ヒューゴー賞長篇部門受賞作リスト

1953

アルフレッド・ベスター『分解された男』

分解された男 (創元SF文庫)

The Demolished Man, 1953
沼沢洽治訳 創元推理文庫 1965
24世紀、人類の進化は人の心を自在に透視する超感覚者たちを生みだし、犯罪を計画することさえ不可能となっていた。全太陽系を支配する一大産業王国の樹立を狙うベン・ライクは、宿命のライバルを倒すため、あえて殺人という非常手段に訴える。計画は首尾よく成功したかに思われた。だが、ニューヨーク警察本部の第1級超感覚者、刑事部長リンカン・パウエルは、この世紀の大犯罪を前に陣頭指揮を開始、ここに超感覚者対ライクの虚々実々の攻防戦が展開する! 『虎よ、虎よ!』などで知られる現代SFの鬼才作家の処女長編にして、第1回ヒューゴー賞の栄誉に輝いた歴史的傑作。
アルフレッド・ベスター著作リスト

1954

該当なし

1955

マーク・クリフトン&フランク・ライリー『ボシイの時代』

ボシイの時代 (創元推理文庫 666-1)

They'd Rather Be Right, 1954
冬川亘訳 創元推理文庫 1981
ボシイ、それは現在手に入る情報をもとに、あらゆる問題の解決法を導き出すことのできる画期的なコンピューターだった。その力を持ってすれば、既存の価値体系などいっきょにくつがえすことができる。これを望まぬ政府はボシイを湮滅しようと謀るが、発明者の二人の教授は超能力を持つ学生ジョウと共にボシイを盗み出し、地下に潜った。スラム街の一画で実験を続けるうち、意外な能力のあることがわかった。ボシイは人々に不死性を与え、超能力を授けることができるのである。サイバネティクスをテーマに第二回ヒューゴー賞を受賞した名作長編。

1956

ロバート・A・ハインライン『ダブル・スター』

cover

Double Star, 1956
森下弓子訳 創元SF文庫 1994
21世紀を通じてもっとも偉大な政治家が火星で行方不明となり、ここに全太陽系帝国は崩壊の危機にさらされることになった。一杯のウィスキーに釣られた失業俳優ロレンゾは、地球から誘拐されて火星に連れこまれる。目的は――行方不明となった最高大臣の替え玉となり太陽系帝国の危機を救うことにある。だが、もし火星人がその事実を知ったならば、彼の生命はない。大宇宙を舞台に展開するスリル満点の政治闘争。ヒューゴー賞受賞の栄に輝くハインラインの代表作!
ロバート・A・ハインライン著作リスト

1957

該当なし

1958

フリッツ・ライバー『ビッグ・タイム』

The Big Time, 1958
青木日出夫訳 サンリオSF文庫 1978
この宇宙の時間と空間、生と死の彼方で改良戦争(チェンジ・ウォー)と呼ばれる果てしない暗闘がつづけられている。この過去と未来が混在する大いなる時間(ビッグ・タイム)のなかで、あらゆる場所が融合した場所(プレイス)で、スパイダー軍とスネーク軍が闘うこの宇宙戦争に窮極の勝利などはない。この見えない闘いそのものがわれわれの宇宙の歴史の原動力なのだ。スパイダー軍のグレタは、この戦いに傷ついた戦士たちをなぐさめるエンターテイナーと呼ばれる看護婦である。死から再生された戦士たち……月世界人と半人半獣が原子爆弾の函を《場所》に持ちこんだ。それをめぐる味方同志の対立、そして《場所》を制御するメインテナーの消失、やがて《場所》は漂流し、原子爆弾の爆発まで30分と迫る。宇宙戦争にとって平和とは? 真実の現在とは? 過去の改良は、未来をどう形成するか? 饒舌で眩惑的な文体を駆使し、壮大な歴史観を展開するプラスチック・タイム・オペラの傑作! 1958年度ヒューゴー賞受賞。
フリッツ・ライバー著作リスト

1959

ジェイムズ・ブリッシュ『悪魔の星』

悪魔の星 (創元SF文庫)

A Case of Conscience, 1958
井上一夫訳 創元推理文庫 1967
地球人調査団は、植民の可否を検討するため新発見の惑星リチアに降り立った。この星は進化した爬虫類が支配し高度に理性的な文明を築いていた。だが調査団の一人ルイスサンチェス神父は疑問を抱く。神を持たない彼らに“良心”は存在するのか。結論如何ではリチアの封鎖が決定されることになる。ハードSFの巨匠のヒューゴー賞受賞作。
ジェイムズ・ブリッシュ著作リスト

1960

ロバート・A・ハインライン『宇宙の戦士』

宇宙の戦士 (ハヤカワ文庫 SF (230))

Starship Troopers, 1959
矢野徹訳 ハヤカワ文庫SF 1979
単身戦車部隊を撃破する破壊力を秘め、敵惑星の心臓部を急襲する恐るべき宇宙の戦士、機動歩兵。少年ジョニーが配属されたのはこの宇宙最強の兵科だった。彼の前には一人前の戦士となるための地獄の訓練が待ち受けている……いつしかジョニーは、異星人のまっただ中へ殴り込み降下をかける鋼鉄の男に成長していた!未来の苛烈な宇宙戦を迫真の筆致であますところなく描き出し、ヒューゴー賞に輝いた巨匠の問題長篇!
ロバート・A・ハインライン著作リスト

1961

ウォルター・ミラー『黙示録3174年』

黙示録3174年 (創元SF文庫)

