ロバート・A・ハインライン『夏への扉』

My favorite 99 books

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

『夏への扉』
福島正美訳 ハヤカワ文庫SF 1979
ぼくの飼っている猫のピートは,冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にたくさんあるドアのどれかが夏に通じると信じているのだ。1970年12月3日,このぼくもまた夏への扉を探していた。最愛の恋人には裏切られ,仕事は取りあげられ,生命から二番目に大事な発明さえ騙し取られてしまったぼくの心は,12月の空同様に凍てついていたのだ!そんなぼくの心を冷凍睡眠保険がとらえたのだが……
 大宇宙を舞台にした壮大な活劇ではない。 全人類を巻き込む事件でも国家存亡にかかわる事件でもなく、ありがちな裏切りと(ささやかな)復讐と本当の恋人を探す旅のお話である。 テーマとしては分かりづらいタイムパラドックスものだし、主人公もどちらかというとパッとしない朴訥な中年である。 でもこの作品はエンターテインメントして文句なく面白い。 各種読者アンケートで必ずといっていいほど第一位に鎮座するベスト・オブ・SFである。
 「この本を読むと元気になれる」という書評をどこかで読んだ気がする。 まさにその通り。 千尋の谷だろうが奈落の底だろうが、人はがんばればそこから這い上がって幸せをつかむことができる。 そんな希望を目の前に置いてくれる作品である。 でも一番の泣かし処を持っていくのは、もの言わぬ猫。 猫のピートが喉を鳴らしてベッドの上に飛びおりるシーン,僕は泣いてしまう。 猫好きの人は問答無用、読むべし。


Biography

Bibliography

1947

Rocket Ship Galileo

宇宙船ガリレオ号 (創元SF文庫 (618-11))

「宇宙船ガリレオ号」山田順子訳 創元推理文庫 1992
今日もロケット・テストは失敗だった。ロス、アート、モーリーのハイスクール生三人は無惨な自家製ロケットの残骸をみつめて途方にくれるばかり。だが今回の事故は、予想もしない人物との出会いをもたらしてくれた。カーグレーブス博士、世界的な原子物理学者だ。博士は三人に、夢を分かちあおうともちかける。四人で月へ行かないか。――かくして人類初、はるか三十八万キロの彼方めざして四人の旅は始まった。ロケットの名は〈ガリレオ号〉……!“ミスターSF”ハインラインの、偉大なるキャリアの出発点となった歴史的長編、完訳決定版!
「宇宙船ガリレオ号」塩谷太郎訳 講談社(少年少女世界科学冒険全集1) 1956
「宇宙船ガリレオ号」土居耕訳 講談社(少年少女世界科学名作全集4) 1961
Movie「月世界征服」Destination Moon, 1950(米)
監督:アービング・ピシェル、脚本:ロバート・A・ハインライン、リップ・バン・ロンケル,ジェームズ・オハンロン、出演:ジョン・アーチャー、ウォーナー・アンダーソン、トム・パワーズ
アカデミー特撮効果賞受賞

1948

Beyond This Horizon
「未知の地平線」川口正吉訳 ハヤカワSFシリーズ 1965
「未知の地平線」斉藤伯好訳 ハヤカワ文庫SF 1986
時は23世紀。遺伝子操作が可能となり、すべての病苦は克服され、人々は自由を享楽していた。だが、このユートピアのような地球社会に、反逆をいどむ集団があった。自らを〈生き残りクラブ〉と称するかれらの目的は、より機能的な社会をつくりあげること。四世代以上にわたる遺伝子操作の結果生まれたエリート種の一人でありながら、現状にあきたらぬ若者ハミルトン・フェリクスは、しだいにその運動に巻きこまれてゆくが…巨匠ハインラインが、遺伝子操作の問題に深く切りこみ、ありうべき近未来社会の姿をリアルにかつヴィヴィッドに描きあげた、記念すべき長篇第一作!

