福井晴敏『テアトル東向島アカデミー賞』

My favorite 99 books

テアトル東向島アカデミー賞 (集英社文庫)

『テアトル東向島アカデミー賞』
集英社文庫 2007
「テアトル東向島アカデミー賞」それは著者の脳内で毎年行われる妄想映画祭。受賞作は血をかきたてる爆発アクション、スペクタクルが中心で、使用された火薬量とアドレナリン分泌量が評価の重要基準となる。世の女性たちよ、この孤独な男の魂の叫びを聞け。あなたの彼氏もホントはこんな映画が大好きなのだ!なにげに渾身、人気作家が綴る怒涛の映画日記。美川べるの描き下ろしツッコミマンガ付き。
21世紀初頭(祭は2005年)の日本のアクション小説界を代表するヒットメーカー・福井晴敏氏をもってきて、数多ある超大作を差し置いて、このエッセイがチョイスするなど、怒られてしまうでしょうか?
 このサイトの“My favorite 99 books”の選定基準は、第一に「1作家1作品」であります。 この縛りがなければ、“海外ミステリの11冊”と並列で“アガサ・クリスティの11冊”とか、僕はやりかねません。 それでは面白くなかろうと。
 第二の選定基準は「自分が感動した作品、そしてこの感動を他の人にも分け与えるべく、ある時はさりげなく、ある時は無理矢理にでもオススメする作品」であること、だったりします。 福井晴敏氏のヒット作品群の迫力は僕の心臓を揺さぶり、その浪花節は涙腺を刺激します。 されど、長い。 あまりにも、分厚い・冊数が多い。 友人・知人の財布の中身まで気にかけなければならないこのご時世では、気軽に薦められないのです。
 そこで、この『テアトル東向島アカデミー賞』。 内容は文句なく面白い。そんなに分厚くない。財布の心配も不要。 氏の映画観をもって、その著作の内容(使用される火薬量とアドレナリン分泌量)も推して知るべし。 好みが合うなら、自己責任と自己負担で“全○巻”の世界に突入していただければよろし。 購入予算が氏の著作ではなく、この本で紹介された映画のDVDに向かっても、それは僕の責任ではない。
 *****
 それにしても、氏と僕の、映画観の共鳴度の強さはどうしたものか。 勇気づけられるやら、困惑するやら...。 “My favorite 99 books”が完成したら(いつだ?)、“My favorite 99 movies”に手をつけたいと考えるも、ずいぶん被りそうだな、と思う今日この頃。



Bibliography

Twelve Y. O.

Twelve Y.O. (講談社文庫)

講談社 1998/講談社文庫 2001
沖縄から米海兵隊が撤退した。それは米国防総省が、たった一人のテロリストに屈服した瞬間だった。テロリストの名は「12」。最強のコンピュータウィルス「アポトーシス2」と謎の兵器「ウルマ」を使い、米国防総省を脅迫しつづける「12」の正体は?真の目的は?圧倒的スケールの江戸川乱歩賞受賞作。
江戸川乱歩賞(1998年)受賞


亡国のイージス

亡国のイージス 上  講談社文庫

講談社 1999/講談社文庫 2002
在日米軍基地で発生した未曾有の惨事。最新のシステム護衛艦“いそかぜ”は、真相をめぐる国家間の策謀にまきこまれ暴走を始める。交わるはずのない男たちの人生が交錯し、ついに守るべき国の形を見失った“楯”が、日本にもたらす恐怖とは。日本推理作家協会賞を含む三賞を受賞した長編海洋冒険小説の傑作。
日本推理作家協会賞(2000年)受賞
亡国のイージス 1 (モーニングKC) コミック 「亡国のイージス」
横山 仁/作画 モーニングKC
亡国のイージス [DVD] 映画版 「亡国のイージス」2005
監督:阪本順治、脚本:長谷川康夫、飯田健三郎、撮影:笠松則通
出演:真田広之、寺尾聰、佐藤浩市、中井貴一、勝地涼

ターンエーガンダム

ターンAガンダム 月に繭 地には果実(上) (講談社BOX)