A Canticle for Leibowitz, 1959
吉田誠一訳 創元SF文庫 1971
最終核戦争の結果、一切の科学知識が失われ、文明は中世以前の段階にまで後退した。だがその時、一人の男が災禍を逃れた数少ない文献の保存につとめるべく修道院を設立した。そして30世紀をすぎる頃、廃墟の中から再建が始まろうとしている。今度の文明こそは、自滅することなく繁栄の道を歩めるだろうか?孤高の記録保管所が見守る遠未来の地球文明史。ヒューゴー賞受賞巨編。

1962

ロバート・A・ハインライン『異星の客』

cover

Stranger in a Strange Land, 1961
井上一夫訳 創元推理文庫 1969
宇宙船ヴィクトリア号で帰った“火星からきた男”は、第一次火星探検船で火星で生まれ、ただひとり生残った地球人だった。世界連邦の法律によると、火星は彼のものである。この宇宙の孤児をめぐって攻治の波が押しよせる。しかし、“火星からきた男”には地球人とは違う思考があり、さらに地球人にはないカがあった。“火星からきた男”は地球をゆるがせてゆく……老熟の境にはいったハインラインがその思想と情熱、世界観のすべてを注ぎこんだ波欄に富む超大作。
ロバート・A・ハインライン著作リスト

1963

フィリップ・K・ディック『高い城の男』

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

The Man in the High Castle, 1962
浅倉久志訳 ハヤカワ文庫SF 1984
アメリカ美術工芸品商会を経営するロバート・チルダンは、通商代表部の田上信輔に平身低頭しながら商品を説明していた。すべては1947年、第二次世界大戦が枢軸国側の勝利に終わった時から変わったのだ。ここ、サンフランシスコはアメリカ太平洋岸連邦の一都市として日本の勢力下にある。戦後15年、世界はいまだに日本とドイツの二大国家に支配されていたのだった! ――第二次大戦の勝敗が逆転した世界を舞台に現実と虚構との間の微妙なバランスを、緻密な構成と迫真の筆致で見事に描きあげ、1963年度ヒューゴー最優秀長篇賞を受賞した、鬼才ディックの最高傑作、遂に登場!
フィリップ・K・ディック著作リスト

1964

クリフォード・D・シマック『中継ステーション』

中継ステーション (ハヤカワ文庫 SF 265)

Way Station, 1963
船戸牧子訳 ハヤカワ文庫 1977
ウィスコンシン州の山奥に一軒の家がある。なんの変哲もない農家にしか見えないが、実はその家は銀河系の星々を結ぶ中継ステーションなのだ。特殊な液体の中に浮かぶ生物、体中から蛍光を発する生物……そうした様々な異星人たちが、家の中に据えつけられた物質転送機を通じて星から星へと旅を続けていた。だが、のどかにたたずむその家にも、恐るべき破局が迫りつつあった! 巨匠が詩情豊かに描くヒューゴー賞受賞作。
クリフォード・D・シマック著作リスト

1965

フリッツ・ライバー『放浪惑星』

放浪惑星 (創元SF文庫)

The Wanderer, 1964
永井淳訳 創元推理文庫 1973
突如、月の近くに出現した未知の惑星が、その巨大な重力によって月を捕捉、粉砕し、地球にも影響を及ぼしはじめた。人々はこの惑星を《放浪者》と名付けた。やがて、《放浪者》の宇宙船に拉致された地球人の目に明らかになったのは、超空間を永遠にさまよい続けるこの惑星の悲劇的な運命であった。ヒューゴー賞に輝く巨編!
フリッツ・ライバー著作リスト

1966

フランク・ハーバート『デューン 砂の惑星』

デューン砂の惑星 (1) (ハヤカワ文庫 SF (76))

Dune, 1965
矢野徹訳 ハヤカワ文庫SF 1972-73
アラキス……砂丘……砂漠の惑星。ポウルの夢に一面乾ききった死の世界が広がる。そこが、彼がこれからの一生を過す所なのだ――アラキスは苛酷な星ではあったが同時に唯一の老人病特効薬メランジの宝庫でもあり、皇帝の直命を受けたアトレイデ公爵にとって、そこを仇敵ハルコンネン家にかわって支配することはこの上ない名誉と富を意味した。一人息子ポウルに、より豊かな未来を継がせるのだ。ハルコンネンの復讐の罠を、皇帝の恐るべき奸計を、充分承知しながら公爵はあえて砂の惑星に乗り込んでいく……!SF界最高の栄誉ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞に輝く大傑作巨篇、ここに堂々の開幕!
フランク・ハーバート著作リスト

ロジャー・ゼラズニイ『わが名はコンラッド』

わが名はコンラッド (ハヤカワ文庫 SF 178)

This Immortal, 1965
小尾芙佐訳 ハヤカワ文庫SF 1975
コンラッドと名のるその男の過去は謎に包まれていた。だが、彼こそは数世紀にわたる異星人支配者との戦いの歴史に、いくたびか異なる名でその偉業を刻みつけてきた地球の英雄。そして今、密命を帯びた異星人の到来によって迎える危機を前に、再び不死の人コンラッドは立ちあがるが……。――陽光の下をサテュロスの群れが闊歩し、闇をぬって血をすする妖怪やテッサリアの黒獣が跳梁する世界――全面戦争後の変わり果てた地球を舞台に、絢爛と繰り広げられるSF未来叙事詩。久々の大型新人として60年代のSF界を席巻したゼラズニィのヒューゴー賞に輝く長編第一作遂に登場!
ロジャー・ゼラズニイ著作リスト

1967

ロバート・A・ハインライン『月は無慈悲な夜の女王』

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 1748)