Space Cadet
「栄光のスペース・アカデミー」矢野徹訳 ハヤカワ文庫SF 1987
太陽系文明の守護者にして、自由の戦士―それが、太陽系パトロール隊だ!オイスター・ホワイトの制服に身を包んだパトロール隊士官は、ぼくらの憧れのまと。そう、ぼく、マット・ダッドソンもパトロール隊士官を夢見て、士官学校に入学したのだ。サンタバーバラ・フィールド基地にあるヘイワース・ホールでの厳粛な宣誓式のあと、士官候補生となったぼくは、地球軌道上の練習船ランドルフ号へと向かった。だがそこで待ちうけていたのは、信じられないほどの苛酷な訓練だった…巨匠ハインラインが宇宙に乗りだした若者の友情と冒険の日々を鮮やかに描く傑作宇宙SF!

1949

Red Planet

cover

「レッド・プラネット」山田順子訳 創元推理文庫 1985
火星カンパニーは、火星入植者たちの実情を無視して、強引な植民計画を立案した。これが実施されれば、多数の死者が出ることはまちがいない。偶然このたくらみを知ったジムとフランクは、計画を阻止せんものと奔走した。が、カンパニーの対応は早く、彼らは学校の建物に追い込まれ、包囲されてしまった。ハインラインの名作。
「赤い惑星の少年」塩谷太郎訳 講談社(世界の科学名作6) 1965/講談社(少年少女世界科学冒険全集7) 1956/講談社(少年少女世界科学名作全集9) 1961

Sixth Column

1950

Farmer in the Sky
「ガニメデの少年」矢野徹訳 ハヤカワ文庫SF 1987
木星の第3衛星ガニメデ―太陽系最大の衛星に、いま、人類の本格的な植民がはじまる。宇宙船メイフラワー号にガニメデ植民団の一員として乗船したビル・ラーマーは、期待と興奮で胸がいっぱいだった。人口過密と食糧危機にあえぐ地球にとって、ガニメデ植民はその唯一の解決策なのだ。だがメイフラワー号の6千人もの植民団を一度に受け入れるには、ガニメデ植民地はあまりに小さすぎた。ビルの思惑に反してガニメデでの生活は、まず自分の土地を獲得することからはじまった…。ガニメデの厳しい自然環境を舞台に、1人の多感な少年の成長を瑞々しく描きあげる傑作SF!

The Man Who Sold the Moon*
「月を売った男」井上一夫訳 創元推理文庫 1964
有人ロケットの月世界到着を目前にして一攫千金を狙う企業家が、その日を月に向けた場合、いかなる事態が発生するだろうか? 月における土地所有権、ウラニウムやダイヤモンド鉱の採掘権をはじめ、月にひそむ経済価値は、投機と先物買の対象となって全世界を震憾する――傑作中編「月を売った男」その続編「鎮魂歌」以下、人間の生命を測定する装置を発明した男の運命、無熱光の開発により生じるエネルギー革命の話等、全五編を収録する。ハインラインの雄大な“未来史シリーズ”のトップを飾る名編揃い

Waldo and Magic, Inc.*
「魔法株式会社」冬川 亘訳 ハヤカワ文庫SF 1982
建築業を営むアーチボルトか店へ出かけていくと、店内はめちゃくちゃに荒らされていた。まるで泥棒、火事、そして洪水の三つに同時に襲われたようなありさま。魔術で呼びたされた精霊のしわざだ! 地の精が大地から掘りだされたものを運び去り、サラマンダーが可燃物を燃やし、水の精がセメントや石灰を駄目にしていったのだ。だが魔術でやられたものは魔術でもとに戻せる。さっそく町でも評判の魔法使いに店の復元を依頼したか……!? 表題作のほか自由軌道上にある無重力の家で、地球上の工業界を牛耳る天才的な発明王の活躍を軽快に描きだした中篇「ウォルドウ」を収録

1951

The Puppet Masters

人形つかい (ハヤカワ文庫SF)

「人形つかい」石川信夫訳 元々社 1956
福島正実訳 早川書房(世界SF全集12) 1971/ハヤカワ文庫SF 1976
アイオワ州に未確認飛行物体が着陸した。その調査におもむいた捜査官六名は行方不明になってしまった。そこで、秘密捜査官サムとその上司、そして赤毛の美人捜査官メアリは、真相究明のため現地に向かう。やがて、驚くべき事態が判明した。アイオワ州の住民のほとんどは、宇宙からやってきたナメクジ状の寄生生物にとりつかれていたのだ。人間を思いのままに操る恐るべき侵略者と戦うサムたちの活躍を描く、傑作冒険SF。