角川春樹事務所 2000
改題「月に繭 地には果実」幻冬舎文庫 2001/幻冬舎(単行本) 2005
改題「∀ガンダム―月に繭 地には果実」講談社 2007
行き過ぎた戦争で、壊滅寸前まで地球を傷つけた人類。生き残った人々は、ある者達は月へ逃れて地球の治癒と帰還の時を待ち、ある者達は、月の人々の存在ごと滅亡の記憶を封印した。それから2000年後。月の民の地球帰還作戦の先駆けとして地球に送り込まれた「献体」―少年・ロランは、「ターンA」の名を持つMSのパイロットとして、月と地球、双方の人類を巻き込む壮大な戦火の渦に飲み込まれていく―。『亡国のイージス』『終戦のローレライ』で日本を席巻した圧倒的才能が描ききった、文学史上最高のガンダムを目撃せよ。


川の深さは

川の深さは (講談社文庫)

講談社 2000/講談社文庫 2003
「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿い、底なしの川に引き込まれてゆく。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた地下鉄テロ事件の真相が教える、この国の暗部とは。出版界の話題を独占した必涙の処女作。


終戦のローレライ

終戦のローレライ(1) (講談社文庫)

講談社 2002/講談社文庫 2005
昭和二十年、日本が滅亡に瀕していた夏。崩壊したナチスドイツからもたらされた戦利潜水艦・伊507が、男たちの、国家の運命をねじ曲げてゆく。五島列島沖に沈む特殊兵器・ローレライとはなにか。終戦という歴史の分岐点を駆け抜けた魂の記録が、この国の現在を問い直す。第22回吉川英治文学新人賞受賞。
終戦のローレライ 1 (アフタヌーンKC) コミック 「終戦のローレライ」
虎哉孝征/作画 アフタヌーンKC
ローレライ [DVD] 映画版 「ローレライ」2005
監督:樋口真嗣、脚本:鈴木智、撮影:佐光朗
出演:役所広司、妻夫木聡、柳葉敏郎、香椎由宇、石黒賢

6ステイン

6ステイン (講談社文庫)

講談社 2004/講談社文庫 2007
愛する男を待ち続ける女、隠居した天才的スリ、タクシー運転手として働きながら機が満ちるのを待った工作員。心に傷を持ちながら、独り誇りを抱き続けた者たちの消せない染み。あきらめることを知らない6つの魂が、薄明の世界に鮮烈な軌跡を刻む。著者が織り成す切なく熱い人間讃歌、人生を戦うすべての者へ。
C-blossom(case729) (講談社文庫 ふ 59-11) コミック 「C-blossom(case729)」
霜月かよ子/作画 講談社文庫

戦国自衛隊1549

戦国自衛隊1549 (角川文庫)

角川書店 2005/角川文庫 2009
自衛隊演習場で、新兵器の実験中に暴走事故が発生。的場一佐率いる第三特別混成団が約460年前の戦国時代に飛ばされてしまう。一方、その影響と思われる虚数空間が日本各地に出現し、現代世界を侵食し始めた。的場たちを救出するため組織されたロメオ隊の一員として、救出作戦への参加を決めた元自衛官の鹿島は、タイムスリップで戦国時代へ飛ぶが、そこで待ち受けていたものとは!?圧倒的スケールで贈るSF戦国アクション。
戦国自衛隊1549 (1) (角川コミックス・エース) コミック 「戦国自衛隊1549」
Ark Performance/作画 角川コミックス・エース
戦国自衛隊1549 [DVD] 映画版 「戦国自衛隊1549」2005
監督:手塚昌明、原案:半村良、脚本:竹内清人、松浦靖、撮影:藤石修
出演:江口洋介、鈴木京香、鹿賀丈史、北村一輝、綾瀬はるか

Op.ローズダスト

Op.(オペレーション)ローズダスト〈上〉 (文春文庫)

文藝春秋 2006/文春文庫 2009
都心でネット財閥「アクトグループ」を標的とした連続爆弾テロ事件が発生した。公安の並河警部補は、防衛庁から出向した丹原三曹と調査に乗り出すが…。『亡国のイージス』『終戦のローレライ』など、読者を圧倒し続ける壮大な作品で知られる著者が、現代の東京を舞台に史上最大級のスケールで描く力作長篇。


