきた。青空はきれいなのに、影ができない不思議な惑星だ。そんなある日、2件の捜索依頼が舞いこむ。ひとりはヴァルボス人の犯罪者ザーク、もうひとりは地球人の宗教団体教祖の家出した娘。調査を始めたおれは“死後の世界に真実がある”という教義に触れ、ヴァルボスのとんでもない秘密を知るが…。

1994

言壺*

言壺 (ハヤカワ文庫JA)

中央公論社/中公文庫/ハヤカワ文庫 2011
小説家の解良(けら)は、万能著述支援用マシン“ワーカム”から、言語空間を揺るがす文章の支援を拒否される。友人の古屋は、解良の文章が世界を崩壊させる危険性を指摘するが……「綺文」ほか、地上800階の階層社会で太古の“小説”を夢見る家族の物語「没文」、個人が所有するポットで言葉を育てる世界を描いた「栽培文」など9篇の連作集にして、神林言語SFの極北。

1995

敵は海賊・海賊課の一日

敵は海賊・海賊課の一日 (ハヤカワ文庫JA)

*「敵は海賊」シリーズ
ハヤカワ文庫
きょうはアプロの666歳の誕生日。ラテルはいやな予感がした。あんのじょうチーフからアプロともども苦情処理係勤務を命じられた。「しっかり矢面に立って、海賊課を守れ」とチーフはいう。そんなことをしたら体じゅう穴だらけだ。ところが苦情映話を受信しはじめたディスプレイの上に、時を超えたラテルの叔父が現われた。ラテルの家族の宇宙キャラバンを襲撃した真犯人を捜してほしいというのだが…人気シリーズ第5弾。

魂の駆動体

魂の駆動体 (ハヤカワ文庫JA)

波書房/ハヤカワ文庫 2000
人々が意識だけの存在として仮想空間へと移住しはじめた近未来。養老院に暮らす「私」は、確かな生の実感をとりもどすため、友人の子安とともに理想のクルマを設計する。いっぽう遙かな遠未来。太古に存在した人類の文化を研究する翼人のキリアは、遺跡で発掘された設計図をもとに、あるクルマの製作を開始するが…。機械と人間の関係を追究してきた著者が、“魂の駆動体”たるクルマと自由な精神の解放を謳う現代の寓話。

1996

過負荷都市*

過負荷都市 (ハヤカワ文庫JA)

ハヤカワ文庫
登校拒否をし続けている高校生・陽奥峯士はある日突然、殺人鬼になりたいと思った。しかし、動機がない。だれを殺したいのか、はっきりしない。どうやってやりたいのかもわからない。自らの破壊衝動を持て余していた峯士は、都市制御体からの脳内へのダイレクト・メッセージに導かれ、パワードアーマーを身にまとった。“創壊士”に変身したが…場の過負荷状態にあえぐサイバーシティが、自らとった驚愕の打開策とは。

Uの世界*

Uの世界 (ハヤカワ文庫JA)

ハヤカワ文庫
19歳の優子は4年前のある日、祖父から奇妙なことを告げられた。おまえは砂の中から生まれた、その身体は偽身だから真身を取りもどさなければならない、と。しかも真身は中央放送局の地下の聖室にあるという。家族から見捨てられ、不可思議なことを語り続ける老人は、やがてひとり寂しく死んでいった。そして祖父の死後、優子は真実を確かめるため中央放送局へと向かったが…おそるべき世界の真相を暴き出す連作短篇集。

1997

敵は海賊・A級の敵

敵は海賊・A級の敵 (ハヤカワ文庫JA)

*「敵は海賊」シリーズ
ハヤカワ文庫
星から星へ渡り歩き、どの星系にも属さない宇宙キャラバンのひとつマグファイヤ・キャラバンが破壊された。居住船を兼ねた司令船を中心に数十から数百という動力付コンテナをほとんど破壊しつくすというのは、並大抵のものではない。海賊課は宇宙刑事セレスタンに遭難原因の究明を命じた。ところがそこに、ラテルチームの宿敵が乗り出してきたのだ。―新キャラクターを加えて、シリーズますます快調。
星雲賞日本長編部門(1998)受賞