The Moon Is a Harsh Mistress, 1966
牧眞司訳 ハヤカワSF文庫 2010
2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した!流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取されつづけてきた。革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニーと、自意識を持つ巨大コンピュータのマイク。だが、一隻の宇宙船も、一発のミサイルも持たぬ月世界人が、強大な地球に立ち向かうためには…ヒューゴー賞受賞に輝くハインライン渾身の傑作SF巨篇。
ロバート・A・ハインライン著作リスト

1968

ロジャー・ゼラズニイ『光の王』

光の王 (ハヤカワ文庫SF)

Lord of Light, 1967
深町真理子訳 ハヤカワ文庫SF 1985/2005
遙かな未来、人類は地球から遠く離れた惑星にインド神話さながらの世界を築いていた。地上の民衆は無知なまま原始的生活を送り、“天上都市”の不死となった“第一世代植民者”は科学技術を独占し、神として民衆を支配している。だが、シッダルタ、仏陀、サムなどの名で知られる男が、圧制下にある民衆を解放すべく、敢然として神々に戦いをいどんだ…たぐいまれな想像力で、SFと神話世界をみごとに融合した未来叙事詩。ヒューゴー賞受賞。
ロジャー・ゼラズニイ著作リスト

1969

ジョン・ブラナー“Stand on Zanzibar, 1968

1970

アーシュラ・K・ル=グウィン『闇の左手』

闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))

The Left Hand of Darkness, 1969
小尾芙佐訳 ハヤカワ文庫SF 1977
両性具有人の惑星、雪と氷に閉ざされたゲセンとの外交関係を結ぶべく派遣されたゲンリー・アイは、理解を絶する住民の心理、風俗、習慣等様々な困難にぶつかる。やがて彼は奇怪な陰謀の渦中へと……エキゾチックで豊かなイメージを秀抜なストーリイテリングで展開する傑作長篇
アーシュラ・K・ル=グウィン著作リスト

1971

ラリー・ニーヴン『リングワールド』

リングワールド (ハヤカワ文庫 SF (616))

Ringworld, 1970
小隅黎訳 ハヤカワ文庫SF 1985
200歳の探検家ルイス・ウーは、ノウンスペースのありとあらゆる驚異を見つくしてしまっていた。だがその彼も、パペッティア人のネサスから見せられた一枚のホロには目をむいた。G2型恒星のまわりを、薄いリボン状の構築物がぐるりととりまいているのだ。誰が、何のために作ったのか?このリングワールドの謎を探るべく、ルイスは凶暴なクジン人の戦士、地球人の若い女性ティーラ・ブラウン、そしてネサスとともに、最新型の宇宙船に乗りこみ、壮大な冒険に飛び立ったが……?! 〈ノウンスペース〉シリーズのクライマックスを華麗に飾るヒューゴー、ネビュラ両賞受賞作品!
ラリー・ニーヴン著作リスト

1972

フィリップ・ホセ・ファーマー『果しなき河よ我を誘え』

果しなき河よ我を誘え (ハヤカワ文庫 SF 289 リバーワールド 1)

To Your Scattered Bodies Go, 1971
岡部宏之訳 ハヤカワ文庫SF 1978
青い空が上にあった。英国の探険家リチャード・バートンが死の眠りから目覚めた時最初に目に入ったのがそれだった。次に、緑の草原と、幅一マイルはある〈河〉。この大河の両岸に、ネアンデルタール人から21世紀人にいたる、すべての地球人類が復活していたのだ! だれがこのリバーワールドを創りあげたのか? その目的は? またなぜ21世紀初頭に人類は滅亡してしまったのか? 様々な疑問を胸に、ネアンデルタール人のカズ、くじら座タウ星人、ビクトリア朝の淑女アリスらと共に、バートンは果てしなき河を溯る探索の旅にでたが……1972年度ヒューゴー賞受賞に輝く傑作長篇。
フィリップ・ホセ・ファーマー著作リスト

1973

アイザック・アシモフ『神々自身』

神々自身 (ハヤカワ文庫SF)

The Gods Themselves, 1972
小尾芙佐訳 ハヤカワ文庫SF 1986
西暦2070年、〈平行宇宙〉から、タングステンとの交換にもたらされるプルトニウム186は、無公害で低コスト、しかも無限のエネルギー源として歓迎された。だが、この魅力的な取引きには恐るべき陥穽が隠されていたのだ……米SF界の巨匠が、満を持して放った傑作SF巨篇。《ハヤカワ文庫》
アイザック・アシモフ著作リスト

1974

アーサー・C・クラーク『宇宙のランデヴー』

cover

Rendezvous with Rama, 1973
南山宏訳 ハヤカワ文庫SF 1985
西暦2130年、<スペースガード>のレーダー網に謎の物体が探知された。やがて、宇宙探測機が送ってきた映像によって、太陽系に突如現れたこの物体は自然のものではなく、直径40キロ、自転周期4分という巨大な円等型の金属物体であることが判明した。この事実は、全人類を騒然とさせた――長い間期待され恐れられてきた、宇宙からの最初の訪問者をついに迎えることになったからだ!“ラーマ”と命名されたこの人工惑星にエンデヴァー号が調査のために接近、苦心のすえランデヴーに成功し、ラーマ内部に侵入するが……ヒューゴー/ネビュラ両賞受賞に輝く巨匠の傑作SF!
アーサー・C・クラーク著作リスト

1975

アーシュラ・K・ル=グィン『所有せざる人々』

所有せざる人々 (ハヤカワ文庫SF)