平成関東大震災 -いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった-

平成関東大震災 いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった (講談社文庫)

講談社 2007/講談社文庫 2010
突如として起こった大地震。新宿で震災に直面した平凡なサラリーマン・西谷久太郎は、家族に会いたいが一心で大混乱に陥った首都を横断する。生きていれば必ず道は見つかる。次から次へと襲いかかる災厄を乗り越え、ついに自宅にたどり着いた西谷が手にしたものは―。実用情報も満載したシミュレーション小説。


テアトル東向島アカデミー賞

集英社文庫 2007
⇒“My favorite 99 books”

機動戦士ガンダムUC

ユニコーンの日(上)  機動戦士ガンダムUC(1) (角川文庫)

「ユニコーンの日」(上下巻)
角川書店 2007/角川文庫 2010/角川スニーカー文庫 2010
人類が、増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって一世紀。工業用スペースコロニーに住む平凡な少年バナージ・リンクスは、オードリー・バーンと名乗る謎の少女を助けたことから『ラプラスの箱』を巡る事件に巻き込まれてゆく。開放されれば地球連邦政府が転覆すると言われる『箱』の正体とは―。『亡国のイージス』『終戦のローレライ』の筆者が、かつて機動戦士ガンダムに胸躍らせた大人たちに贈る壮大なるサーガ。
機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) 1 [Blu-ray] アニメ版 「機動戦士ガンダムUC episode 1: ユニコーンの日」2010
原案:矢立肇、富野由悠季、監督:古橋一浩、脚本:むとうやすゆき
出演(声):内山昂輝、藤村歩、下野紘、戸松遥、浪川大輔

赤い彗星 機動戦士ガンダムUC(3) (角川文庫)

「赤い彗星」
角川書店 2007/角川文庫 2010/角川スニーカー文庫 2010
世界を覆す力を秘める『ラプラスの箱』を巡り、地球連邦軍と反政府組織ネオ・ジオンは交戦状態に突入した。『箱』の秘密を内包する巨人兵器“ユニコーン”を父から託されたバナージは、収容先の戦艦内でさまざまな思惑に翻弄される。そこに急襲をかける「赤い彗星シャア」の再来、フル・フロンタル。再び“ユニコーン”に乗り込んだバナージは、伝説のマシーン“ガンダム”の力を呼び覚ますことができるか。圧倒的スケールのSFスペクタル、第3弾。
機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) 2 [Blu-ray](11月10日以降のご注文分は11月16日以降のお届け) アニメ版 「機動戦士ガンダムUC episode 2: 赤い彗星」2010
原案:矢立肇、富野由悠季、監督:古橋一浩、脚本:むとうやすゆき
出演(声):内山昂輝、藤村歩、下野紘、戸松遥、浪川大輔

パラオ攻略戦 機動戦士ガンダムUC(4) (角川文庫)

「パラオ攻略戦」
角川書店 2008/角川文庫 2010/角川スニーカー文庫 2010
資源衛星“パラオ”。そこは反政府組織ネオ・ジオンの拠点であると同時に、宇宙移民政策の歪みが生み出した「虐げられた民」の生活の場でもあった。それまで敵としか捉えられなかった人々と心を通わせ、少しずつ現実を見る目を養ってゆくバナージ。だが『ラプラスの箱』の奪還を目論む連邦政府は、“パラオ”に無謀とも言える攻略戦を仕掛けつつあり―。SF文学の新たな可能性、慟哭の第4弾。

ラプラスの亡霊 機動戦士ガンダムUC(5) (角川文庫)

「ラプラスの亡霊」
角川書店 2008/角川文庫 2010/角川スニーカー文庫 2010
宇宙と地球の狭間に建設された首相官邸「ラプラス」。西暦を捨て、宇宙世紀に足を踏み入れた人類を祝福する場となるはずだったそこは、反動分子の爆破テロによって無残に破壊された。それから百年、「ラプラス」の残骸に秘められた「禁忌の力」をめぐり、赤い彗星シャアの再来が、伝説のマシーン「ガンダム」が翔ぶ。人は、宇宙にまで持ち越された己が原罪を贖うことができるのか―。文壇の気鋭が放つSF巨編、緊迫の第5弾。
機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) [Mobile Suit Gundam UC] 3 [Blu-ray] アニメ版 「機動戦士ガンダムUC episode 3: ラプラスの亡霊」2010
原案:矢立肇、富野由悠季、監督:古橋一浩、脚本:むとうやすゆき
出演(声):内山昂輝、藤村歩、甲斐田裕子、浪川大輔

