ケン・フォレット『針の眼』

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針の眼 (創元推理文庫)

『針の眼』
戸田裕之訳 創元推理文庫
上陸地点はカレーかノルマンディか。英国内で活動していたドイツの情報将校ヘンリーは、連合軍のヨーロッパ進攻に関する重大機密を入手、直接アドルフ・ヒトラーに報告するため祖国を目指す。英国陸軍情報部の追跡を振り切り、U=ボートの待つ嵐の海へ船を出したが…。第二次大戦下、史上最大の上陸作戦を成功に導いた、知られざる「英雄」の物語。MWA最優秀長編賞受賞作。
英国に潜入したドイツのスパイ、暗号名“針”が入手する情報とは「連合軍の大陸侵攻作戦の上陸地点はカレーではなくノルマンディである」というもの。 機械的なまでに冷酷に殺人を繰り返しながら逃亡を続ける“針”と、わずかばかりの証拠から確実に彼を追い詰めていく英国情報部。 終盤、全ての関係者が孤島を目指して集結していく様は、とてもスリリングで手に汗を握る。
 Uボートとのランデブー・リミットが迫る中、英国情報部の捜査の網は徐々に狭められ…… という緊迫した状況の中で展開されるのは、なんとラブ・ロマンス(笑)。 この孤島に住む人妻ルーシイが、これがまたえらく魅力的なのである。 僕はこういうタイプの女性に弱く、そして“針”も弱かった(らしい)。 もちろん、“針”は自分の任務を忘れてなんかいないし、ジェームズ・ボンドみたいにお互いもう大人なんだからいろんなことして任務完了、というわけでもない。 恋愛小説としても充分に通用しそうな“読ませる”展開と、タイムリミットが迫る中での緊迫した“読み応えある”展開をうまくミックスしたところが、この作品のすごいところである。


Bibliography

1974

The Big Needle
※サイモン・マイルズ名義

The Big Black
※サイモン・マイルズ名義

1975

The Big Hit
※サイモン・マイルズ名義

The Shakeout

1976

The Bear Raid
Amok: King of Legend
※バーナード・L・ロス名義

The Modigliani Scandal

cover

「モジリアーニ・スキャンダル」日暮雅通訳 新潮文庫 1997
パリの下町で怪しげな老人からモジリアーニの幻の絵の存在を聞き出した女子学生ディーはイタリアへと向かった。彼女の動きを嗅ぎつけたロンドンの画商達がその跡を極秘に追う。一方、大家至上主義のロンドン画壇へ憤りを募らせる気鋭の前衛画家は友人の美術教師とともに復讐を画策する…。企みと企みが複雑に絡み合うストーリー、巧緻な仕掛け、そして意外な結末を用意した野心作。

The Mystery Hideout
The Power Twins

1977

Paper Money

ペーパー・マネー (新潮文庫)

「ペーパー・マネー」日暮雅道訳 新潮文庫 1994
午前六時。ロンドンの長く熱い一日が始まった――。甘美な情事の余韻を楽しむ閣僚を襲う突然の恐喝劇。油田採掘権の落礼をめぐって画策される企業買収。そして廃棄に回される古紙幣を狙った現金強奪。夕刊紙〈イブニング・ポスト〉の編集スタッフが綿密な取材をつづけるなか、それぞれの事件は意外な方向へ…。

1978

Capricorn One
※バーナード・L・ロス名義

Eye of the Needle

針の眼 (創元推理文庫)

「針の眼」鷺村達也訳 ハヤカワ・ノヴェルズ 1980/ハヤカワ文庫NV 1983
「針の眼」戸田裕之訳 新潮文庫 1996/創元推理文庫 2009
上陸地点はカレーかノルマンディか。英国内で活動していたドイツの情報将校ヘンリーは、連合軍のヨーロッパ進攻に関する重大機密を入手、直接アドルフ・ヒトラーに報告するため祖国を目指す。英国陸軍情報部の追跡を振り切り、U=ボートの待つ嵐の海へ船を出したが…。第二次大戦下、史上最大の上陸作戦を成功に導いた、知られざる「英雄」の物語。MWA最優秀長編賞受賞作。


Heist of the Century

1979

Triple

cover

「トリプル」一ノ瀬直二訳 集英社 1981/集英社文庫 1982
成功か、死か!莫大なウランをめぐって、かつてオックスフォード大学でともに学んだ3人の男たちが、敵味方に別れて激突する…。アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作家が放つ話題の本格スパイ巨編。

1980

The Key to Rebecca

cover

「レベッカへの鍵」矢野浩三郎訳 集英社 1982/集英社文庫 1983/新潮文庫 1997
スパイは砂漠を越えてやって来た。ロンメル将軍が送りこんだアレックス・ヴォルフは、イギリス占領下のカイロで活動を開始する。切り札は花形ベリー・ダンサーのソーニャ。ヴォルフとコード・ブック『レベッカ』の謎を追うイギリス軍のヴァンダム少佐も、自身に想いを寄せるユダヤ人女性エレーネに危険な使命を与えた――。軍略と情欲が鮮烈に交錯する鬼才の秀作、満を持して復活。