The Dispossessed, 1974
佐藤高子訳 ハヤカワ文庫SF 1986
恒星タウ・セティをめぐる二重惑星アナレスとウラス―だが、この姉妹星には共通点はほとんどない。ウラスが長い歴史を誇り生命にあふれた豊かな世界なら、アナレスは2世紀たらず前に植民されたばかりの荒涼とした惑星であった。オドー主義者と称する政治亡命者たちがウラスを離れ、アナレスを切り開いたのだ。そしていま、一人の男がアナレスを離れウラスへと旅立とうとしていた。やがて全宇宙をつなぐ架け橋となる一般時間理論を完成するために、そして、ウラスとアナレスの間に存在する壁をうちこわすために…。ヒューゴー賞ネビュラ賞両賞受賞の栄誉に輝く傑作巨篇。
アーシュラ・K・ル=グウィン著作リスト

1976

ジョー・ホールドマン『終りなき戦い』

終りなき戦い (ハヤカワ文庫 SF (634))

The Forever War, 1975
風見潤訳 ハヤカワ文庫 1985
人類は画期的な新航法コラプサー・ジャンプを発見、その結果多数の移民船や探検船が果てしない宇宙へ送り出された。だがそうした船の一隻が正体不明の異星人に突如攻撃されるという事件が発生し、これを契機に人類はトーランと呼ばれるこの異星人との全面戦争に突入した! 苛酷な訓練を受け、殺人機械と化した兵士たちが特殊スーツに身を固めて戦地に赴いたものの、戦況は次第に救いなき泥沼化の様相を呈していった…… 期待の俊英が壮絶なる星間戦争を迫真の筆致で描き『宇宙の戦士』にまさるとも劣らないと絶賛された、ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞の傑作戦争SF
ジョー・ホールドマン著作リスト

1977

ケイト・ウィルヘイム『鳥の歌いまは絶え』

鳥の歌いまは絶え (1982年) (サンリオSF文庫)

Where Late the Sweet Birds Sang, 1976
酒匂真理子訳 サンリオSF文庫 1982
シェナンドアの谷に鳥の歌いまは絶え、花の光いまは褪せ、すでに夏は盛りだった。過去の大破壊を生きのびた人々の子孫は、かろうじて残った遺産を食いつぶしながら生きていた。だが、人々はすでに生殖能力のポテンシャルを弱めていた。廃墟となった砦の洞窟に研究所を作り、食科を確保し、科学的な調査をすすめていくこと――それだけが生存のための唯一の回答だった。こうして若い女性を生殖員としたクロー二ングによって子孫を生みだそうとしていたが、文明はとうに人間の心と愛と個性を失い、みずからが生み出したクローンと敵対していくというイロニックな立場に直面していた。戦慄と生への愛、母胎の聞を透過する優しい視線と微小なるものへの鋭敏な感受性で、クローンをテーマに今日まで書かれた最高のSFと評された脈動するメッセージである。
ケイト・ウィルヘイム著作リスト

1978

フレデリック・ポール『ゲイトウエイ』

ゲイトウエイ (ハヤカワ文庫SF)

Gateway, 1977
矢野徹訳 ハヤカワ文庫 1988
金星付近の小惑星で発見された千隻あまりの宇宙船―それは、謎のヒーチー人が残した超光速船だった。この船を使えば、人類の念願の恒星への飛行が可能となる。だが、操縦方法は皆目わからなかった。目的地も、要する時間も、エネルギーの残存量もわからぬ状態で飛び立つしかない。行手に待つものは死か、それとも、富を約束する未知の惑星か…。かくて、一攫千金を夢見る冒険家たちによって、スター・ラッシュが始まった!SF界の重鎮が、斬新な手法と躍動感あふれるストーリイ展開とで描き、全米の読者から熱狂的にむかえられた、ヒューゴー賞、ネビュラ賞受賞作。
フレデリック・ポール著作リスト

1979

ヴォンダ・マッキンタイア『夢の蛇』

夢の蛇 (ハヤカワ文庫SF)

Dreamsnake, 1978
友枝康子訳 ハヤカワ文庫 1988
烈風が吹きすさぶ荒れ果てた砂漠を、スネークはさまよっていた。彼女の職業は〈治療師〉。蛇の毒素から抗体をつくって、病人を癒す者。だが今のスネークには、その資格はなかった。治療のために必要な三匹の蛇のうち、スネーク自身がつくりあげた“夢の蛇”が殺されてしまったのだ。かくしてスネークは、新たなる夢の蛇を手に入れるべく、核戦争の爪跡も消えやらぬ荒野に旅立つが、その行手には何者かの邪悪な影がちらつき、旅を妨害するのだった!ル・グィン、ティプトリーと並び称される閨秀作家が流麗なタッチで描き、ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞に輝いた傑作SF。
ヴォンダ・マッキンタイア著作リスト

1980

アーサー・C・クラーク『楽園の泉』

楽園の泉 (ハヤカワ文庫SF)

The Fountains of Paradise, 1979
山高昭訳 ハヤカワ文庫SF 1987/2006
赤道上の同期衛星から超繊維でできたケーブルを地上におろし、地球と宇宙空間を結ぶエレベーターを建造できないだろうか?全長四万キロの“宇宙エレベーター”建設を実現しようと、地球建設公社の技術部長モーガンは、赤道上の美しい島国タプロバニーへやってきた。だが、建設予定地の霊山スリカンダの山頂には三千年もの歴史をもつ寺院が建っていたのだ…みずからの夢の実現をめざす科学者の奮闘を描く巨匠の代表作。
アーサー・C・クラーク著作リスト