Between Planets

cover

「栄光の星のもとに」鎌田三平訳 創元SF文庫 1994
金星植民地と地球連邦との間には火種がくすぶっていた。地球の国籍をもたないドンは、いち早く地球を離れ、中立地帯となる火星へ向かう。だが時すでに遅し、彼が到着した乗換えステーションを金星軍が攻略、ここに独立戦争の火蓋は切られた。ドンは金星に足どめされ、戦渦の中で生きのびる道を探し求める。しかも彼は、地球の治安警察にマークされつづけていた…いったい何故。
「宇宙戦争」塩谷太郎訳 講談社(世界の科学名作10) 1965/講談社(少年少女世界科学冒険全集25) 1957

The Green Hills of Earth*
「地球の緑の丘」石川信夫訳 元々社 1957
「地球の緑の丘」田中融二他訳 ハヤカワSFシリーズ 1962
→“The Past through Tomorrow”

1952

The Rolling Stones

cover

「宇宙の呼び声」福島正実訳 角川文庫 1976
「宇宙の呼び声」森下弓子訳 創元推理文庫 1990
カスとポルは15歳。発明の天才にして商売上手、ルナ・シティでは有名な〈悪たれ双子〉だ。今回の宇宙旅行でも、何やら大儲けを企んでいるようだ。父親のストーン氏は不安だった。双子だけではない。祖母も母親も姉も末の弟も、いずれ劣らぬ要注意人物なのだ。ただではすみそうにない…かくして、ストーン一家を乗せた〈ローリングストーン〉号は、波瀾含みの宇宙へ旅立った。

1953

Starman Jones
「スターマン・ジョーンズ」矢野徹訳 ハヤカワ文庫 1979
伯父はジョーンズを航宙士ギルドに推薦していなかった。生前の伯父は、彼に航宙士になるための知識をいろいろと話してくれていたのに!地球上の主な職業は、世襲制ギルドによって独占されており、宇宙船乗りになるためには、航宙士ギルドに登録されていなければならなかったのだ。航宙士になる夢を捨てきれぬ農夫ジョーンズは身分と経歴を偽って、船底甲板給仕として浮浪者サムとともに、恒星間貨物客船《アスガルド》に乗りこんだが……与えられた運命に流されることなく、おのれの道を力強く切り開いていく青年の成長を、巨匠ハインラインがいきいきと描いた傑作長篇!

Revolt in 2100*
「百五十年後の革命」南井慶二訳 元々社 1956
→“The Past through Tomorrow”

Assignment in Eternity*
「失われた遺産」矢野徹・田中融二訳 ハヤカワ文庫 1982
ジョーンは驚くべき能力を身につけた。読心能力はもとより、コンビュータ顔負けの記憶能力や演算能カ、はては透視能力までも……すべて、これまでの医学埋論ではただの夢物語とされていたものである。しかもジョーンは、大学教授フィルとベンとともに、その能力を理論的に開発したのだ。だが、その理論を公表しようとしたときから、三人は恐るべき運命の渦中へとまきこまれていく……! 表題作のほか、異次元へ自由に移動できるようになった教授と学生たちの奇妙な冒険を軽快に描く「時を越えて」など、アメリカSF界の巨匠ハインラインの四中短篇を収録する傑作集第一弾

1954

The Star Beast

cover

「宇宙怪獣ラモックス」福島正実訳 岩崎書店(エスエフ少年文庫11) 1971/角川文庫 1976/岩崎書店(SFロマン文庫) 1986/岩崎書店(SF名作コレクション) 2005
「ラモックス -ザ・スタービースト」大森訳 創元推理文庫 1987
スチュアート家のペットは、ばかでかい宇宙怪獣だった。その名もラモックス。ある日、彼は飼い主のジョン・トマスの留守をいいことにつまみぐいにでかけるが…。初めて目にする怪物の姿に、街はたちまち一大パニック。おちゃめでとぼけたラモックスと、ジョン・トマスが巻き起こす大騒動の頴末は?ハインラインの傑作ユーモアSF、待望の完訳。