1982

The Man from St. Petersburg

ペテルブルグから来た男 (上) (集英社文庫)

「ペテルブルグから来た男」矢野浩三郎訳 集英社 1983/集英社文庫 1985

1983

On Wings of Eagles

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「鷲の翼に乗って」矢野浩三郎訳 集英社 1984/集英社文庫 1986
逮捕された社員を救出せよ!1979年、革命に揺れるイラン、投獄された2人の幹部を救い出すため、米国EDS社会長ペロウは私兵を傭い、前代未聞の奪還作戦を決行する。迫真のノンフィクション。

1986

Lie Down with Lions

獅子とともに横たわれ (集英社文庫)

「獅子とともに横たわれ」矢野浩三郎訳 集英社 1986/集英社文庫 1988
燃えるアフガン!愛に生きるか、大義に死ぬか?パリに暮らす美しい女性ジェーンは愛した男がCIAのスパイだったことに心を傷つけられ、フランス人医師と結婚した。ふたりはアフガニスタンの医療奉仕に出発する。ソ連軍の侵攻に必死の抵抗をするゲリラの村が新しい仕事場であった。戦闘が激化したある日、ジェーンは信じられない光景に出くわす。夫がひそかに会っていた人物はソ連KGBの情報員だったことがわかり…。アフガン戦争の戦火の陰に、ケン・フォレットが愛と死を見つめる傑作。

1989

The Pillars of the Earth

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「大聖堂」矢野浩三郎訳 新潮文庫 1991/ソフトバンククリエイティブ 2005
いつかこの手で大聖堂を建てたい―果てしない夢を抱き、放浪を続ける建築職人のトム。やがて彼は、キングズブリッジ修道院分院長のフィリップと出会う。かつて隆盛を誇ったその大聖堂は、大掛かりな修復を必要としていた。折りしも、国王が逝去し、内乱の危機が!十二世紀のイングランドを舞台に、幾多の人々が華麗に織りなす波瀾万丈、壮大な物語。

1991

Night Over Water

飛行艇クリッパーの客〈上〉 (新潮文庫)

「飛行艇クリッパーの客」田中融二訳 新潮文庫 1993
それは世界一ロマンチックな飛行機だった。第二次大戦の発端となった英仏の対独宣戦の直後、大西洋横断航路の豪華飛行艇パンアメリカン・クリッパーは、ニューヨークを目ざし、サウサンプトンを離水する。だが、同機の機関士エディ・ディーキンは妻を誘拐され、その生命と引換えに不可解な要求を受けていた。さまざまな乗客の思いを乗せて、クリッパーは嵐の大西洋上空を飛ぶ。

1993

A Dangerous Fortune

ピラスター銀行の清算〈上〉 (新潮文庫)

「ピラスター銀行の清算」水上峰雄訳 新潮文庫 1995
寄宿学校の水浴び場で起きた不可解な水死事故――それが四半世紀にわたる、ピラスター銀行をめぐる暗闘のプロローグだった。7年後、同窓生だったピラスター一族のエドワードとヒューは銀行に勤め、事故当時エドワードをかばったコルドバ人、ミッキー・ミランダは、エドワードの母オーガスタを誘惑し、密かな野望を育んでいた…。ロンドンの金融街に渦巻く欲望を活写した注目作。

1995

A Place Called Freedom

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「自由の地を求めて」矢野浩三郎訳 新潮文庫 2000
18世紀後半。スコットランドの炭坑で、マック・マカッシュは喘いでいた。苛酷な労働と爆発の危険。未来の見えない生活から、マックは逃げたかった。そんな折、幼馴染のリジー・ハリムが坑内に忍び込む。冒険心旺盛なこの領主の娘に助けられ、マックはロンドンへと逃走する。ここで荷役夫の職を得たが、またしても搾取に抵抗し、立ち上がる……。混乱の時代を抉る鬼才の歴史巨編。

1996

The Third Twin

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「第三双生児」佐々田雅子訳 新潮文庫 1997
キャンパスで発生したレイプ事件。心理学科助教授のジニーは、罪を着せられたスティーヴが一卵性双生児であることを突き止める。だが、その片割れは殺人罪で服役中。では、"3人めの双子"が存在するのか?遺伝子操作、ソシオパス、コンピューター・テクノロジー、M&A、そして合衆国保守派の陰謀―すべてを盛りこみ、鬼才が11年ぶりに放つ鉄壁のコンテンポラリー・スリラー。

1998

The Hammer of Eden

cover

「ハンマー・オブ・エデン」矢野浩三郎訳 小学館 2000, 小学館文庫 2004
「科学専門誌“ニュー・サイエンティスト”を読んでいたとき、地震発生のメカニズムに関する記事に目が留まり、人工的にこの振動を引き起こすことができるかもしれない、と考え、この小説の発想を得た」(K・フォレット)―この驚天動地の手段を、テロリストが手に入れたとしたら…。その恐怖は想像を絶するものとなるだろう。カリフォルニアの豊かな自然を守るべく“エコ・テロリスト”と化した一団、名付けてハンマー・オブ・エデン(エデンの鉄槌)と美貌のFBI捜査官ジュディ・マドックスとの息詰まる対決。サスペンスアクションの傑作ここに。