1981

ジョーン・D・ヴィンジ『雪の女王』

雪の女王〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

The Snow Queen, 1980
岡部宏之訳 ハヤカワ文庫 1987
惑星ティアマットにいま〈交替〉のときが訪れようとしていた。〈双子〉と呼ばれる太陽がブラックホールである〈黒い門〉に近づくとき、もうひとつの太陽〈夏の星〉は輝きを増し、〈主導世界〉と唯一の連絡路である〈黒い門〉は使用不能となる。ティアマットは通商停止の世界、大宇宙の孤島となるのだ。150年にわたって〈冬の女王〉の治世は終わり〈交替〉を象徴する〈祭り〉とともに、〈夏の女王〉の治世が始まる。だが、〈生命の水〉によって永遠の若さを保つ〈雪の女王〉アリエンロードは、むざむざと〈冬〉を〈夏〉にあけわたす気はなかった…ヒューゴー賞受賞作!
ジョーン・D・ヴィンジ著作リスト

1982

C.J.チェリイ『ダウンビロウ・ステーション』

ダウンビロウ・ステーション (上) (ハヤカワ文庫 SF (599))

Downbelow Station, 1981
深町眞理子/宇佐川晶子訳 ハヤカワ文庫 1985
跳航宇宙母艦《ノルウェイ》は、いま十隻の輸送船団を率いて、ペル・ステーションに接近しつつあった。肥沃な惑星ペルを配下に置く豊かなペル・ステーションに、他の宇宙ステーションからの難民を運んでいるのだ――地球に叛旗を翻す《同盟》に対し、地球の《艦隊》は劣位に回り、地球側の宇宙ステーションは次々と《同盟》の手に渡っていた。しかも、地球側に残る唯一残されたペル・ステーションも、度重なる難民の流入に、その機能が麻痺するのも時間の問題だった……人気女流作家が壮大なスケールで描き、見事1982年ヒューゴー賞長篇部門受賞に輝く話題作、ついに登場!
C.J.チェリー著作リスト

1983

アイザック・アシモフ『ファウンデーションの彼方へ』

ファウンデーションの彼方へ〈上〉―銀河帝国興亡史〈4〉 (ハヤカワ文庫SF)

Foundation's Edge, 1982
岡部宏之訳 ハヤカワ文庫SF 1996
設立から500年、第一ファウンデーションは、その力の絶頂にあった。だが青年議員トレヴィズの推理によると、滅びたはずの第二ファウンデーションはいまだ健在で、銀河の歴史を支配しているらしい。ただちに探索の旅に出たトレヴィズ一行が外宇宙で見つけたものは……?《ハヤカワ文庫》
アイザック・アシモフ著作リスト

1984

デイヴィッド・ブリン『スタータイド・ライジング』

スタータイド・ライジング (上) (ハヤカワ文庫 SF (636))

Startide Rising, 1983
酒井昭伸訳 ハヤカワ文庫SF 1985
人間=イルカ混成チームの乗り組む探険船〈ストリーカー〉は、ある辺境宙域で、銀河史上最大の発見をした。ひとつひとつが地球の月ほどもある五万隻の大宇宙船団。調査の結果、既知の知的種族のものではないばかりか、想像を絶するほどの太古から漂流していたことが明らかになった。しかもそのテクノロジーは、銀河系の科学水準をはるかに凌駕している。〈ストリーカー〉はこの発見を母星に報告するが、人類に敵対する銀河種族すべてが、その送信を傍受していたのだ!米SF界期待の新星が壮大な未来史を背景に描き、ヒューゴー、ネビュラ両賞に輝いた傑作SF巨篇
デイヴィッド・ブリン著作リスト

1985

ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

Neuromancer, 1984
黒丸尚訳 ハヤカワ文庫SF 1986
ケイスは、コンピュータ・カウボーイ能力を奪われた飢えた狼。だが、その能力を再生させる代償に、ヤバイ仕事をやらないかという話が舞いこんできた。きな臭さをかぎとりながらも、仕事を引き受けたケイスは、テクノロジーとバイオレンスの支配する世界へと否応なく引きずりこまれてゆく。話題のサイバーパンクSF登場!
ウィリアム・ギブスン著作リスト

1986

オースン・スコット・カード『エンダーのゲーム』

エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746))

Ender's Game, 1985
野口幸夫訳 ハヤカワ文庫SF 1987
地球は、恐るべきバガーの二度にわたる侵攻をかろうじて撃退した。捕えた人間を情容赦なく殺戮し、地球人の呼びかけにまるで答えようとしない昆虫型異星人バガー。彼らとの講和は決してありえないのだ!バガーの第三次攻撃にそなえ、優秀な司令官を育成すべくバトル・スクールが設立された。そこに入校したエンダーは、コンピユータのシミュレーション・ゲームから、無重カ戦闘室での模擬戦闘まで、あらゆる訓練で最優秀の成績をおさめるが……!?天才少年エンダーの苦難にみちた成長を、スリルと興奮にみちた筆致で描き、ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞に輝く傑作長篇
オースン・スコット・カード著作リスト

1987

オースン・スコット・カード『死者の代弁者』

死者の代弁者〈上〉

Speaker For the Dead, 1986
塚本淳二訳 ハヤカワ文庫SF 1990
宇宙に進出しはじめた人類が初めて遭遇した地球人以外の知的生命体、それが昆虫型異星人のバガーだった。だがコミュニケーション不足のため戦争となり、最終的には双方の種族に不幸な事態を招いてしまった。その事件から3千年、銀河各地に植民して領土を広げていった人類はついに第二の知的生命体に遭遇した。あらたに発見した惑星ルジタニアに入植しようとしたところ、森に住んでいる動物ピギーが高度の知性と能力を持っているとわかったのだ。今度こそバガーのときのような過ちは繰り返すまい…。人類はピギーと慎重に交渉しはじめたが。ヒューゴー賞、ネビュラ賞受賞。
オースン・スコット・カード著作リスト