1955

Tunnel in the Sky

cover

「ルナ・ゲートの彼方」森下弓子訳 創元推理文庫 1989
恒星間ゲートを利用して未知の惑星に志願者を送りこみ、回収の時まで無事生きのびていられたら合格。これが上級サバイバル・テストだ。よし、やるぞ!ハイスクール生徒のロッドは、両親の猛反対を押しきって、クラスメイトたちとともにゲートをくぐった。事故で回収が不可能になることなど、露ほども知らずに…。ロッドの長い戦いが始まった。

1956

Double Star

cover

「太陽系帝国の危機」井上勇訳 創元推理文庫 1964
「ダブル・スター」森下弓子訳 創元SF文庫 1994
21世紀を通じてもっとも偉大な政治家が火星で行方不明となり、ここに全太陽系帝国は崩壊の危機にさらされることになった。一杯のウィスキーに釣られた失業俳優ロレンゾは、地球から誘拐されて火星に連れこまれる。目的は――行方不明となった最高大臣の替え玉となり太陽系帝国の危機を救うことにある。だが、もし火星人がその事実を知ったならば、彼の生命はない。大宇宙を舞台に展開するスリル満点の政治闘争。ヒューゴー賞受賞の栄に輝くハインラインの代表作!
ヒューゴー賞長篇部門(1956年)受賞

Time for the Stars

cover

「宇宙に旅立つ時」酒匂真理子訳 創元推理文庫 1985
「宇宙に旅立つ時」片方善治訳 岩崎書店(少年少女宇宙科学冒険全集2) 1960
はるかな未来、人類は外宇宙探査のために亜光速宇宙船を送り出そうとしていた。莫大な距離をへだてた宇宙船と地球を結ぶ通信手段としては、テレパシーが理想的だ。そこで白羽の矢が立ったのが、ぼくとパットの双子の兄弟だった。夢見ていた恒星間旅行ができる。危険をかえりみず、ぼくたちふたりは喜んで訓練に参加した……。

1957

The Door into Summer

夏への扉[新訳版]

「未来への旅」福島正実訳 講談社(世界の科学名作13) 1965
「夏への扉」加藤喬訳 講談社 1958/ハヤカワSFシリーズ 1958
「夏への扉」福島正実訳 早川書房(世界SF全集) 1971/ハヤカワ文庫SF 1979
⇒“My favorite 99 books”
「夏への扉 [新訳版]」小尾芙佐訳 早川書房 2009
野田昌宏『SFを極めろ! この50冊』

Citizen of the Galaxy

銀河市民 (ハヤカワ名作セレクション ハヤカワ文庫SF)

「銀河市民」野田昌宏訳 立風書房 1969/ハヤカワ文庫SF 1972
太陽系を遠く離れた惑星サーゴンでは、およそ時代おくれな奴隷市場が開かれていた。薄汚れ、やせこけた、生傷だらけの少年ソービーを買いとったのは、老乞食バスリムだった。だが、ただの乞食とは思えぬ人格と知性を持ち、ときおり奇怪な行動を見せるバスリムとは何者?銀河文明のかげでめぐらされる陰謀と自分の出自を探るべく、ソービーは人類発祥の星である地球へと向かうが…広大な銀河を舞台に描く傑作冒険SF。

1958

Methuselah's Children

メトセラの子ら (ハヤカワ文庫 SF 181)

「メトセラの子ら」矢野徹訳 ハヤカワSFシリーズ 1963/ハヤカワ文庫SF 1976
医学がどれほど発達しようと、人間にとって決して逃れられぬ運命――死をまぬがれた人々がいた。しかも、その不死性は何ら意図的なものではない。死をもたらすと同じように運命が彼らから死をとりあげ、不死の遺伝子を与えたのだ。だが、ひとたびそうした“長命族”の存在が普通人に知られた時、全世界はねたみと憎悪のるつぼと化した。そして、“長命族”は対立を避ける唯一の道、大宇宙への恒星間飛行へと旅立つのだった! たえずSF界の話題を独占しつづけてきた巨匠ハインラインが、ライフワークとして取り組んでいる意欲的未来ドラマ・シリーズの劈頭をなす問題作!

