ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』

My favorite 99 books

星を継ぐもの (創元SF文庫)

『星を継ぐもの』
池央耿訳 創元SF文庫 1980
月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行われた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。ほとんど現代人と同じ生物であるにもかかわらず、五万年以上も前に死んでいたのだ。謎は謎を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見されたが……
コミック「星を継ぐもの」星野之宣/画 ビッグ コミックス

星を継ぐもの 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

 月面で5万年前に死亡したと推測される宇宙服を着た人間が発見される、と、初っ端から豪快かつミステリアスな設定。 もちろん、西暦5万2000年以降の遠い未来の話ではない。 全編にわたって謎の提示と演繹的推理と帰納的推測が続き、学者たちの取り組みの過程が生き生きと描かれている。 そしてラストで明かされる(…というか導き出される)衝撃の事実。 「ミステリは好きだけどSFは苦手」というに是非ともオススメしたい一冊。
 『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』とシリーズが続き、「我々(=地球人)は何者なのか」という壮大な謎が解き明かされる。 『内なる宇宙』を加えて“巨人シリーズ”4部作となるが、4作目は外伝的。
 ホーガンの作品は全体として、とにかく人間の良心に全幅の信頼が置かれている。 只の楽観主義といえなくもないが、とにかく“必ず最後に正義は勝つ”のである。 読後感がよく、最後まで安心して読める。 他に『未来の二つの顔』などがオススメ。


Bibliography

1977

Inherit the Stars

星を継ぐもの (創元SF文庫)

『星を継ぐもの』池央耿訳 創元SF文庫 1980
月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行われた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。ほとんど現代人と同じ生物であるにもかかわらず、五万年以上も前に死んでいたのだ。謎は謎を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見されたが……
星雲賞海外長編部門(1981年)受賞
⇒“My favorite 99 books”
コミック「星を継ぐもの」星野之宣/画 ビッグ コミックス
星を継ぐもの 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕) 星を継ぐもの 2 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕) 星を継ぐもの 3 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

1978

The Gentle Giants of Ganymede

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

「ガニメデの優しい巨人」 池央耿訳 創元SF文庫 1981
木星最大の衛星ガニメデで発見された二千五百万年前の宇宙船。その正体をつきとめるべく総力をあげて調査中の木星探査隊に向かって、宇宙の一角から未確認物体が急速に接近してきた。隊員たちが緊張して見守るうち、ほんの五マイル先まで近づいたそれは、小型の飛行体をくり出して探査隊の宇宙船とドッキング。やがて中から姿を現わしたのは、二千五百万年前に出発し、相対論的時差のため現代に戻ってきたガニメアンたちだった。
『星を継ぐもの』の続編。 前作では月面で発見された五万年前の人間の死体を発端に、人類の起源をめぐる謎解きがメインだったけど、本作では遺伝工学を中心にその進化の謎が明らかにされる。
 でもそんなことより面白いのは、優しい巨人=ガニメアン。 こんな宇宙人他に見たことないなあ。とても魅力的である。 それと、ガニメアンのコンピュータ“ゾラック”。 これまたいい。一家に1台是非欲しい。
 とにかく宇宙人と地球人のファーストコンタクトをここまで楽観的・理想的に描いたSFは他にないと思う。 そこが何度も読み返すほどの魅力になってるんだけど。
 ガニメアンたちはラストで地球に別れを告げ、宇宙に旅立っていきます。 最後にジーンとくるどんでん返し(かな?)あり。

The Genesis Machine

創世記機械 (創元SF文庫)

「創世記機械」 山高昭訳 創元SF文庫 1981
若き天才科学者クリフォードは、政府機関で統一場理論の研究を進めるうち、画期的な成果をあげた。物質、電磁気力、そして重力の本質を見事に解き明かしたのだ。この理論を応用すれば、宇宙のエネルギーを自由に操り、利用することが出来る。使い方によれば究極の兵器ともなり得るのだ。そこに目をつけた軍部は、ともすると反抗的なクリフォードを辞職に追いやり、独自に研究を始めた。彼は私的研究機関に移り、細々と自分の研究を続けていたのだが…
星雲賞海外長編部門(1982年)受賞


1979

The Two Faces of Tomorrow

未来の二つの顔 (創元SF文庫)