1988

デイヴィッド・ブリン『知性化戦争』

知性化戦争〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

The Uplift War, 1987
「知性化戦争」酒井昭伸訳 ハヤカワ文庫SF 1990
人類=イルカ混成チームの探険船〈ストリーカー〉号が、銀河史を解明するうえで重要な証拠を発見したという知らせに全銀河情勢は一変した。五銀河の覇権を虎視耽々と狙う銀河列強が、その秘密をおのがものとして他種族の優位に立つべく激烈な抗争を開始したのだ。辺境の植民惑星ガースにも、その波紋は容赦なく押し寄せてきた―列強諸族のひとつ鳥類型エイリアンのグーブルーが、宇宙艦隊を率いて突如来襲、人類とその僚友ネオ・チンパンジーの暮らすこの星への侵攻作戦を開始したのである。ファン待望の未曽有のSFスペクタクル開幕。ヒューゴー賞受賞。
デイヴィッド・ブリン著作リスト

1989

C.J.チェリー『サイティーン』

サイティーン〈1〉彼方の母なる世界 (ハヤカワ文庫SF)

Cyteen, 1988
関口幸男訳 ハヤカワ文庫 1993
〈辺境〉星域における反地球勢力〈同盟〉の中心地、惑星サイティーン。ここでは植民政策にともなう人員増強のため、徹底した遺伝子操作とテープ学習によって人間が“製造”されていた。この技術を管理する遺伝子工学研究所は、ひとりの老獪な女性科学者アリアンが全権を掌握している。才能と権力をほしいままにする彼女が極秘のうちにすすめる、きわめて危険な試みとは。ヒューゴー賞に輝く傑作SF巨篇、堂々の開幕。
C.J.チェリー著作リスト

1990

ダン・シモンズ『ハイペリオン』

ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

Hyperion, 1989
酒井昭伸訳 ハヤカワ文庫SF 2000
28世紀、宇宙に進出した人類を統べる連邦政府を震撼させる事態が発生した!時を超越する殺戮者シュライクを封じこめた謎の遺跡―古来より辺境の惑星ハイペリオンに存在し、人々の畏怖と信仰を集める“時間の墓標”が開きはじめたというのだ。時を同じくして、宇宙の蛮族アウスターがハイペリオンへ大挙侵攻を開始。連邦は敵よりも早く“時間の墓標”の謎を解明すべく、七人の男女をハイペリオンへと送りだしたが…。ヒューゴー賞・ローカス賞・星雲賞受賞作。
ダン・シモンズ著作リスト

1991

L・M・ビジョルド『ヴォル・ゲーム』

ヴォル・ゲーム (創元SF文庫)

The Vor Game, 1990
小木曽絢子訳 創元SF文庫 1996
苦難のあげく士官学校を卒業し、初任務に胸高鳴らす新人少尉マイルズ。配属希望は、言わずもがな宇宙艦隊だ。だが初の任官先は、なんと人里離れた孤島の気象観測基地!問題児の彼にこの退屈きわまりない任務がこなせれば宇宙艦隊に配属してやる、というのだが、当然ここでもマイルズは騒動の中心人物となってしまい…ユーモアと冒険の傑作スペースオペラ。ヒューゴー賞受賞作。
L・M・ビジョルド著作リスト

1992

L・M・ビジョルド『バラヤー内乱』

バラヤー内乱 (創元SF文庫)

Barrayar, 1991
小木曽絢子訳 創元SF文庫 2000
幼年皇帝の摂政として惑星国家の統治を委ねられた、退役提督アラール。だが、その前途には暗雲が忍び寄り、反旗は一夜にして翻された。首都は制圧され、この辺境の星は未曾有の窮地に立たされる。アラールの妻コーデリアは五歳の皇帝を預かり、辺境の山中へ逃れるが…。シリーズ主人公となるマイルズの誕生前夜の激動を描き、ヒューゴー賞・ローカス賞を制したシリーズ中の白眉。
L・M・ビジョルド著作リスト

1993

ヴァーナー・ヴィンジ『遠き神々の炎』

遠き神々の炎〈上〉 (創元SF文庫)

A Fire Upon the Deep, 1992
中原尚哉訳 創元SF文庫 1995
銀河の片隅で人類が発見した太古のアーカイヴ。だがそこに眠っていたのは人知を超えた強大な邪悪意識だった。解き放たれたそれは恐怖と混沌を巻き起こし、恐るべき規模で銀河文明を蝕んでゆく。一方この悪魔の星から、最後の希望となる手掛かりを積んで脱出した一隻の船があった。だが不時着した先の緑の星で、彼らは犬型の集合知性体が繰りひろげる抗争に巻き込まれてしまった。ヒューゴー賞受賞最新SF。
ヴァーナー・ヴィンジ著作リスト

コニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック』

ドゥームズデイ・ブック〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

Doomsday Book, 1992
大森望訳 ハヤカワ文庫 2003
歴史研究者の長年の夢がついに実現した。過去への時間旅行が可能となり、研究者は専門とする時代を直接観察することができるようになったのだ。オックスフォード大学史学部の女子学生キヴリンは、実習の一環として前人未踏の14世紀に送られた。だが、彼女は中世に到着すると同時に病に倒れてしまった…はたして彼女は未来に無事に帰還できるのか?ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を受賞した、タイムトラベルSF。
コニー・ウィリス著作リスト

1994

キム・スタンリー・ロビンスン『グリーン・マーズ』

グリーン・マーズ〈上〉 (創元SF文庫)