Have Spacesuit - Will Travel

大宇宙の少年 (創元SF文庫 ハ 1-7)

「スターファイター」矢野徹・吉川秀実訳 創元推理文庫 1986
宇宙飛行士になることを夢見るぼくは、宇宙旅行が賞品となった懸賞に応募、1等賞はのがしたもののみごと入選し、中古ではあるが本物の宇宙服を手に入れた。さっそく修理して着用におよぶ……そのとき、宇宙服の通信装置に聞きなれない声が入ってきた。着陸許可を求めているらしい。いったい誰が、なんの目的で?ハインラインの代表的名作SF。
「大宇宙の少年」矢野徹・吉川秀実訳 創元SF文庫 2008

1959

Starship Troopers

宇宙の戦士 (ハヤカワ文庫 SF (230))

「宇宙の戦士」矢野徹訳 ハヤカワSFシリーズ 1967/ハヤカワ文庫SF 1979
単身戦車部隊を撃破する破壊力を秘め、敵惑星の心臓部を急襲する恐るべき宇宙の戦士、機動歩兵。少年ジョニーが配属されたのはこの宇宙最強の兵科だった。彼の前には一人前の戦士となるための地獄の訓練が待ち受けている……いつしかジョニーは、異星人のまっただ中へ殴り込み降下をかける鋼鉄の男に成長していた!未来の苛烈な宇宙戦を迫真の筆致であますところなく描き出し、ヒューゴー賞に輝いた巨匠の問題長篇!
ヒューゴー賞長篇部門(1960年)受賞
Movie「スターシップ・トゥルーパーズ」Starship Troopers, 1997(米)
監督:ポール・バーホーベン、脚本:エド・ニューマイヤー、出演:キャスパー・ヴァン・ディエン、ディナ・メイヤー、デニス・リチャード

The Unpleasant Profession of Jonathan Hoag*
「輪廻の蛇」矢野徹ほか訳 ハヤカワ文庫 1982
輪廻の蛇――自分の尻尾を無限に呑みつづけるギリシャ神話の蛇のようにめぐりめぐる時間の輪。その中を駆けめぐる航時局員の活躍は……タイム・パラドックスものの傑作として名高い表題作のほか、自分の職業が何なのかわからず自らの尾行を依頼してきたホーグ氏の行動を探るうち、思いもよらぬ事件にまきこまれてしまう私立探偵夫婦の冒険譚「ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業」、生きているつむじ風をめぐってまき起こる大騒ぎをユーモラスに描きだす「わが美しき町」、トポロジーものの代表作「歪んだ家」などアメリカSF界の巨匠の六中短篇を収録する傑作集第二弾!

The Menace from Earth*
「時の門」福島正実ほか訳 ハヤカワSFシリーズ 1965/ハヤカワ文庫 1985
どこから入ってきたんだ、こいつは! 自分一人しかいないはずの部屋に突然現れた一人の男――その男はウィルスンに思いもかけない提案をした……タイム・パラドックス・テーマの不朽の名作といわれる表題作「時の門」をはじめ、突然公衆の面前で若い女性がストリップをはじめたり、痴呆めいた新興宗教が流行したりと、あらゆる奇妙な現象がとどまるところをしらず増大し、やがて……「大当りの年」、地球から来た美人に恋人を奪われそうになった月っ子の物語「地球の脅威」など、巨匠ハインラインならではのセンス・オブ・ワンダーに満ちた傑作、名作7中短篇を収録!