「未来の二つの顔」 山高昭訳 創元SF文庫 1983
レイモンド・ダイアー博士はニューヨーク市立大学で人工知能の研究をしていたが、月面の工事現場で起きた重大な事件のために、その研究の中断を申し渡された。コンピュータが誤った判断を下したため、五人の人間が危うく殺されるところだったのだ。人工知能研究の重要性を信じるダイアーは、コンピュータ管理システムの安全性を確かめるべく、宇宙空間に植民地として建造された巨大宇宙ステーションにおける壮大な規模のシミュレーションを提案した…。
“知能”を持ったコンピュータと人間の戦いがテーマ。 いきなり人工知能が登場するわけじゃなくて、コンピュータに“生存本能”を植え付け、これを攻撃することによって、コンピュータが推論・自己防衛をする過程で“自分以外の空間の存在”を認知し、それが“自己の認識”に到達する行程がとても興味深い。
 機械が知能を持つ過程は『造物主の掟』でも描かれているし、『内なる宇宙』でも類似の概念が用いられている。 読み比べも楽しいかも。
 まあひとことで言うならば“産みの苦しみ”といったところでしょうか(笑)。 宇宙ステーション“ヤヌス”の中で、生存本能に目覚めたコンピュータシステム“スパルタクス”と人間の壮絶な戦いが行われるわけなんだけど、そこはホーガンのこと、ラストまで安心して読めます。
コミック「未来の二つの顔」星野之宣/作画 講談社漫画文庫 2002 未来の二つの顔 (講談社漫画文庫)

1980

Thrice Upon a Time

未来からのホットライン (創元SF文庫)

「未来からのホットライン」 小隅黎訳 創元SF文庫 1983
アメリカ西海岸で技術コンサルタント事務所を開いているマードック・ロスは、スコットランドの古城に住む引退したノーベル物理学者の祖父に招聘され、友人のリーとともにイギリスへ向かった。祖父が政府の助けもなく独力でタイムマシンを完成させたというのである。半信半疑のまま地下研究所へおりたロスの前には、DEC社の大型コンピュータをはじめ、数知れぬ電子機器がもつれあった電線でつなぎ合わされていた…


1981

Giants' Star

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))

「巨人たちの星」 池央耿訳 創元SF文庫 1983
冥王星の彼方から<巨人たちの星>のガニメアンの通信が再び届きはじめた。地球を知っているガニメアンとは接触していないにもかかわらず、相手は地球人の言葉のみならず、データ伝送コードを知り尽くしている。ということは、この地球という惑星そのものが、どこかから監視されているに違いない…それも、もうかなり以前から…!!五万年前月面で死んだ男たちの謎、月が地球の衛星になった謎、ミネルヴァを離れたガニメアンたちの謎など、からまったすべての謎の糸玉がみごとに解きほぐされる。ホーガン入魂の三部作、ここに堂々完結!


1982

Voyage from Yesteryear

断絶への航海 (ハヤカワ文庫SF)

「断絶への航海」 小隅黎訳 ハヤカワ文庫SF 1984/2005
地球の半分を壊滅させた第三次世界大戦の傷もようやく癒えた2040年、アルファ・ケンタウリから通信が入った――大戦直前に出発した移民船〈クワン・イン〉が植民に適した惑星を発見、豊富な資源を利用して理想郷の建設を開始したというのだ。この朗報をうけて〈メイフラワー二世〉号が建造され、新天地を求める人々を乗せて惑星ケイロンをめざし旅立った。だが、20年の長旅の果てに一行を待ちうけていたのは、地球とはあまりにも異質な、想像を絶する奇妙なケイロン人社会だった!現代ハードSFの旗手ホーガンが該博な科学知識をべ一スに描いた壮大なスペース・ドラマ!