Green Mars, 1993
大島豊訳 創元SF文庫 2001
2061年のカタストロフィののち、火星社会は驚くべき復興を遂げていた。いまや火星を支配している暫定統治機構は地球の超国籍企業体そのものであり、火星の緑化がもたらす可能なかぎりの富を手に入れようとしている。秘密コロニーに潜んだ“最初の百人”の生き残りたちは、これに対抗するべくレジスタンス活動に出るが…。現代SF界の最前線に立つ著者が、『レッド・マーズ』に続いて驚異的な取材力と卓越した想像力を駆使して放つ、途方もなくリアルな未来の火星像。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作。
キム・スタンリー・ロビンスン著作リスト

1995

L・M・ビジョルド『ミラー・ダンス』

ミラー・ダンス〈上〉 (創元SF文庫)

Mirror Dance, 1994
小木曽絢子訳 創元SF文庫 2002
マイルズの留守に乗じて傭兵艦隊に潜入した、彼そっくりの偽物―クローンのマーク。特命任務と偽って快速艇とコマンド部隊を手に入れ、ジャクソン統一惑星へ侵攻した。だがマイルズならぬ身、攻略にしくじり、進退きわまってしまう。急遽あとを追って戦地に赴いたマイルズだったが、マークたちの救出作戦敢行のさなか、あろうことか敵弾の直撃を受けて…マイルズが死んだ。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞。
L・M・ビジョルド著作リスト

1996

ニール・スティーヴンスン『ダイヤモンド・エイジ』

ダイヤモンド・エイジ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

The Diamond Age, 1995
日暮雅通訳 ハヤカワ文庫 2006
近未来、ナノテクの発達により、文明社会は大きく変貌していた。世界は国家ごとではなく、人種・宗教・主義・趣味などを共有する者の集まりからなる、多種多様な“国家都市”に細分化されている。上海の貴族フィンクル=マグロウ卿は、孫娘の教育用にナノテクの枠をきわめた初等読本の作製を依頼するが…ダイヤモンドをはじめ、すべてをナノテクで作りだせるようになった近未来を描く、ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作。
ニール・スティーヴンスン著作リスト

1997

キム・スタンリー・ロビンソン “Blue Mars, 1996”

キム・スタンリー・ロビンスン著作リスト

1998

ジョー・ホールドマン『終わりなき平和』

終わりなき平和 (創元SF文庫)

Forever Peace, 1997
中原尚哉訳 創元SF文庫 1999
神経接続による遠隔歩兵戦闘体での戦いが日常化した近未来。連合国は中米の紛争に対し、十人の精神が繁がりあって操作するソルジャーボーイ小隊を投入し、絶大な戦果をあげていた。一方このとき人類は、木星の軌道上に想像を絶する規模の粒子加速機を建造、宇宙の始まりを再現する実験に乗り出していた…。名作『終わりなき戦い』から20年余年、巨匠が新たな角度から挑んだ傑作!ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ジョン・W・キャンベル記念賞受賞。
ジョー・ホールドマン著作リスト

1999

コニー・ウィリス『犬は勘定に入れません』

犬は勘定に入れません 上―あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 (1) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-6)

To Say Nothing of the Dog, 1998
大森望訳 ハヤカワ文庫 2009
人類はついに過去への時間旅行を実現した。その技術を利用し、オックスフォード大学は、第二次大戦中、空襲で焼失したコヴェントリー大聖堂復元計画に協力している。史学部の大学院生ネッドは、大聖堂にあったはずの“主教の鳥株”を探せと計画の責任者レイディ・シュラプネルに命じられた。だが、21世紀と20世紀を何度も往復して疲労困憊、とうとう過労で倒れてしまった!?SFと本格ミステリを絶妙に融合させた話題作。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞。
コニー・ウィリス著作リスト

2000

ヴァーナー・ヴィンジ『最果ての銀河船団』

最果ての銀河船団〈上〉 (創元SF文庫)

A Deepness in the Sky, 1999
中原尚哉訳 創元SF文庫 2002
250年のうち35年間だけ光を放ち、それ以外は火が消える奇妙な恒星。その星系には知性を有する蜘蛛型生命が存在していた。彼らの惑星がもたらす莫大な利益を求めて、二人の人類商船団が進出する。だが軌道上で睨みあいを続けるうち戦闘の火蓋が切られ、双方とも装備の大半を失い航行不能に。彼らには、地上の種族が冬眠から目覚め、高度な文明を築くのを待つしか手段がなかった。ヒューゴー賞・キャンベル記念賞受賞。
ヴァーナー・ヴィンジ著作リスト

2001

J・K・ローリング『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』

ハリー・ポッターと炎のゴブレット (上)

Harry Potter and the Goblet of Fire, 2000
松岡佑子訳 静山社 2002
魔法界のサッカー、クィディッチのワールドカップが行なわれる。ハリーたちを夢中にさせたブルガリア対アイルランドの決勝戦のあと、恐ろしい事件が起こる。そして、百年ぶりの開かれる三大魔法学校対抗試合に、ヴォルデモートが仕掛けた罠はハリーを絶体絶命の危機に陥れる。しかも、味方になってくれるはずのロンに、思いもかけない異変が…。
J・K・ローリング著作リスト

2002

ニール・ゲイマン『アメリカン・ゴッズ』

アメリカン・ゴッズ 上

American Gods, 2001
金原瑞人/野沢佳織訳 角川文庫 2009
出所まであと五日。三年の服役を終え、残りの日数を数えるシャドウ。あと、四日。あと、三日。そして…。その日まで四十八時間と迫ったとき、看守に呼び出されたシャドウはこう告げられた。今朝、愛する妻が自分の親友と浮気の末、自動車事故で亡くなったと―。呆然と立ちすくむシャドウの前に、奇妙な男が現れる。彼の持ちかけた仕事を引き受けた瞬間から、シャドウの数奇な運命の歯車が回り始めた。
ニール・ゲイマン著作リスト