1997

ライトジーンの遺産*

ライトジーンの遺産 (ハヤカワ文庫JA)

朝日ソノラマ/朝日ソノラマ文庫/ハヤカワ文庫 2008
体内の臓器崩壊現象が頻発する未来社会。かつて人工臓器市場を独占していた巨大メーカー・ライトジーン社なき今、臓器をめぐる奇怪な現象や犯罪が続発していた。都会の片隅で自由に暮らし、本とウィスキーを愛する菊月虹は、ライトジーン社が遺した人造人間。虹は市警の新米刑事・タイスと共に臓器犯罪を次々と解決するが、やがて虹と彼の兄・MJの出生の秘密に関わる陰謀が彼を襲う。傑作ハードボイルドSFの決定版。

1999

グッドラック/戦闘妖精・雪風

グッドラック―戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)

*戦闘妖精・雪風シリーズ
早川書房/ハヤカワ文庫 2001
突如、地球への侵攻を開始した未知の異星体ジャム。これに対峙すべく人類は実戦組織FAFをフェアリイ星に派遣、特殊戦第五飛行戦隊に所属する深井零もまた、戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに熾烈な戦闘の日々を送っていた。だが、作戦行動中に被弾した雪風は、零を機外へと射出、自己のデータを最新鋭機へと転送する―もはや人間は必要ないと判断したかのように。人間と機械の相克を極限まで追求したシリーズ第2作。
星雲賞日本長編部門(2000)受賞

2001

永久帰還装置

永久帰還装置 (ハヤカワ文庫JA)

朝日ソノラマ/朝日ソノラマ文庫/ハヤカワ文庫 2008
火星で目覚めた素性不明の男は、自らを永久追跡刑事と称した。この世界を創造し、自由に改変する能力を持つ犯罪者・ボルターを追っているという。戦略情報局のケイ・ミンはその話を疑いつつも、彼の真摯で誠実な態度に惹かれていく。ボルダーの巧妙な世界改変による攻撃に対抗しつつ絆を深め合う二人だが、情報局の人工知性体・マグザットの介入も加わり火星崩壊が迫る―虚実混交の中で信頼と陰謀がせめぎ合う傑作長篇。

2002

ラーゼフォン/時間調律師

ラーゼフォン―時間調律師 (徳間デュアル文庫)

徳間デュアル文庫
もう何度、繰り返したのだろう?―ドーレムの襲撃によって死んだはずの村瀬明は、十六歳の少年として目覚めを迎えた。死と生のリフレイン。彼に分っているのは、もうすぐこの東京がMUの攻撃にさらされるという事実だけ。しかし今回は違った。パソコンのチャットを通し、異空間に存在する“自分”から、この時間ループを抜けだすには、“ラーゼフォン=未知なる音を奏でる太陽神の乗り物”を見つけだすことだと知らされる…。アニメ『ラーゼフォン』の世界を再構築した書き下ろしシェアワールド・ノベル。

2003

小指の先の天使*

小指の先の天使 (ハヤカワ文庫JA)

早川書房/ハヤカワ文庫 2006
恋人同士がたがいに触れ合えないとしたら、ふたりはそんな世界をあきらめるだろうか?あるいは仮想世界の動物園でキリンが鳩を食べたとしたら、それは、現実に住まう神の御業なのだろうか?あるいは、仮想世界で生涯を終えた者がいて、果たしてその魂はどこへ向かうのだろうか?人間の意識と神についての思索が、現実と仮想のあいだを往還する―20年間の歳月を費やした、神林長平の原点にして到達点たる連作集。

2004

膚(はだえ)の下

膚(はだえ)の下〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

*火星3部作
早川書房/ハヤカワ文庫 2007
荒廃した地球を離れ火星での250年間の凍眠を決断した人類は、地球の復興作業にあたる機械人を監視するため、人造人間アートルーパーを創造した。その一人、訓練部隊の慧慈軍曹は火星行きを拒む残留人一派と遭遇、交戦する。創造主から傷つけられた体験、そして機械人アミシャダイらとの出会いを経て、慧慈は自らの存在意義を問いなおし始めるが…。『あなたの魂に安らぎあれ』『帝王の殻』に続く「火星3部作」完結篇。