1983

Code of the Lifemaker

造物主(ライフメーカー)の掟 (創元SF文庫 (663-7))

「造物主の掟」 小隅黎訳 創元SF文庫 1985
およそ百万年の昔、異生の自動工場宇宙船がはからずも新星爆発を起こした星をかすめ過ぎた。その影響で電子回路に損傷を受けた宇宙船は、航空図にも載っていない衛星に自動工場を建設した。時は移って21世紀初頭、地球から放たれた無人探査機は、土星最大の衛星タイタンに着陸し、驚くべき映像を送ってきた。それは、異星船の機械が発達、進化したロボット生物の世界だった。さっそく調査のため有人宇宙船が赴くことになった。各人、各組織、各国の思惑を乗せて…。


1985

The Proteus Operation

プロテウス・オペレーション (ハヤカワ文庫SF)

「プロテウス・オペレーション」 小隅黎訳 ハヤカワ文庫SF 1987/2010
1974年、世界はかつてない暗黒時代を迎えていた。第二次大戦で圧倒的勝利を収めたナチス・ドイツが、ヨーロッパのみならず、世界の大部分を支配していたのだ。そしてナチスの魔手は、ついにアメリカ合衆国へと伸びようとしていた。アメリカにとって最後の希望は「プロテウス作戦」―過去へと精鋭部隊を送りこみ、歴史の進路を変えて、ナチスを叩き潰す作戦であった!ホーガンが迫真の筆致で描く時間テーマSF超大作。


1987

Endgame Enigma

終局のエニグマ〈上〉 (創元推理文庫)

「終局のエニグマ」 小隅黎訳 創元SF文庫 1989
ソビエトが月軌道上に建設した巨大な宇宙島。ソ連政府当局は、これこそ彼らの宇宙計画の平和的目標の象徴であると主張した。しかし、合衆国国防総省の見方は違っていた。この宇宙島には強力なX線レーザーが積み込まれているに違いない。平和目的どころか、これこそ究極の攻撃兵器なのだ。この謎を解くため、二人のエージェントが送り込まれたが…。


1988

Minds, Machines & Evolution*

1989

The Mirror Maze

ミラー・メイズ〈上〉 (創元SF文庫)

「ミラー・メイズ」 小隅黎訳 東京創元社 1991, 創元SF文庫 1995
西暦2000年の合衆国。新たな千年紀を目前に控えた大統領選。既成の二大政党を押さえて闘いを制したのは、護憲党と呼ばれる、全くの新興政党だった。政府による干渉を一切やめ、真の自由を謳う新大統領。だが一方でそんな自由を嫌うものたちもいた。選挙当日に起きた物理学者の殺害事件はほんの発端であり…。起死回生を狙って反対勢力が密かに企てる世界支配計画とは。


1991

The Infinity Gambit

インフィニティ・リミテッド〈上〉 (創元SF文庫)

「インフィニティ・リミテッド」 内田昌之訳 創元SF文庫 1997
作家という肩書きの裏で、フリーの諜報活動を続けるバーナード・ファロン。今度の依頼も、当初は第三世界にありがちな小競り合いとしか彼の目には映らなかった。ズゲンダなる独裁政府と対する共和戦線から、傭兵部隊の編成と敵の動向探査という、相次ぐ依頼…そこへ旧知の人物が突如姿を現す。われわれ「インフィニティ・リミテッド」のために両者の仕事を引き受けてほしいと。


Entoverse

内なる宇宙〈上〉 (創元SF文庫)

「内なる宇宙」 池央耿訳 東京創元社 1993, 創元SF文庫 1997
架空戦争に敗れた惑星ジェヴレン。その全土を管理/運営する超電子頭脳ジェヴェツクスは、一方で人々を架空世界浸けにし、政治宗教団体の乱立を助長していた。一指導者による惑星規模の大プロジェクトが密かに進行するなか、進退谷まった行政側は、ついに地球の旧き友、ハント博士とダンチェッカー教授に助力を求めるが…。
星雲賞海外長編部門(1994年)受賞


1992

The Multiplex Man

マルチプレックス・マン〈上〉 (創元SF文庫)

「マルチプレックス・マン」 小隅黎訳 創元SF文庫 1995
気がついた時、ジャロウは七カ月間の記憶を失っていた。知人たちのもとを訪ねるが、誰ひとり彼のことを知らない。それどころか、彼は五カ月前に死亡したのだという。では一体この自分は誰なのか。身辺に残された手がかりをたぐるうちに浮かび上がった、彼自身がキイとなる恐るべき計画とは。宇宙に人類が進出し、世界構造も再編された近未来社会に展開するハードSFサスペンス。


1993

Out of Time

時間泥棒 (創元SF文庫)