2000

Code to Zero

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「コード・トゥ・ゼロ」戸田裕之訳 小学館 2001/小学館文庫 2003
スペースウォーの覇権は米ソいずれが握るのか?崖っぷちに立たされたアメリカ。残された48時間にエスピオナージ達の死にものぐるいの戦いが伯仲する。時は1958年、人工衛星打ち上げで遅れを取ったアメリカは、巻き返しを図るべくジュピターロケットの打ち上げに全威信を懸ける。その阻止にスパイ生命を賭けたスリーパーとの息詰まる戦いが始まる。デビュー作『針の眼』でスパイ小説の雄の座を不動のものとしたケン・フォレットがサスペンス感覚たっぷりに描き上げた米ソ宇宙戦争の舞台裏。運命のカウントダウンがいま始まる。

2001

Jackdaws

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「鴉よ闇へ翔べ」戸田裕之訳 小学館 2003/小学館文庫 2006
Dデイの迫る第二次大戦末期のもっとも危険な十日間の秘密工作を描いた戦争サスペンスの傑作、待望の文庫化。熾烈をきわめる対独諜報戦のなか、Dデイの成否を握るのはドイツ占領下のシャンパーニュ地方に設けられたドイツ電話交換所破壊にあった。破壊工作にあたるのは女性だけで編成された秘密部隊、コードネーム「ジャックドウズ」(鴉)。一九四四年六月三日、漆黒の闇空をついて鴉たちはドーバーを越えた。

2002

Hornet Flight

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「ホーネット、飛翔せよ」戸田裕之訳 ソニーマガジンズ 2004
第二次世界大戦下、イギリス政府は苦悩していた。イギリス空軍機が待ち伏せされ、次々とドイツ空軍に撃墜されていたのだ。なぜか事前に飛行ルートがデンマークのどこかから洩れているらしい。このままではヨーロッパ全土がナチスドイツの手に落ちてしまう―焦るイギリス政府だったが、デンマークの小島に住む青年ハラルドが、ドイツが極秘裏に建設したレーダー設備を偶然、発見する。レジスタンス組織に身を投じていたハラルドの兄アーネは、その貴重な情報を一刻も早くイギリスに渡そうとあらゆる手段を尽くすが、すでにナチスの手はアーネに迫っていた!史実を基に、名手が描き出す冒険小説の傑作。

2004

Whiteout

2007

World Without End

大聖堂―果てしなき世界 (上) (ソフトバンク文庫)

「大聖堂/果てしなき世界」戸田裕之訳 ソフトバンク文庫 2009
いつか、イングランドでいちばん高い建物を建てる――大きな夢を抱く建築職人のマーティンは、その才能に嫉妬した元親方の策略によって破門され、細々と生計を立てていた。一方、彼の恋人で富裕な羊毛商人の娘カリスは衰退する羊毛市を救うため、老朽化した橋の修復計画に奔走する。そんな折り、町の橋が崩壊して多数の死者が!全世界で1500万部のベストセラーとなった『大聖堂』から18年、世界中をふたたび熱狂させた続編が登場。

2010

Fall of Giants

巨人たちの落日(上) (ソフトバンク文庫)

「巨人たちの落日」戸田裕之訳 ソフトバンク文庫 2011
物語はウェールズの炭鉱の町から始まった──。炭鉱労働者の家に育ったメイドのエセルと弟のビリー。ロシアの皇女を妻に迎え、英国貴族として生きる若き伯爵フィッツ、貴族に生まれながら女性運動に身を投じるフィッツの妹モード、敵国の女性を愛してしまったドイツ大使館員のワルター、アメリカ大統領の側近として海を越えて奔走するガス、そして革命前夜のロシアで最底辺の暮らしにあえぐグリゴーリイとレフの兄弟──。国も身分も異なる5つの家族の運命が絡み合い、壮大なドラマが紡がれていく。第二次世界大戦下、イギリス政府は苦悩していた。イギリス空軍機が待ち伏せされ、次々とドイツ空軍に撃墜されていたのだ。なぜか事前に飛行ルートがデンマークのどこかから洩れているらしい。このままではヨーロッパ全土がナチスドイツの手に落ちてしまう―焦るイギリス政府だったが、デンマークの小島に住む青年ハラルドが、ドイツが極秘裏に建設したレーダー設備を偶然、発見する。レジスタンス組織に身を投じていたハラルドの兄アーネは、その貴重な情報を一刻も早くイギリスに渡そうとあらゆる手段を尽くすが、すでにナチスの手はアーネに迫っていた!史実を基に、名手が描き出す冒険小説の傑作。



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