麦撃機の飛ぶ空*

麦撃機の飛ぶ空

ヒヨコ舎
戦いの惑星に降りた取材記者が体感する驚異の世界「射性」。唯一の糧である麦を武器に戦いつづける村と、運命に翻弄される青年「麦撃」。他、傑作ショートショート13編。神林長平が描く滅びと再生、人間の性。

2005

鏡像の敵*

鏡像の敵 (短篇集 ハヤカワ文庫 JA (810))

ハヤカワ文庫
駆逐装甲動力スーツを身にまとったわたし、太陽系宇宙軍の新藤中尉は、人間の憎悪を喰らう怪魔を追っていた。だが、ついに対峙した敵は、わたし自身だった。このスーツ内にはいったい誰が…鏡像との闘いの意外な結末を描く表題作、時間と睡眠をめぐる永久逃亡犯と永久刑事の相克「渇眠」、鏡世界への転移実験の顛末を描く「ハイブリアンズ」ほか、アイデアと思索が完璧に融合した全6篇を収録する、神林長平初期傑作集。

2007

敵は海賊・正義の眼

敵は海賊・正義の眼 (ハヤカワ文庫JA)

*「敵は海賊」シリーズ
ハヤカワ文庫
タイタンの首都メカルーク。市警警部のネルバルと広域宇宙警察の実習生サティが現場で目撃したのは、八体の惨殺死体と「海賊を始末した」という犯行声明だった。いっぽう海賊課刑事のアプロとラテルは、「海賊に間違われた」という同僚刑事セレスタンの通信を受け、貨客船ハウバウアー号に急行する。それは、海賊課の存在意義を葬り去るべくよう冥が仕掛けた周到なゲームの始まりにすぎなかった―。待望のシリーズ第7作。

2009

敵は海賊・短篇版

敵は海賊・短篇版 (ハヤカワ文庫JA)

*「敵は海賊」シリーズ
ハヤカワ文庫
対海賊課刑事ラテルと黒猫型宇宙人アプロは、ある少女の叔父捜しを依頼されるが―“海賊版”ではない本家本元「敵は海賊」、あのよう冥も一目置いた女海賊マーゴ・ジュティが遭遇した怪奇現象を描く「わが名はジュティ、文句あるか」、よう冥の良心たる白猫クラーラ誕生の秘密を初めて明かす書き下ろし「よう冥の神」、そして、あの戦闘妖精との競演を果たした「被書空間」―以上4篇収録の敵は海賊シリーズ初の短篇集。

2009

アンブロークンアロー/戦闘妖精・雪風

アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)

*戦闘妖精・雪風シリーズ
早川書房/ハヤカワ文庫 2011
地球のジャーナリスト、リン・ジャクスンに届いた手紙は、ジャムと結託してFAFを支配したというロンバート大佐からの、人類に対する宣戦布告だった。ついに開始されたジャムの総攻撃のなか、FAFと特殊戦、そして深井零と雪風を待ち受けていたのは、人間の認識、主観そのものが通用しない苛酷な現実だった―。『戦闘妖精・雪風(改)』『グッドラック』に続く、著者のライフワークたる傑作シリーズ、待望の第3作。

2012

いま集合的無意識を、*

いま集合的無意識を、 (ハヤカワ文庫JA)

ハヤカワ文庫
30年以上SFを書いてきたぼくは、第一線をはなれたような気分になっていた―ベテラン作家が、伊藤計劃『ハーモニー』と3・11後のフィクションの可能性を考察する表題作、深井零がパーソナルなコンピュータを追い求めた記憶を語る“戦闘妖精・雪風”シリーズのスピンオフ「ぼくの、マシン」、多世界解釈を巡る異色スペースオペラ「かくも無数の悲鳴」など、変遷し続けるコミュニケーションの様相を切り取った全6篇を収録。