2003

ロバート・J・ソウヤー『ホミニッド-原人-』

ホミニッド-原人 (ハヤカワ文庫SF)

Hominids, 2002
内田昌之訳 ハヤカワ文庫SF 2005
クロマニヨンが絶滅し、かわりにネアンデルタールが進化した世界で、量子コンピュータの実験をしていた物理学者ポンターは、不慮の事故でいずこかへと転送させられてしまった。一方、カナダの地下の研究所で実験を行なっていたルイーズは、自分の目を疑った。密閉した重水タンクのなかに異形の人物がいきなり出現したのだ!並行宇宙に転送されたネアンデルタールの物理学者の驚くべき冒険とは……?ヒューゴー賞受賞作
ロバート・J・ソウヤー著作リスト

2004

L・M・ビジョルド『影の棲む城』

影の棲む城〈上〉 (創元推理文庫)

Paladin of Souls, 2003
鍛冶靖子訳 創元推理文庫 2008
チャリオン国太后イスタは鬱々としていた。元国主の夫はとうに亡く、娘はチャリオンの国主となっている。では、自分は?このまま故郷の城で、とらわれ人のように一生を過ごすのか…。耐えられなくなったイスタは、わずかな供だけを連れ、巡礼の旅に出た。『チャリオンの影』に続く“五神教シリーズ”。ヒューゴー、ネビュラ、ローカスの三賞受賞。異世界ファンタジーの金字塔。
L・M・ビジョルド著作リスト

2005

スザンナ・クラーク『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』

ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレルI

Jonathan Strange & Mr Norrell, 2004
中村浩美訳 ヴィレッジブックス 2008
19世紀、ロンドン―いま一人の紳士が英国魔術を復活させようとしていた。世界幻想文学大賞、ヒューゴー賞、ローカス賞受賞。

2006

ロバート・チャールズ・ウィルスン『時間封鎖』

時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)

Spin, 2005
茂木健訳 創元SF文庫 2008
ある夜、空から星々が消え、月も消えた。翌朝、太陽は昇ったが、それは贋物だった…。周回軌道上にいた宇宙船が帰還し、乗組員は証言した。地球が一瞬にして暗黒の界面に包まれたあと、彼らは1週間すごしたのだ、と。だがその宇宙船が再突入したのは異変発生の直後だった―地球の時間だけが1億分の1の速度になっていたのだ!ヒューゴー賞受賞、ゼロ年代最高の本格SF。
ロバート・チャールズ・ウィルスン著作リスト

2007

ヴァーナー・ヴィンジ『レインボーズ・エンド』

レインボーズ・エンド上 (創元SF文庫)

Rainbows End, 2006
赤尾秀子訳 創元SF文庫 2009
発端はサッカーの試合で流れたCMだった。そこから人間をマインド・コントロールする細菌兵器開発の可能性を察知したEU諜報局は、これを阻止するため正体不明のハッカー、“ウサギ”を雇い、サンディエゴのバイオ研究所を一時的にのっとる作戦に出た。ネットワークとウェアラブル・コンピューティングが築き上げる近未来社会を描破する、ローカス賞・ヒューゴー賞受賞の大作。
ヴァーナー・ヴィンジ著作リスト

2008

マイケル・シェイボン『ユダヤ警官同盟』

ユダヤ警官同盟〈上〉 (新潮文庫)

The Yiddish Policemen's Union, 2007
黒原敏行訳 新潮文庫 2009
安ホテルでヤク中が殺された。傍らにチェス盤。後頭部に一発。プロか。時は2007年、アラスカ・シトカ特別区。流浪のユダヤ人が築いたその地は2ヶ月後に米国への返還を控え、警察もやる気がない。だが、酒浸りの日々を送る殺人課刑事ランツマンはチェス盤の謎に興味を引かれ、捜査を開始する―。ピューリッツァー賞受賞作家による刑事たちのハードボイルド・ワンダーランド、開幕。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞三冠制覇。
マイケル・シェイボン著作リスト

2009

ニール・ゲイマン “The Graveyard Book, 2008

ニール・ゲイマン著作リスト

2010

パオロ・バチガルピ『ねじまき少女』

ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)

The Windup Girl, 2009
田中一江・金子浩訳 ハヤカワ文庫SF 2011
石油が枯渇し、エネルギー構造が激変した近未来のバンコク。遺伝子組替動物を使役させエネルギーを取り出す工場を経営するアンダースン・レイクは、ある日、市場で奇妙な外見と芳醇な味を持つ果物ンガウを手にする。ンガウの調査を始めたアンダースンは、ある夜、クラブで踊る少女型アンドロイドのエミコに出会う。彼とねじまき少女エミコとの出会いは、世界の運命を大きく変えていった。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞など主要SF賞を総なめにした鮮烈作。

チャイナ・ミエヴィル『都市と都市』

都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)

The City & the City, 2009
日暮雅通訳 ハヤカワ文庫SF 2011
ふたつの都市国家“ベジェル”と“ウル・コーマ”は、欧州において地理的にほぼ同じ位置を占めるモザイク状に組み合わさった特殊な領土を有していた。ベジェル警察のティアドール・ボルル警部補は、二国間で起こった不可解な殺人事件を追ううちに、封印された歴史に足を踏み入れていく…。ディック‐カフカ的異世界を構築し、ヒューゴー賞、世界幻想文学大賞をはじめ、SF/ファンタジイ主要各賞を独占した驚愕の小説。

2011

コニー・ウィリス “Blackout/All Clear