「時間泥棒」 小隅黎訳 創元SF文庫 1995
ある日、ニューヨーク市の時間がおかしくなりはじめた。全世界でもこの街でだけ、時計がどんどん遅れていくのだ。しかも街の場所ごとで遅れ方が違う。前代未聞の事態に著名物理学者が言うには「異次元世界のエイリアンが我々の時間を少しずつ盗んでいるのです」。議論は際限なく続くが、その間にも時間は本当になくなっていく。大騒動の顛末は。巨匠が贈る時間SFの新機軸。


1995

The Immortality Option

造物主(ライフメーカー)の選択 (創元SF文庫)

「造物主の選択」 小隅黎訳 創元SF文庫 1999
人類が初めて出会った異性種族は、なんと意識を持ち自己複製する機械生命だった。しかも彼らは、土星最大の衛星タイタンで文明を栄えさせ、地球の中世西欧そっくりに暮らしていたのだ。人類の派遣団との接触により、新たな社会的統合に向けて進みはじめた機械人たちだったが……最大の謎が残されていた。彼らの創造主とはいったい何物なのか?機械人たちとのコンタクトを成功させた、天下無敵の心霊術師ザンベンドルフとそのスタッフがふたたび立ち上がる!


Realtime Interrupt

cover

「仮想空間計画」 大島豊訳 創元SF文庫 1999 ISBN:4-488-66321-4 [Amazon]
科学者ジョー・コリガンは見知らぬ場所で目を覚ました。かつては極秘プロジェクトの一環でヴァーチャル・リアリティの開発に従事し、テスト段階で神経を接合し、その後、記憶を失う。計画は過去に放棄されたはずだった。ところがある女が現れ、二人ともシミュレーションの中に取り残されたままだと言う!不可測の虚構世界から脱出の道は?リアルすぎる仮想現実に挑む、本格SF


1996

Paths to Otherwhere

量子宇宙干渉機 (創元SF文庫)

「量子宇宙干渉機」 内田昌之訳 創元SF文庫 1998
世界が再び全面戦争の危機に直面した21世紀、ついに量子コンピュータは完成を見た。この世界は唯一の存在ではなく、同様に無数の世界が並行しており、それらの相互干渉によって、いかなる物事が起こるのかが決定される。国防総省の極秘プロジェクトは、その別世界に干渉することで、現実の世界危機を回避できるというが…。


1997

Bug Park

cover

「ミクロ・パーク」 内田昌之訳 創元SF文庫 2000
15歳のケヴィンとその友人は、父親の会社で工作用超小型ロボットの開発現場に足を踏み入れた。サイズが違えば物理的特性が変わる。用途が変われば新たなビジネスの機会も生まれる。裏庭のミニチュア世界で極小マシンを操り、戦闘ゲームを楽しむふたりのアイディアは、箱庭式次世代テーマパークとなりうるのか?ナノテク+仮想現実技術のハードSFサスペンス。


1998

Star Child

1999

Cradle of Saturn

cover

「揺籃の星」 内田昌之訳 創元SF文庫 2004
地球はかつて土星の衛星であった!? 土星の衛星に住むクロニア人科学者たちは、地球の科学者にとって到底受け入れがたい惑星理論を展開する。太陽系は何十億年も同じ状態を保ってきたのではない。現に今、木星から生まれた小惑星のアテナは突如彗星と化し、地球を襲おうとしているのだと。物議を醸したヴェリコフスキー理論を大胆に応用、宇宙の謎に迫るハードSF新三部作開幕。


Outward Bound
Rockets, Redheads & Revolution*

2000

The Legend that was Earth

2001

Martian Knightlife

2003

The Anguished Dawn

黎明の星 上 (創元SF文庫 ホ 1-25)

「黎明の星」 内田昌之訳 創元SF文庫 2008
木星から分離した小天体とのニアミスで、地球は地軸が傾き、大陸の形も変貌する大災厄に見舞われた。脱出に成功したほんのわずかな地球人は、かつて地球を離れ、土星の衛星群で独自の科学文明を発展させていたクロニア人に救出される。いまやそこだけが人類文明の拠点となった。そして数年が経過し、彼らは災厄後の地球へ調査に赴くが…。『揺籃の星』に続く入魂の巨編登場。


2005

Mission to Minerva
Catastrophes, Chaos & Convolutions*

2007

Echoes of an Alien Sky

2008

Moon Flower

2010

Migration


Web Links

  1. オフィシャルサイト
  2. ウィキペディア
  3. Internet Speculative Fiction Database