重力の井戸の底で 機動戦士ガンダムUC(6) (角川文庫)

「重力の井戸の底で」
角川書店 2008/角川文庫 2010/角川スニーカー文庫 2010
重力の井戸―それは、宇宙に棄てられた民が母なる地球を指して言う言葉。敵対するネオ・ジオンとともに地球に落ちたバナージは、過酷な砂漠越えの中で自然と対立し続けてきた人間の業を体感する。一方、ネオ・ジオンと共闘するイスラム系反政府組織は、連邦政府首都への襲撃を計画。白人社会への積年の怨讐が巨大殺戮マシーンの暴走を呼び、街は炎の海と化す。宗教、格差社会…混迷する現代を映し出すSF巨編、第6弾。

黒いユニコーン 機動戦士ガンダムUC(7) (角川文庫 ふ 24-56 機動戦士ガンダムUC 7)

「黒いユニコーン」
角川書店 2008/角川文庫 2010/角川スニーカー文庫 2010
連邦政府首都ダカールでの死闘の末、バナージの前に立ちはだかった新たな敵。それは“ユニコーン”と酷似した“黒いガンダム”だった。『ラプラスの箱』をめぐる争いが沸点を迎える中、それぞれの思いに従って戦場を駆ける男たち、女たち。彼らの眼前で二機のガンダムが激突した時、未知の強大なエネルギーが膨れ上がり、世界の界面を揺らすかのように空を覆った―。いよいよその真価を露にするSF巨編、クライマックス第7弾。

宇宙と惑星と 機動戦士ガンダムUC(8) (角川文庫)

「宇宙と惑星と」
角川書店 2009/角川文庫 2011/角川スニーカー文庫 2011
数奇な運命に操られ、ひとつ艦で生き死にを共にすることになった連邦軍と反政府組織ネオ・ジオンの兵士たち。『ラプラスの箱』の謎を解くべく、協力して探索に乗り出したものの、拭いきれない疑念と恩讐が最悪の事態を呼び込んでしまう。「現実」は決して乗り越えられない壁なのか。一縷の希望に賭け、(ユニコーンガンダム)が裏切りの宇宙を翔ぶ―。“人の善意と可能性”を問う壮大なるSFサーガ、いよいよ核心に迫る第8弾。

虹の彼方に(上) 機動戦士ガンダムUC(9) (角川文庫)

「虹の彼方に」(上下巻)
角川書店 2009/角川文庫 2011/角川スニーカー文庫 2011
ついに『ラプラスの箱』の最終座標が示された。行く手に立ち塞がるネオ・ジオンの大艦隊と、すべての抹消を目論む地球連邦政府。一縷の可能性に賭けて、バナージは“ユニコーンガンダム”を駆り約束の地を目指す。その仮面に人類史の諦念を宿し、バナージの前に立ちはだかるシャアの再来=フル・フロンタルの正体とは?いま、最後の戦いの幕が上がる―。混迷する現代社会を照射する“大人のためのガンダム”、衝撃の最終章。

震災後

小説・震災後 (小学館文庫)

小学館 2011/小学館文庫 2012
二〇一一年三月十一日、東日本大震災発生。多くの日本人がそうであるように、東京に住む平凡なサラリーマン・野田圭介の人生もまた一変した。原発事故、錯綜するデマ、希望を失い心の闇に囚われてゆく子供たち。そして、世間を震撼させる「ある事件」が、震災後の日本に総括を迫るかのごとく野田一家に降りかかる。傷ついた魂たちに再生の道はあるか。祖父・父・息子の三世代が紡ぐ「未来」についての物語―。『亡国のイージス』『終戦のローレライ』の人気作家が描く3・11後の人間賛歌。すべての日本人に捧げる必涙の現代長編。