1960

Lost Legacy*

1961

Stranger in a Strange Land

cover

「異星の客」井上一夫訳 創元推理文庫 1969
宇宙船ヴィクトリア号で帰った“火星からきた男”は、第一次火星探検船で火星で生まれ、ただひとり生残った地球人だった。世界連邦の法律によると、火星は彼のものである。この宇宙の孤児をめぐって攻治の波が押しよせる。しかし、“火星からきた男”には地球人とは違う思考があり、さらに地球人にはないカがあった。“火星からきた男”は地球をゆるがせてゆく……老熟の境にはいったハインラインがその思想と情熱、世界観のすべてを注ぎこんだ波欄に富む超大作。
ヒューゴー賞長篇部門(1962年)受賞

1963

Glory Road
「栄光の道」矢野徹訳 ハヤカワ文庫SF 1979
《あなたは臆病者ですか? ではあなたに用はありません。われわれは勇敢な男性を必要としているのです。あらゆる武器に熟達、不撓不屈の勇気、顔形はハンサムなこと。永久雇傭、非常に高給、輝く冒険、大きな危険!》ふと手にした新聞にこんな広告が載っていたとしたら、あなたならどうしますか? バカバカしいと放りなげる? それとも……。そう、われらが主人公オスカー・ゴードンは、この広告に応募したのである! そして時空を超える冒険の旅へ――栄光の道へと旅立ったのだ、右手には剣を、左手には〈二十の宇宙〉をあまねく支配する絶世の美女アスターを伴って……

Orphans of the Sky
「宇宙の孤児」矢野徹訳 ハヤカワSFシリーズ 1965/ハヤカワ文庫 1978
人々は、森、農場、廃墟、迷路などがある〈船〉が世界のすべてと信じて、種族ごとに生活を営んでいた。だが、この〈船〉は、遠い昔に人類がはじめて送り出した恒星間宇宙船だったのだ! 航行途上の反乱で航宙士のほとんどが死に絶え、長い年月のうちに〈船〉は中世的迷信の世界に変貌してしまっていた。しかし、ある日、一人の若者が〈船〉の中を探険しはじめ、真相を明らかにしようとするが……壮大無比な宇宙SF!

Podkayne of Mars

天翔る少女【新訳版】 (創元SF文庫)

「天翔る少女」中村能三訳 創元推理文庫 1971
「天翔る少女」赤尾秀子訳 創元SF文庫 2011
火星年齢8歳(地球年齢15歳)のポディは、女性宇宙船船長を夢見る火星生まれの少女。思わぬ事件のおかげで豪華客船に招待され、反社会的な天才児の弟クラークと、何をしているのかわからない政治家の大おじトムと共に、憧れの金星経由・地球行きの旅に出た。けれどこの旅行には最初から不穏な空気が漂っていた。弟が何やら企んでいるらしい……。ポディを待ち受ける衝撃的な結末!

1964

Farnham's Freehold

自由未来 (ハヤカワ文庫 SF 509)

「自由未来」浅倉久志訳 ハヤカワSFシリーズ 1967/ハヤカワ文庫SF 1983
その夜のファーナム家は、のどかで平和な夜を過ごしていた。ファーナム夫妻、息子、娘、娘の友人、そしてハウスボーイまでが楽しい夜の語らいに、トランプに興じていた……ラジオが突然、第三次世界大戦勃発を報じるまでは! 地下の堅牢なシェルターに全員が非難した一瞬後、シェルターは荒波にもまれる船のように揺れ動き、温度は急上昇した。水爆が爆発したのだ! だが、ファーナム家の人々はかろうじて生き残った。やがてシェルターからでたとき、彼らが目にしたのは、死の灰にまみれた廃墟ではなく、思いもかけぬ世界だった……巨匠ハインラインが描く恐るべき世界!

1966

The Moon is a Harsh Mistress

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 1748)

「月は無慈悲な夜の女王」矢野徹訳 ハヤカワSFシリーズ 1969/ハヤカワSF文庫 1976
「月は無慈悲な夜の女王」牧眞司訳 ハヤカワSF文庫 2010
2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した!流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取されつづけてきた。革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニーと、自意識を持つ巨大コンピュータのマイク。だが、一隻の宇宙船も、一発のミサイルも持たぬ月世界人が、強大な地球に立ち向かうためには…ヒューゴー賞受賞に輝くハインライン渾身の傑作SF巨篇。
ヒューゴー賞長篇部門(1967年)受賞

1967

The Past Through Tomorrow*

デリラと宇宙野郎たち (ハヤカワ文庫 SF―未来史1)

「デリラと宇宙野郎たち《未来史1》」矢野徹訳 ハヤカワ文庫 1986
月へ行くことにとり憑かれた男デロス・D・ハリマンが、月探険計画を推し進めるために打った、一世一代の大博打――それは月を売ることだった!? 月開発をめぐって繰り広げられる悲喜劇を軸に、一人の男の真摯な生き方を描く「月を売った男」はじめ、宇宙ステーション建設に携わる宇宙の荒くれ男たちが直面したとんでもない事件をユーモラスに綴る表題作「デリラと宇宙野郎たち」、原子力発電所が抱える今日的恐怖を鋭い問題意識で浮彫りにした「爆発のとき」など、透徹した洞察力と確固たる史観をもって築きあげられた〈未来史〉シリーズの根幹をなす中短篇5篇を収録!
「地球の緑の丘《未来史2》」矢野徹訳 ハヤカワSF文庫 1986
盲目の吟遊詩人ライスリングが歌う「地球の緑の丘」の調べは、宇宙を行くものすべての上に、せつせつたる望郷の念を呼び起こすのだった……人類の、緑なす地球への思いをあますことなく描ききり、名作の誉れ高い表題作をはじめ、“月を売った男”デロス・D・ハリマンの後日譚「鎮魂曲」、事故のため高所恐怖症に陥った宇宙パイロットと可愛い子猫の物語「宇宙での試練」そして、スゴ腕の便利屋集団の活躍をユーモラスに描く「犬の散歩も引き受けます」など、宇宙に進出しはじめた人類の夢と希望と冒険を、瑞々しいタッチで綴る、ハインライン中期の傑作中短篇十一篇を収録!
「動乱2100《未来史3》」矢野徹訳 ハヤカワSF文庫 1986
アメリカ合衆国全体が、一人の予言者による専制政治下にあえぐ近未来。惑星間旅行は中断され、きびしい検閲制度のもと、社会は予言者とその側近にいいように操られていた。しかし、自由を求める人々は、カバル党という地下組織を作っていたのだ。なんとしても、この欺瞞に満ちた宗教専制政治を打破し、個人の権利が保証される社会をうちたてなければならない! だが……革命勢力と反革命勢力との激突を、ハインラインらしい厳密な構成で描く「もしこのまま続けば」、ミスター計算機ことアンディ・リビイが自分の才能にはじめて気がつくことになる「不適格」ほか一篇を収録。

1968

Vortice Nero*

1970

I Will Fear No Evil

悪徳なんかこわくない 上 (ハヤカワ文庫 SF ハ 1-6)

「悪徳なんかこわくない」矢野徹訳 ハヤカワ文庫 1977
ヨハン・セバスチャン・バッハ・スミスは老齢のために死にかけていた。だが、死ぬことはできなかった。雪だるま式に増えつづける巨万の富が、彼を無理矢理にも生きながらえさせてしまう。そして、この運命に反逆するスミスは、勝てる見込みが皆無に近い、いちかばちかの賭け――若者の肉体への脳移植という手段に出たのだ。死線を彷徨する意識はやがて目覚め、再び溌剌とした肉体を手に入れたことを知る。しかしその手術は、若さと同時に思いもかけぬ体験を彼にさせるのだった!SF界の巨人ハインラインが、異様な設定によって大胆に性と死とに肉薄する問題長篇ついに登場!
星雲賞海外長編部門(1978年)受賞

1973

Time Enough for Love

愛に時間を (1) (ハヤカワ文庫 SF (581))

「愛に時間を」矢野徹訳 早川書房(海外SFノヴェルズ) 1978/ハヤカワ文庫 1984
4000年以上の時を生き、死のほかはすべて体験してしまった男、ラザルス・ロング。彼はいま、惑星セカンダスの安宿でひっそりと死を迎えようとしていた。だが、銀河に散らばる人類の多くはラザルス・ロングの子孫なのだ。惑星セカンダスの権力を握る者たちもまた例外ではない。発見された彼はすぐさま病院に収容され、軟禁同様の生活を送る破目に。そこで彼は一計を案じ子孫たちにひとつの要求をつきつけた。ラザルス・ロングの波乱に満ちた人生でも、まだ体験してないことを捜せと……巨匠ハインラインが、30年の歳月の後に構想も新たに書き下ろした未来史シリーズ最新作! 

1979

Destination Moon*

1980

The Number of the Beast
「獣の数字」矢野徹訳 早川書房(海外SFノヴェルズ) 1984/ハヤカワSF文庫 1993
「あたしのパパが作ったタイム・マシンを見てくださる?」―ぼくの決死のプロポーズに、彼女は笑ってそう答えた。だがそれは単なるタイム・マシンではなく―。多元宇宙を自在に往来できる連続体飛行機だった。この画期的発明を狙う謎の異星人に新婚早々殺されかけたぼくらは、この飛行機を駆って時空を超えた逃避行へと旅立ったのだが…。円熟期を迎えたハインラインの力作長篇、待望の文庫化第一弾。全三巻完結。

Expanded Universe*

1982

Friday
「フライデイ」矢野徹訳 早川書房(海外SFノヴェルズ) 1984/ハヤカワ文庫SF 1994
あたしの名前はフライデイ。職業は戦闘伝書使―秘密文書を正確かつ迅速に運ぶのが任務。でも、この仕事は危険がいっぱい。先日も謎の武装集団に捕えられ、手ひどい拷問を受けたばかりだ。はやく休暇を取って、ニュージーランドに住む3人の夫のもとに帰りたい。だけど、彼らはどう思うだろう。あたしが遺伝子操作で作られた人工人間だと知ったら…ハインラインの著作中、最も魅力的なヒロインが活躍する傑作長篇。

1984

Job: A Comedy of Justice

ヨブ (ハヤカワ文庫SF)

「ヨブ」斉藤伯好訳 早川書房(海外SFノヴェルズ) 1986/ハヤカワ文庫SF 1995
いったい何が起こったんだ。平凡な牧師アレックスは動顛した。南の島で火渡りに挑戦して意識を失い―目覚めると、世界が一変していたのだ。名前はアレックに、乗っていた機船は汽船に変わっている。客室係は初めて見る美女で、なんと彼の恋人だという。だがこれは、際限なく続く次元転換のほんの始まりにすぎなかった…聖書ヨブ記に材を取り、混線次元をさまよう男の冒険をコミカルに描く、ハインラインの話題作。
ローカス賞ファンタジイ長篇部門(1985年)受賞

1985

The Cat Who Walks Through Walls

cover

「ウロボロス・サークル」矢野徹訳 早川書房(海外SFノヴェルズ) 1988/ハヤカワ文庫SF 1996
宇宙居留地ゴールデン・ルールで気ままに暮らしていたおれは、ある日見知らぬ男から人殺しを依頼された。だが詳しい説明を受ける間もなく、男は目の前で射殺されてしまった。新婚の妻グエンと共に真相究明に乗り出したおれだが、逆に覚えもない殺人の容疑をかけられて逃げまわる羽目に…いったい誰がおれを罠にかけたのか。宇宙居留地から月世界、並行世界にまで舞台を移しながら、スピーディーに展開する冒険巨篇。

1987

To Sail Beyond the Sunset

cover

「落日の彼方に向けて」矢野徹訳 早川書房(海外SFノヴェルズ) 1990/ハヤカワ文庫SF 1997
目覚めると、ベッドには見知らぬ男の死体が。そして自分のいるのがどこで、いつの時代なのかさっぱりわからない。いったい何が起こったのだろう…。わたしはモーリン・ジョンソン・ロング。長命族の指導者ラザルス・ロングの母であり、その共同妻。植民星テラス・ターシャスにやってきてからというもの、自分の子孫に囲まれて優雅な生活を送っていたのに、昨夜からの記憶がない。わたしは必死になって記憶を探るが…。



Web Links

  1. site:RAH
  2. ウィキペディア
  3. Internet Speculative Fiction Database